サッカーゲーム分析をソフト開発企業及びゲーム分析会社と連携し、収集したデータをゼミ生が中心となり集め、阪南大学サッカー部Aチームのミーティングの内容などにいかし、今後のサッカー部のチーム力アップに役立てていった。
 分析に力を注いだのは阪南大学Aチーム(関西学生リーグ1部)であったが、同時に、

 ・阪南大学クラブ(関西社会人リーグ1部)
 ・スペイン代表(2004年〜2008年)
 ・2014ワールドカップブラジル大会(ベスト8以上のチーム)の分析を実施し、サッカー戦術の質的把握を試みた。分析ソフト会社・ダートフィッシュ・ジャパン藤井氏、ゲーム分析会社DJ-SPORTSの筆頭アナリストである庄司悟氏に成果を報告し、ご教示を受けるとともに、2016年度に向けた新たな課題も検討した。

 また、研究成果、取り組みは、阪南大サッカー部を訪れる、多くのJリーグ関係者、サッカー指導者、松原サッカー連盟の指導者にも開示し、様々なご教示を受けた。
 当初予定にはなかったが、2014ワールドカップブラジル大会分析の話題から、数々の日本代表選手を育てた筑波大学名誉教授松本光弘氏との共同提案から、日タイ国際交流推進機構(JTIRO)の山田清之氏、web産経の協力を得て、「2014年FIFAワールドカップブラジル大会後の総括と今後」と題した講演会を2015年9月23日阪南大学あべのハルカスキャンパスで挙行した。
 ブラジル及び日本のサッカー事情に精通するマルコス宗像氏、ドイツに33年間在住、サッカーアナリストとして活躍中の庄司悟氏(本ゼミの連携機関の一つ)、日韓で指導歴あり、KFAのTSGの一員として3大会を視察するなどの経験を持つ姜英哲氏を講師に迎え、豪華な講演会となった。短期間の準備期間しかなかったが、100名を超える出席者を集めることができた。

参加学生一覧

阿久澤慎、足立健太、安部宏太郎、江坂巧、甲斐健太郎、河野勇太、康翔貴、黒木優佑、田口遼、田渕大貴、外山凌、西山隆博、前田央樹、溝上馨介、村上順哉、山崎康太

学生の感想

流通学部 中尾 元基

 阪南大学Aチームのサポート体制は、独自の追尾システムからほぼ自動的に数量化データとれる「トラッキングシステム」とは異なり、サッカー部員の人海戦術でデータ収集作業を進めなければならず、データ取りの正確性とそのチェックの大変さ、いくらサッカー部員とはいえゼミに関係の薄い部員を稼働する難しさは半端なく疲れることだった。さらに、この取り組みはここ3年間継続して取り組んできたことの延長線上にあるとはいえ、新しい分析視点を出したり、どういう項目を立て、どれを焦点化したり、どの項目を比較検討していくかという点も難しい問題だった。
 あべのハルカスキャンパスでの講演会は準備期間が1か月もなく、チラシ作成や配布(早乙女先生との連携)、資金や援助金などの集金(教官の人脈を活用)は、天皇杯予選、リーグ戦を戦いながらの活動となったので、ものすごく慌ただしくしかできなかったが、大変勉強になった。また終了後には、報告資料の作成のためのテープお越しなど思いがけない大変な作業が残っており、厳しい取り組みだったように思うが、やり抜いたという実感はもった。

教員のコメント

流通学部 須佐 徹太郎 教授

 阪南大学Aチームのサポート体制とるという、きわめて実践性の高い取り組みを課し、実質的にサッカー部のチーム力アップを支えていこうという狙いを達成することを目的としたが、データ収集やまとめる作業に手間取り、現実的にはかなり後追いの格好となった・・・毎週毎週の試合後ではなく、前期の前半戦終了時点で、何とかまとめてレポートが提出できる等のように!人海戦術を使ってデータ収集をやり抜くには、こちらの手助けもさることながら、学生のリーダーシップの問題も大きな課題として残った。
 1年前のブラジルワールドカップの総括とその後の問題を、世に問うたあべのハルカスキャンパスでの講演会は、短い準備期間でよく働いてくれたように思うが、通常の取り組みも含めて学生の内発的動機付け、主体性をもっと掘り起こした活動にもっていかねばならないと、反省している。
 分析ソフト会社・ダートフィッシュ・ジャパン藤井氏、ゲーム分析会社DJ-SPORTSの庄司悟氏、データスタジアムの丸井剛氏らには大変お世話になり、この場で感謝の意を表したい。また講演会開催に際して、演者の方々もさることながら、祭日開催の許可含め、いろいろご尽力いただいた田中一郎氏、井上博学長にも感謝したい。