ゼミ生がイギリス視察旅行

 9月に1週間から2週間、塩路研究室の3年生10人がイギリスに視察旅行にでかけました。イギリスまでの飛行機から宿泊施設、現地での移動手段にわたるまですべて学生たちが自ら計画、予約しました。各自が自分の関心に沿った調査テーマを設定し、グループに分かれて、首都ロンドンだけでなく、マンチェスターやオックスフォードといった地方都市や大学街、また湖水地方やコッツウォルズ地域といったカントリーサイドにも足をのばし、さまざまな体験をしました。今回は、それぞれのテーマに応じたイギリス視察旅行の報告をします。

英国・湖水地方の自然について
国際観光学部 3年生 伊藤 豪士

 9月8日から9月20日にかけてイギリスに行きました。イギリスではロンドンや、湖水地方、マンチェスターやオックスフォードなど、様々なところに赴きました。その中でも、特に興味を惹かれたのが湖水地方の自然の風景です。
 イギリスにはナショナル・トラストと呼ばれる環境保護団体が存在しています。正式名称を「歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト」というのですが、湖水地方の3分の1はこのナショナル・トラストが保有しています。そのため、湖水地方では今でも舗装道路や現代的なものは、生活上必要最低限のものしか設置しておらず、建物はそのまま保存され、変わらない生活があり、徹底した自然保護がこの地では行われています。そのようにして守られてきたイギリスでの自然の風景を見てみたいという強い思いがあり、今回の旅行では英国の自然を調査対象としていました。実際に、湖水地方に滞在できたのは2日間だけでしたが、それでもたくさんの経験ができました。今回は、その体験について書いていきたいと思います。
 湖水地方では、主な移動にバスを使いました。このバスはイギリスでは有名な2階建てのようなバスです。しかし、二階席には屋根がなく、直に風を感じることができるような作りになっています。また、湖に沿って走るので視界が開けたときは、広大な自然や湖の景色を一望することができます。きれいな自然、そしてきれいな空気を満足いくまで感じられるような工夫が凝らされていました。しかし、屋根がないことで、木の枝や木の実があたってしまうという危険もありました。
 湖水地方で1日目に訪れた地はグラスミアです。ここはウィンダミアからバスで25分ほどのところにあります。詩人のワーズワースが過ごした地、また眠る場所でもあるということで有名です。このワーズワースが8年間過ごしたとされるダブコテージは、中を見ることができるようになっています。現在、このダヴ・コテージはワーズワース財団が保存、管理、運営をしています。実際に中に入ってみると、ガイドをしてくれる職員の方が案内してくれる(場合もある)のですが、各部屋の説明が各国語で書かれた案内書もあるので、十分な英語の知識がなくてもしっかり見ることができます。また、ウィンダミア湖の北端に位置するアンブルサイドは、地形的に山に囲まれているので、登山用のアウトドアの店が多かったです。観光客としては、若い人は少なく、ほとんどが年輩の方でした。

 2日目には、ウィンダミアの隣町である、ボウネス・オン・ウィンダミアからレイク・クルーズ船に乗り、レイクサイドまで行き、The Lakeside & Haverthwaite鉄道に乗りました。レイク・クルーズにはいくつかルートがあり、湖上からウィンダミア湖を満喫することができます。あいにく、この日は曇り空でのクルーズとなってしまったので、湖上からの風景を満足に見ることはできませんでした。しかし、それでも湖上で感じる空気が気持ちよく、地上でバスの時に感じたものでした。レイクサイドからは、The Lakeside & Haverthwaite鉄道に乗りました。The Lakeside & Haverthwaite鉄道は蒸気機関車です。走っている蒸気機関車を見るのは初めてだったのですが、あまりの煙の量に驚きました。車内にはテーブル席がありました。照明がないのか、中は暗く、窓からの明りのみでした。
 レイクサイドからウィンダミアに帰ってきてからは、オレスト・ヘッドという場所に行きました。ここは丘のようなところで、20分ほどのハイキングコースを歩いて登るとウィンダミアの街並みとウィンダミア湖が一望できる場所になっています。街並みの反対側には、どこまでも続く田園風景が広がっていました。
 今回は、湖水地方には2日間のみの滞在ということで、同地方をじっくり見て回ることができたとは言えません。しかし、それでも十分に自然を感じることができ、自然風景をバスの2階から満喫したり、蒸気機関車にはじめて乗るなど、たくさんの経験ができました。また、ナショナル・トラストによって今まで守られてきた土地や建物はとてもきれいでした。それは、そこに住む人々やそこに関わった人たちがその土地を愛し、守っていこうという思いがなければ成し得なかったことだと思います。このような土地や遺産の保護の在り方が、更なる自然や遺産の保護に繋がっていくのだと思いました。最後に、今回見たものや、感じたものを今後の研究にも活かしていきたいと思うとともに、再度改めて時間をとり、湖水地方の行けなかったところにも行きたいと思います。

