ソフトウェアシンポジウム2016でフォーラム講演(花川教授)

2016年6月6日から8日にかけて,ソフトウェア技術者協会主催, 情報処理推進機構後援のソフトウェアシンポジウム2016が鳥取県の米子で開催されました.
経営情報学部の教授花川典子がフォーマルセッション2で「地域貢献と研究成果を両立するソフトウェア工学教育の実践 −不十分な条件下のSE教育の創意工夫−」のタイトルで2時間の講演を行いました.

内容は以下のとおり.
・タイトル:地域貢献と研究成果を両立するソフトウェア工学教育の実践

1章:私立大学の特徴

担当科目数が国立大学より多く,さらにゼミ生数が非常に多い.1年から4年までの総ゼミ生数が70人近くになる場合がある.名前を覚えるのも大変である.
さらに,教育以外に地域社会貢献,大学運営,大学の雑用などが多種多様にわたる.もちろん,研究も必須である.
すべてを独立して平行実施すると,教育に割り当てる時間がなくなる.時間も人材も予算も全く不足しており,すべて完遂できなくなる.

2章:教育活動・研究活動の創意工夫

そこで,独立した仕事を組み合わせることで効率良く仕事を進める.
以下に例を示す.
・地域貢献と学生のゼミでのSE教育の結合:
地域社会のITを目的に,地元の中小企業や商店向けの業務アプリを開発するSE教育を実施する.業務アプリとはレストラン予約システムや不動産検索システムなどである.
・大学教育システム開発作業と研究:
大学の教育システム導入時の検討委員となる.その際に入手できる要件定義書,設計書,コード,テスト結果,障害情報を研究対象とする.研究のための定期的なデータ収集方法を確立する.

3章:業務アプリ開発によりSE教育の実践報告

地域貢献を目的として,さまざまな業務アプリを開発したことを報告.今まで6つの業務アプリを開発し,内,4つのシステムは現在も業務で活用中である.プロジェクトのキックオフから要件定義,設計,実装,テスト,保守運用までSEとして学生を教育する手法である.業務アプリの例を示し,失敗談や苦労した点を紹介した.

4章:まとめ

j結論として,私立大学で教育と研究を関連付けさせることはほとんど無理がある.教育と地域貢献,大学の仕事と研究を関連付ける新しい方法を考えるべきである.

発表終了後に..

業務アプリ開発のSE教育に関し,国公立大学の先生方に「阪南大学は良い教育をしている.とてもうちの大学では無理」や企業の方は「そのようにSE教育された学生をぜひ採用したい」とのお言葉をいただきました.

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