——— 非常に狭き門である航空業界への就職。
その夢を多角的にサポートする支援制度が阪南大学には整っています。
世界の空で活躍したい。そんな目標を抱くみなさんをしっかりサポートする阪南大学。
夢の翼を羽ばたかせた学生たちの体験を通して「エアラインへの道」をご紹介します。


早瀬 真里 さん

Hayase Mari

岡山県美作高等学校 出身

2010年4月
阪南大学 国際観光学部入学
2013年7月
株式会社スターフライヤーにCAとして内定

——— 株式会社スターフライヤーに客室乗務員(CA)として内定した早瀬さん。スターフライヤーは、2002年、日本に誕生した航空会社。そのスタイリッシュな機体デザインで、人気を博している新しいエアラインです。
早瀬:スターフライヤーの制服は、スカートではなく黒のパンツスーツなんです。機体も黒を基調とした現代的なデザインでカッコいい。制服を着て搭乗するのが、今から楽しみで仕方ありません。

コンプレックスを“武器”に変えて、CAを志す

金さん

———早瀬さんがCAを志したのは高校時代のこと。陸上競技で鍛えた166cmの長身は、CA志望者にとっては武器ですが、意外にも、本人はコンプレックスを感じていたそうです。

早瀬:中学から陸上競技をやっていました。そのせいかどうか、高校生になっても背がどんどん伸びました。高校ではクラスでいちばんの長身で、背が高いことが密かにコンプレックスになっていたんです。でも、進路を考える時期になり、「ならば、長身を活かした仕事をすればいいんだ」と考え方を転換。CAを目指そうと決意しました。

CAになるためには観光学を勉強するのが良いと思い、情報を集めていた中で、阪南大学の存在を知りました。
高3の夏休み、オープンキャンパスで初めて大学を訪れたのですが、学生さんが元気で印象的でした。他の大学もいくつか回ったのですが、阪南大学の雰囲気がいちばん明るかったことを覚えています。

チアリーディング部に没頭した大学生活

————その後、AO入試にチャレンジし、国際観光学部に入学した早瀬さん。大学ではチアリーディング部に所属。クラブ活動に打ち込む毎日を過ごします。

早瀬:大学に入るまでチアリーディングのことはまったく知らなかったのですが、友達に誘われて体験入部をしてみたんです。そうしたら楽しくて、すぐに入部を決めました。チアリーディング部は、競技会を始め、運動部の応援、大学祭やオープンキャンパスなどの行事と活動範囲も広く、本当に忙しい毎日でした。
チアの演技は華やかに見えますが、練習はひたすら地味です。ワザを習得するために何度も何度も同じことを繰り返す。でも、練習がきつい分、ワザが完成したときの喜びはひとしおです。

クラブが楽しくて夢中になっていきました。2回生になると、チアに熱中するあまり、「将来、CAになるのはもういいかな……」と熱が冷めかけた時期もあったんです。本当は英語の勉強のために留学をしたかったのですが、練習があるので外国へ長期間行くのは無理。その点は残念でしたが、クラブを通して最高の仲間ができましたし、「チアは私の青春です」と胸を張って言えます。

学内のイングリッシュ・スペースで英語の猛特訓

——— クラブ活動が忙しく就職準備が遅れがちになった早瀬さん。苦労したのが、英語の勉強です。大学の英会話サロン「イングリッシュ・スペース」で特訓を開始します。

早瀬:クラブ活動を優先していたので、3回生の後半になってようやく英語の勉強を始めた状態です。そんな中で、お世話になったのが、大学の「イングリッシュ・スペース」でした。「イングリッシュ・スペース」は英語が得意な人が集まる場所だと思い込んでいて敷居が高かったのですが、実際に行ってみると、まったくの誤解。フレンドリーな先生ばかりで居心地が良く、すぐに打ち解けました。授業の合間や放課後に10分でも空き時間があれば顔を出し、とにかく英語で話す習慣をつけるようにしました。

イングリッシュ・スペースでは予約をすれば、1対1のレッスンが受けられます。私はトーマス先生のレッスンに通いました。トーマス先生には就職試験の直前に何度もスピーチの特訓をしてもらい、英語で提出するレジュメも添削していただきました。親身になって指導してくださったおかげで、ずいぶん英語力がついたと思います。

4回生になって学外の語学学校にも通ったのですが、語学学校では3、4人のグループレッスンが普通です。でも、イングリッシュ・スペースでは、1対1のレッスンが受けられる。しかも無料。改めて、これは凄いことだなと思いました。

“強み”を掘り起こしてくれたエアラインスクール

———— 英語の勉強と同時に、早瀬さんは3回生の秋から「阪南大学エアラインスクール」を受講します。これは、CAや地上職など、航空業界を志望する学生のための就職講座です。