日本とイギリスの共通点と差異点
国際観光学部 3年生 布廣 有紀

 今年の9月に13日間ゼミ生同士でイギリスに行きました。私は、ヨーロッパには行ったことがなかったので、日本と遠く離れた国の文化や人々の習慣にどれだけの違いや共通点があるのか興味がわき、このテーマについて調べることにしました。イギリスへ行く前に調べたインターネットでの情報と比較しながら、実際に見て感じたことをまとめたいと思います。
 まず、共通点をみていきます。最初に、島国という点です。日本は他国に行く場合、飛行機や船でしか交通手段がありません。イギリスも同じかと思いましたが、フランスとの最短距離であるドーバー海峡が34kmと短いため、ユーロスターなどの鉄道が通っています。ロンドン−パリ間を約2時間で移動することができます。私も実際に利用しましたが、大阪−東京間を新幹線で移動するような感覚だったので、イギリス人は、日本人が思うほど、海外を遠くには思っていないのではないかと思いました。
 次に、左側通行であることです。そもそも左側通行が定着したのには、どちらの国も刀や剣がすれ違う際に当たらないようにしていたという風習があったからです。それが、今も生活習慣として残っていることがわかります。他にもインターネットでは、共通点として、お茶を好む傾向があると書いてありました。実際に行ってみると、色々な種類の紅茶が売られていましたが、日本のようにペットボトルで売られているのを見かけることはありませんでした。イギリスでは、昼下がりを紅茶と共にゆっくり過ごすアフタヌーンティー、日本には、茶道があります。どちらも昔は、社交の場として使われ、茶器や室内装飾などを見ながら会話を楽しむものでした。近年簡略化され、気軽に楽しむことが出来るようになりました。実際に、ティールームに入り、紅茶を頼みました。日本では、ストレート、ミルク、レモンかを聞かれることが多いですが、イギリスでは、聞かれることなく紅茶のポットとミルクのポットが出てきました。ガイドブックによると、イギリスでは、茶葉は選べるがミルクで飲むのが基本で、レモンティーは一般的ではないようです。本場の紅茶を飲んでみると、香りがよく、甘みがあって、とてもおいしかったので、英国紅茶がとても好きになりました。
 次に差異点を見ていきます。まず、天気の移り変わりです。イギリスは天気の移り変わりが激しいとインターネットには載っており、自分でも「霧の都ロンドン」というイメージがあったので、気温の差が激しく、雨も多いと思っていましたが、私が行った9月上旬は、晴れ間が多く、思っていたほど寒暖の差がなかったので、日本と全然違うという感じはありませんでした。

 ほかにも、実際に私がイギリスで見聞きした中で日本と違うものは、たくさんありました。まず、電車のドアです。日本では主に、ドアの開閉は車掌さんが行いますが、イギリスに限らずヨーロッパでは、自分で開閉するボタンがついている電車が多くありました。次に、トイレです。公共トイレでは、お金が必要な場合があります。日本のようにあちこちにトイレがあるわけではないので、気を付ける必要があります。
 そして、観光していて最も目についた点は、案内板です。案内板が町の至る所にあり、充実していました。今いる場所や向かっている方向がすぐにわかってとても助かりました。日本では、駅周辺には案内板を多く見かけますが、見やすい所にたくさんはないと思うので、日本でも外国人観光客が増えている今、わかりやすい所にたくさん設置してもよいのではないかと思いました。イギリスでは、ゴミ箱も至る所にあったので、ポイ捨てを少なくする取り組みがみられました。他にも、横断歩道は日本とは違い、青信号が数秒で終わるので、油断していると危険です。しかし、道路を見てみると「LOOK LEFT」など、指定されている方向から車が来ていなければ、赤信号でもその方向を多くの人が自分で確認して渡っています。そして、ほとんどの横断歩道に歩行者のボタン式信号機がついていた印象があります。
 このように、実際に行ってみないとわからないことがたくさんありました。イギリスに行く前は、「日本製品の品質は最高」「日本人は優しい」「日本のおもてなしは素晴らしい」とテレビで外国人が言っていたのを聞いて、やはり日本は産業製品が優れていて人々も暖かいと思っていました。ところが、イギリスに行ってみると、人とぶつかりそうになった時には“Sorry”、道を譲った時には“Thank you”と言ってくれたり、困っていると進んで助けてくれたりして、私の中でのヨーロッパに対する印象は大きく変わりました。そして、日本の安全性やおもてなしの素晴らしさを改めて感じることもできました。

