大学の近隣にあるカフェVIVOという喫茶店と協力して、阪南大学生向けの昼食メニューを提案することを目的として活動を行いました。単にメニューを考えるのではなく、学生が食べたくなるもので、手頃な値段設定、そして原価計算を行い利益の出るものという制約条件のもとで検討を行いました。
 その目的を達成するために我々は、学生に対してのアンケートの実施、原価計算等の飲食店の会計に関することの学習、他大学の近隣の人気店でのメニュー調査、流行の若者に人気のあるカフェメニューの調査等を実施しました。
 アンケートは1回生を対象として昼食に関する意識を知ることを目的としています。学生の大部分が大学内の食堂を利用しており、弁当を持参している学生もかなりの数がいたことは予想に近い結果でした。また、昼食にかける金額は400円から500円の間が最も多い回答なのは予想どおりでしたが、体育会に所属する学生の中には700円以上としている学生が数名いたことは驚きでした。その他、昼食にかける時間、好きなメニュー、食後のドリンク等についての意識を知ることができました。
 飲食店の会計として、原価率・回転率・ロス等について学習を行いました。目標とする原価率を30%とするか、あるいは40%とするか、ロスを減らすためにどうすべきか、などを考えました。
 他大学の近隣の人気店の調査として、関西大学、近畿大学等へ赴きました。カフェVIVOのような洋食のお店が賑わっていました。
 流行っているカフェの研究を行うため、心斎橋や神戸などのカフェに行って人気メニューを堪能しました。雑誌やテレビで紹介されているお店は行列が長く、マスコミの影響力の強さに驚きました。また、メニュー作りのヒントを得るため、伊勢神宮のおかげ横丁にも行きました。食べ歩きをしながらおいしいものを探りました。

 アンケートの結果を受けて、値段は700円程度、食材原価率は40%、学生の好きな洋食で、さらに、提供するまでの時間を考慮して考えました。いくつか候補は考えましたが、制約条件を満たすものは我々の提案するメニューでは難しく、結果としては残念ながら完成することができませんでした。

参加学生一覧

大川巧将、奥田柚希、久川智美、酒井希望、堺谷瞳、信濃知佳、滝口竜司、遠井和弥生、徳留大嘉、正木香菜子、松居聖也、松村直紀、源勇貴、村田江利子、村田桃香、山中莉奈

学生の感想

流通学部 山中 莉奈

 今回のキャリアゼミではカフェVIVOさんと協力して学生向けのメニューの提案を行うことになりました。将来いろいろやりたいことも多いのですが、カフェ経営にも興味があったので、楽しんで取り組むことができました。
 一番楽しかったのはゼミのみんなでおかげ横丁や神戸などに出かけておいしいものを食べたときです。おいしい食べ物というのは、こんなにも人を幸せにしてくれるものなのだということがわかりました。私たちも、幸せな笑顔を見るために頑張ろうという気持ちになりました。アンケートの集計も大変でしたが、結果は予想どおりのものもあれば、意外なものもあったりと楽しく見ることができました。
 逆に、一番大変だったのは、会計の勉強でした。私たちは流通学部の学生なので、会計のことを知っておくことは大事なのですが、難しかったです。まだまだ勉強不足を感じたキャリアゼミの活動でした。

教員のコメント

流通学部 新谷 雅美 准教授

 カフェVIVOさんには昼食でよく行くので、今回のキャリアゼミで協力をお願いしました。ランチの価格は700円くらいなので学生が行くには少し高い値段ですが、家族に食べさせてもよいものをという考えで、材料にもこだわりを持ち、栄養バランスを考えていることに特徴があります。学生にぜひこの料理を食べてほしいと思い、学生向けのメニューを提案しようと考えました。
 個人ではなくチームで目標に取り組むことで、状況を把握し自分が何をすべきかが少しは理解できたのではないかと思います。活動に当たっては、教員からの指示を待つことなく自ら積極的に取り組むことを期待しましたが、まだまだ主体的に動くことは難しかったようです。最終的なプレゼンテーションも練習不足で時間配分を失敗しました。
 本格的に活動を開始することが遅くなったこともあり、残念ながら結果としては完成しませんでしたが、学生にとって一つの目標をもって課題に取り組んだ経験は得がたいものです。失敗したことがあるという経験は学生時代の大きな財産になると信じています。