早瀬:エアラインスクールでは、主にマナー、立ち居振る舞いなどを勉強すると思っていたのですが、実際に通ってみると、何よりも精神面を鍛えられました。自分をしっかり見つめるという経験を、ここで初めてしたと思います。

自分を徹底的に分析し、他者に伝えていく。スクールでは、まず自己PRを文章に書き起こしていくのですが、私はチアリーディング部に没頭していたので、どうしても内容がクラブ活動中心になってしまう。先生には、その点を指摘されました。じつは2回生のときに、どうしても海外へ行ってみたいと、クラブの合間を縫ってバリ島へ1週間行ったことがあるんです。現地の幼稚園でボランティアを体験しました。こういう体験も自己PRの材料になると、先生に言われるまで気が付かなかったんです。

一方、強みとしては「目力がある」と言われました。これは自分でも気づいてなかったので、「え、そうなのか…」と思いました。ただし、目に力を入れ過ぎて表情が硬くなってしまう癖があるので、もっと柔らかな表情づくりを心がけるようにとアドバイスをいただきました。こういうことは、自分ではなかなか気がつきません。スクールで指摘してもらえて本当に良かったと思います。

背水の陣で臨んだスターフライヤーの試験

金さん

——— 3回生の3月に就職活動を開始した早瀬さん。CAを募集する国内・海外の航空会社を10社以上受験します。国内エアライン大手 ANA(全日本空輸)にもトライしました。

早瀬:ANAの試験では三次面接までいくことができました。ところが最終面接で、大きな失敗をしまったんです。最終面接では語学に関するやりとりの中で「中国語、韓国語ができますか?」と質問をされました。私は反射的に「できません」と答えてしまったんです。しまった……と思いましたが、もう遅い。たしかに中国語・韓国語をきちんと勉強したことはないのですが、「今はできませんが、CAの職務として必要だと思いますので、なるべく早い段階で習得したいと思います」と意思を示すべきだった。これは大きな痛恨でした。

その後も何社かのエアラインに挑みました。どれも良いところまで行くのですが、内定をもらえない。そんな日々が続きました。ですので、スターフライヤーは背水の陣で臨んだ状態でした。

——— スターフライヤーへは6月にエントリーシートを提出。一次試験を経て、7月の二次試験へと進みます。

金さん

早瀬:面接では提出したエントリーシートを見ながら様々な質問を受けました。中でも印象に残っているのが、「大学時代にいちばん辛かったことは?」という質問でした。私はチアリーディング部の活動の中で、どうしても成功させたいワザがあったんです。非常に難易度の高いもので、最初はとても無理だと思っていました。毎日2時間の練習中、ほとんどそのワザの稽古に費やし、何千回と繰り返した末に、なんとかできるようになったんです。最後には、百発百中で成功するようになりました。その瞬間はメンバー全員で泣きました。じつは、そのワザを披露するのは4回生の先輩方が出場する最後の大会でして、どうしても成功させたかった。無理だと思っていたことに挑戦し、やり遂げた、その苦しさと喜びを面接官の前でお話ししました。

クラブ活動に対しては興味を持っていただき、「チームワークを良くする秘訣は?」という質問もいただきました。
これはチアを通して実感していたので、問題が起こればとことん話し合う、ミーティングを重ねる、一人でがんばらないことだ、と答えました。

二次試験の面接では、英語に関する質問がなかったので、思い切って自分から手を挙げました。あえて発言させてもらったんです。「今は英語力が未熟かもしれませんが、夏休みに徹底的に勉強をする予定です。がんばりたいと思います」と、とにかく前向きな姿勢を見せました。ANAの面接で失敗していたので、その過ちは繰り返したくない。必死の思いでアピールしました。かなり勇気が要りましたが、後悔だけはしたくなかった。全力で出し切りました。

経験の積み重ねが財産になると実感

金さん

——— そんな前向きの姿を評価されたのか、7月に見事内定を獲得した早瀬さん。高校時代から憧れていたCAへの切符を手にします。

早瀬:内定の報せは、最終面接の数日後にメールでいただきました。実際にメールの文面を読んでも、「本当なの?」と信じられませんでした。すぐにゼミの足立先生に電話をしたのですが、先生もビックリしておられました。スターフライヤーがダメならば、CAはあきらめて一般企業を目指そうと考えていました。先生に相談して、「一般企業に就職して、再チャレンジの時機を待った方が良い」とか「留学して英語力をつけて海外のエアラインを目指す手もある」と具体的な進路アドバイスをしてくださっていたのです。

足立先生は、学生時代はいちばんやりたいことをやりなさいという方針です。それでクラブ活動に専念できました。そのおかげで、就職活動の準備が遅くなり、焦った時期もありましたが……結果的には、クラブ活動で養ったガッツを認めていただけ、それが内定につながったと思います。

学生時代は「今しかできないこと」がたくさんあります。それを存分にやっておいた方がいい。その経験の積み重ねが、必ずや財産になると、私は就職活動を通して実感しました。