イギリスのミュージカルについて
国際観光学部 3年生 福田 千晴

 9月1日から11日にかけて、イギリスに視察旅行に行きました。このレポートでは、私が研究テーマとして掲げた「イギリスのミュージカル」に基づいて、報告をしていきたいと思います。
 私は日本で有名とされている劇団四季や宝塚歌劇団のミュージカルを観に行ったりすることで、ミュージカルが好きになり興味を持つようになりました。まずミュージカルというのは、歌、ダンス、お芝居の三要素を取り入れた演劇形式で、18世紀のイギリスでのオペラが源流だと言われています。ミュージカルとして確立をしたのは19世紀初期のアメリカのブロードウェーでの“コメディー・ミュージカル”で、19世紀後半では、「レ・ミゼラブル」、「キャッツ」などのイギリス製のミュージカルが、ブロードウェーよりも勢いを見せ始めました。今では、ロンドンのウエストエンドとブロードウェーがミュージカルの中心地とされており、劇団四季や宝塚歌劇団などで上演される多くのミュージカルはそれらの場所から輸入され、翻訳されたものになります。
 私は今回、1980年代からロングラン公演中である「レ・ミゼラブル」を現地で観ました。初演はパリでの公演で、月日を重ね、たくさんのスタッフが作品に携わりました。イギリスでは物語の内容を細かく伝えていくということに重点を置いて作られて、ロンドン版での上演に至った作品だそうです。2012年には、豪華キャストで映画化され、日本では社会現象になるほどの大ヒット作品となりました。また、世界で上映されたこともあり、日本人はもちろん、中国人や韓国人など、イギリス以外でもいろんな国籍の人々が、劇場に訪れていました。私はその「レ・ミゼラブル」の映画を何度か見ていて、内容は理解しており、劇中歌も知っていました。ミュージカル映画ということで、吹き替え版はなく、英語そのものでしか見たことがなかったので、本場の英語での生歌、そして生演技での「レ・ミゼラブル」はどんなものなのだろうと、とても楽しみにしていました。

 チケットは、当日券を購入しました。ロンドンのミュージカル公式のチケット売り場である“TKTS”が、レスタースクエアにあります。ここでは、多くのミュージカルの当日券が半額で発売されます。私が購入したチケットは当日券で、およそ40パーセントオフの価格でした。ロンドンのミュージカルの中でも人気のある作品は、当日券でも割引にならないこともあるようです。当日券で座れる席ということは、そんなに良い席ではないのだろうと思っていましたが、予想通り、少し舞台の上の部分が見えないような席でした。しかし、本編を観て感じたことは、舞台が少し見えないことなど、忘れてしまうほどの迫力でした。生歌、生演技に心が打たれ、何度も感情移入し、涙が出そうになりました。
 ミュージカルの魅力は、キャストがそれぞれの役割で、観客の目の前で、物語を作り上げていくというところにあると思います。それに音楽の力が加わり、観客との一体感が生まれ、最後にはスタンディングオベーションをしてしまうほどの感動に客席が包まれます。そのようなところが、ミュージカルを何度も観たくなってしまう要素だと考えました。
 イギリス、ロンドンにおいてのミュージカルは、現地の人々の娯楽であり、海外旅行者の観光資源でもあります。今回は「レ・ミゼラブル」を鑑賞しましたが、他に上演されているミュージカルには、イギリスの有名なアーティストを題材にしたものや、実際にイギリスが舞台になっている物語もたくさんあると思うので、観光客に対し、イギリスの歴史や世界へのメッセージを伝えていく、大切な文化資源だと感じました。

イギリスの食事について
国際観光学部 3年生 浅間 崇志

 今回ゼミの仲間で行ったイギリスの視察旅行で、私はイギリスの食事について調査を行いました。
 朝食は、様々なホテルで食べましたが、場所によって少しの違いはあっても基本的にはどこも同じで、ポーチドエッグやスクランブルエッグといった卵料理・ソーセージ・ベーコン・トマト・マッシュルーム・ベイクドビーンズ・トーストとジャムに紅茶もしくはコーヒーがあり、さらに各自でシリアルやフルーツジュースなどを自由に取って食べるといった形式でした。量はけっこうあって、女性の人などは残したり初めから品数を少なくしたりしている人も結構いました。

 昼食は、有名な白身魚のフライに、棒状のポテトフライを添えたフィッシュアンドチップスや、ローストビーフやチキン・チーズなどの具材が使われたサンドイッチ、様々な種類のパスタやピザ、薄い小麦粉の皮で具材を包んだラップという料理などがありました。また日本でよくあるマクドナルドやケンタッキー、それに類似するファーストフードの店なども、イギリスのあちこちで見かけました。
 夕食は、ビーフやチキン・魚などを使ったステーキや、肉・魚・野菜と様々な具材を包んだパイ、昼食と同じくパスタやピザ、野菜は温野菜やジャガイモのポテトフライが多かったです。さらにこうした伝統的なイギリス料理やヨーロッパの料理だけでなく、中華料理を初めとしてインド料理やタイ料理・日本料理などといった世界各国様々なレストランも数多くありました。またイギリスには、パブやバーと呼ばれるお店が多くあります。こちらはお酒を飲むのがメインといったイメージが強く、そういったお店もありましたが、おいしい夕食を食べられるところもありました。しかし、イギリスのお店の多くは、夜11頃には閉店してしまうところが多く、日本のように夜遅くまでお酒を飲んでいられるお店は少なかったです。
 最初、私はイギリス料理というのはあまりおいしくないといったマイナスの評価をよく聞いていたので、期待せずにイギリスに行きました。しかし、実際に行ってみると調理方法がシンプルであったり、野菜が少ないなと感じることはありましたが、味のほうは評判のように、おいしくないということは無く、むしろおいしい料理が多くありました。イギリス料理の悪評は昔からあるので、これを払拭するのは難しいかもしれませんが、私のように実際に食べてみて、イギリス料理の本当のおいしさを多くの人に伝えらることができれば変わるのではないかと思いました。

マンチェスターのオールド・トラフォードについて
国際観光学部 3年生 安田 和樹

 私は9月のイギリス旅行で特に印象に残ったマンチェスターについて振り返りたいと思います。昔からサッカーをしていたこともあり、特に好きなチームの1つであった海外サッカーのプレミアリーグに所属するマンチェスター・ユナイテッドFCのホームスタジアムであるオールド・トラフォードというスタジアムに行きました。
 まず、マンチェスターの中心駅であるマンチェスター・ピカデリーに降りました。そこで、予定ではメトロリンクと呼ばれている路面電車に乗るつもりでしたが、なぜかその日は運行しておらず、急遽予定を変更してバスに乗りオールド・トラフォードの最寄りにあるバス停に降りました。そこから警備員の方にスタジアムまでの道のりを聞きました。そして15分ほど歩くとオールド・トラフォードにたどり着くことができました。オールド・トラフォードの前にはTHE UNITED TRINITY BEST LAW CHARLTONと書かれた3人の銅像が建っていて、マフラーやニット帽などを露店販売している人たちも何人かいました。

 オールド・トラフォードの外観を見た後、さっそくオールド・トラフォード内にある受付でスタジアムツアーを申し込みました。スタジアム見学ツアーにはミュージアムの1日利用券が含まれており、ツアー開始まで1時間ほど時間があったので階段を上り、ミュージアムを見て回りました。ミュージアムではマンチェスター・ユナイテッドFCの優勝した時のトロフィーや歴代の活躍した選手のユニフォームなどを展示しており、マンチェスター・ユナイテッドFCの歴史を知ることができました。その他にもスポーツバーやゲームなどができるアミューズメントもあり、1時間では物足りないほど楽しめるミュージアムとなっていました。
 ツアーの時間になり、集合場所に行くと、ツアーを予約していた20名ほどの色々な国から訪れた老若男女が集まっていました。そこからツアーが始まりガイドの方の案内でスタジアムに入ることができました。テレビでしか見たことのなかったスタジアムに入るとその広さに驚き、感動しました。そして、ガイドの案内で観客席に座り、説明を聞いた後、スタジアムにあるミーティングルームや記者会見をする場所にも行くことができました。ツアーの終盤には、選手たちが試合に入場しているゲートを試合の時のように観客の歓声の入った音楽を流しながらくぐるといった演出の中、フィールドに入ることができました。実際選手たちが眺めている景色を私も見ることができ、感動しました。
 このスタジアムツアーに参加し、マンチェスター・ユナイテッドの歴史を深く知ることができました。そして、テレビの中でしか見ることができないと思っていたフィールドに入れたことは、私にとってかけがえのない経験となりました。

オックスフォードを見学して
国際観光学部 3年生 赤坂 貴之

 私たち塩路ゼミ3年生男子6人は、9月8日から9月20日にかけてイギリスを訪問しました。私は、イギリスを訪問する前に個人的に調査したいテーマとして「ハリー・ポッター」を選んでいたので、今回はロケ地となったオックスフォードについて報告します。
 まず、オックスフォードはイングランド、オックスフォードシャー州の都市で、英語圏において最も古い大学であるオックスフォード大学の拠点になっています。そこへ私たちは二日目となる9月10日に、ロンドンのパディントン駅から電車でビクトリアへ行き、ビクトリア駅近くのビクトリア・コーチ・ステーションから高速バスを利用してオックスフォードまで移動しました。この時に乗ったバスはイギリスで主流となっているダブルデッカーと言われる二階建てのバスでした。日本では滅多に味わえない二階建てのバスがイギリスでは日常的に乗ることができます。
 また、バスの会社や種類にもよりますが、私たちが乗ったバスには無線インターネット接続であるWI-FIが無料で完備されていました。これによってバスの移動の際にもスマートフォンやノートパソコンでインターネットに接続することが出来ます。私も実際にスマートフォンを使用してSNSを閲覧・更新、日本の知人に連絡をとることもできました。バスから見る風景はビクトリア周辺ではまだ都会のイギリスの街並みといった感じで、段々と風景に緑が増えて田舎の景色が広がり、オックスフォード周辺になるとまた都会的な風景が見えました。

 オックスフォードに着くと、周りの町並みは一般的なイギリスの街並みのようでしたが、クライストチャーチやテムズ川を通っているバンベリーロードに足を進めていくと、町並みが一変して、世界共通のチェーン店であるマクドナルドやサブウェイ等が並ぶ都会の通りになっていました。また更にテムズ川の方へと足を進めて行くと、左手にクライストチャーチのトム・タワーが見えました。私たちが見たのはトム・タワーの後ろ姿で、少し足を進めるとオックスフォード大学のクライストチャーチ・カレッジへの入り口へと入りました。そこにはまるで大きな公園のように野原や牧場が広がっていて、大学とは思えないような風景になっていました。大学生だけでなく、散歩する現地の住民や観光客がたくさん居ました。
クライストチャーチの中へ入るには入場料が必要で、一般では8£で私たちは学生なので5£で入場することができました。ここで海外において自らが学生だと証明する国際学生証を持っていたことによって安く入場することができました。入場すると、また中にボドリアン図書館がありました。ここはツアー参加者しか入場できないため入ることができませんでした。私たちはハリー・ポッターの食堂の舞台となっていた食堂へ入り、映画の中の世界を実際に体験することができました。しかし、映画では実際の食堂の大きさとは異なり、CGなどで加工してあるため、実際の食堂は少し小さく感じました。またクライストチャーチへ入る前に通りすぎたトム・タワーも食堂の中からグラウンドと一緒に見ることができました。クライストチャーチ内の土産屋は他の土産屋には無いような「ハリー・ポッター」のグッズが並べられていました。

 クライストチャーチをでると、オックスフォード大学の様々なカレッジを見ることができました。オックスフォード大学は街とキャンパスが混ざり合った学園都市とも言われ、街を歩いているのか大学内を歩いているのか分からなくなります。また、ラドクリフ・カメラなど有名な建造物なども大学内にあり、観光客向けの土産屋もたくさんあり、大学そのものが観光地として成り立っている理由が分かりました。
 現在、日本の大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンでもハリー・ポッターのエリアが新しく開設されたので、将来オックスフォードだけでなく他のイギリスのロケ地の舞台がより一層注目を浴びるかもしれません。そのロケ地の中で私は一部ではありますが現地で見学することができたので、再びイギリスへ行く機会があれば他のロケ地も行ってみたいと思いました。

プー・カントリーについて
国際観光学部 3年生 橋本 友梨

 9月1日から10日までイギリスに行き、様々な観光名所を訪れ、歴史や文化を学びました。私が調査した場所は、ハートフィールドという人口2,400人の村です。この村は『くまのプーさん』のふるさととして知られています。かつて作者のA.A.ミルンがこの村に暮らしており、ミルンは息子のクリストファーにくまのぬいぐるみを渡しました。それからクリストファーはぬいぐるみを持ち歩きながら村を散歩していたことからこの物語は生まれました。
 ハートフィールドはイギリスの南東部にあります。私たちが宿泊していたパディントンからは約二時間で行くことができました。初めに地下鉄でヴィクトリア駅まで行き、鉄道に乗りイースト・グリンステッド駅まで行きました。そこからバスに乗り25分程度でハートフィールドに着きました。鉄道は一時間に二便程度、バスは一時間に一便程度であります。バスを降りると近くに「プー・コーナー」という店があります。ここではハチミツやたくさんのプーさんのグッズが販売されていました。店内にはPIGLITS TEAROOMがあり食事をすることができます。ここで一休みした後にPooh Bridgeへ向かいました。

この橋は実際に物語でも登場しています。徒歩で行くには片道約40分かかり、約3.6キロメートルあります。橋まで行くにはプー・コーナーで日本語の地図を購入することもできますが、フットパスも表示されています。途中でいくつか柵を越える段があり、牧場や野原に入るのでとても複雑な道になっていました。牧場には至る所に馬がいました。私有地や家もあるので犬などの動物が出でくることがありました。道中では棒投げ遊びをするための枝を拾います。森の中は所々に物語を再現しているような場所もありました。Pooh Bridgeの手前には大きな木があり、その下にはプーさんの小さな家がありました。ハチミツや小銭、プーさんの絵が描かれている紙が置かれていました。橋には子どもが描いたような落書きの看板がありました。橋に着いたら棒投げ遊びをします。この棒投げ遊びは、まず川が流れる方向を確認し、上流に立ちます。そして全員で一斉に棒を落とします。下流に移動し棒が流れてくるのを待ちます。一番初めに出てきた棒を持っていた人が勝者となります。ハートフィールドは自然に囲まれてとても美しい村でした。
 私は幼いころからプーさんの絵本を見ていたので、今回ハートフィールドに行くことができ、とても良い経験になりました。また行く機会があれば、A.A.ミルンと挿絵作者E.H.シェパードの記念碑や物語にも登場する100エーカーの森に行ってみたいと思いました。

日本とイギリスの観光関連施設について
国際観光学部 3年生 檜山 瑞穂

 私は、9月2日〜14日の約2週間、イギリスとフランスを訪れました。そこで、自分で感じたことや目に見える違いを紹介したいと思います。事前に調べたことを元に、日本とイギリスの旅館とホテルの違い、公衆トイレの違い、そのほかに様々な建築物で比べてみました。
 まず始めに、旅館とホテルの違いですが、畳とフローリングの違いが最も大きな違いでしょう。とても印象的だったのがどのホテルにも、スリッパを置いていないことでした。日本にある大体のホテルなら使い捨てのスリッパが置いてあるものです。しかし、イギリスの私が泊まったホテルすべてにスリッパはありませんでした。そもそも部屋に入った際、靴を脱ぐ習慣がないため、イギリスのホテルでは置いてないことが普通なのです。ホテルに関してもう一点、それはお風呂場に関しての違いです。日本のホテルにはほとんどの部屋にバスタブがあると思いますが、イギリスのホテルにはバスタブがない部屋のほうが多かったです。少し値段が高めの部屋であればと、バスタブがある部屋に泊まりましたが、ホテルには基本的にはあまりバスタブを設置してありませんでした。それと洗面台の高さも日本のものと比べると少し高めでした。
 次に電車です。電車に関しての最大の違いはドアの開閉はすべて自動ではないことです。日本でもたまに自分でボタンを押して開閉したりしますが、大体地方で体験することかと思います。しかし、イギリスでは、ロンドンでも自分でドアを開閉するのです。これにはなかなか慣れることができず、戸惑いました。それと地下鉄の車両ですが、日本の地下鉄よりも天井が低く、駅の雰囲気も少し暗めな印象を受けました。乗車賃も日本に比べて高めですが、一日乗車券があり、ゾーンが広くなるにつれ値段が上がる仕組みになっており、さらに電車だけでなくバスも利用できるので、様々な場所に訪れる際はとても便利だと思いました。

 最後に紹介したい違いは、美術館についてです。日本の博物館は基本的に入場料を支払い、館内に入館するシステムです。しかし、私が訪れたナショナルギャラリーとナショナルポートレートギャラリーは入館料が無料だったのです。そのかわり館内に何箇所か寄付金を募る募金箱が設置してありました。館内の案内図などのパンフレット等は有料で一部につき1ポンド支払わなければならないなどのシステムがあり、とても驚きました。さらに、私が最も驚いたことがあります。それは写真撮影が可能なことです。日本の美術館ではまずないことですが、フラッシュを焚かなければ基本的には可能なのです。イギリスではないですが、フランスのパリにあるルーブル美術館でも撮影可能です。海外では珍しくないそうですが、海外の美術館を訪れるのが初めてだったのでとても新鮮でした。
 イギリスを訪れてみて、その国の文化や一般的な考えに触れ、それに合った施設を実際に体験して、日本との違いを理解することができました。今回の英仏での体験を通して日本の文化の良さを改めて実感できました。

英国の乗り物について
国際観光学部 3年生 村井 智一

 私は、夏休みの期間に英国に行って日本と英国の交通の違いを経験しました。日本にも電車、バス、タクシーがあり、日本でも交通費は高いと思っていましたが、英国はそれを上回る高さでした。
 ヒースロー空港からパディントン駅に行きました。パディントン駅の中はロンドンの町の中心部なので観光客やビジネスマンらしき人たちがたくさんいました。電車内は日本と違うところがあり、自動で扉が開くことがなくボタンを押さないと開かきませんでした。
 ハリーポッターの食堂を見にオックスフォード大学を見学してから、オックスフォード駅からウィンダミア駅の片道で£93(16,543円)もかかりました。この金額が私たちの旅で最も高かったです。ウィンダミア駅は湖水地方の玄関口で観光客が多く、電車から出てくる人は大勢いました。駅から出ても周辺にはバス停とタクシー乗り場しかなく、自然がとても豊かな場所だというのが第一印象でした。そのあとウィンダミア湖から船に乗りました。船の中は結構広く、店などもありました。外から眺める景色はすばらしく、日本では見ることができない光景でした。レイクサイドで降りて、そこから蒸気機関車に乗りました。日本では中々乗ることができないのでとても貴重な体験ができ、とても感動しました。近くで見る蒸気機関車は写真で見るものと違い、汽笛と黒煙で迫力満点でした。観光客も多く、写真を撮っている人もたくさんいました。
 英国のタクシーとバスについてですが、英国のタクシーは後部座席が向かい合わせの席になっていました。運転席と後部座席の間はガラス越しになっており、防犯対策がされていました。運転手は私たちの拙い英語に対して、気をつかってくれたのか簡単な単語で会話してくれました。
 英国のバスと日本のバスの違うところは、バス内で切符を買えなかったところです。切符を買う場所があるのでそこで購入しないといけません。料金もバスの人が徴収しないのでなかなか慣れることができませんでしたが、英国のバスは基本的に二階建てなのでより多くの人が乗ることができるので便利だと感じました。コーチという長距離バスがあり、値段が安く観光客にとって助かる乗り物でもあります。ただ、電車に比べると移動時間が長くかかるというのが欠点でもあります。
 日本の乗り物と比べてみると交通費は高いですが、タクシーとバスは日本と比べると乗れる乗車可能人数が多いことが便利だと思いました。利便性を考えると英国のほうが便利ではないのかと思いました。しかし、鉄道はアナウンスが聞き取りにくく、何回も乗り間違えをしました。もう少し外国人観光客にも聞き取りやすい工夫をしてほしいと感じました。