福重ゼミの産学官連携活動の特徴

 私たち福重ゼミの2・3回生は、企業や自治体と産官学連携活動を行っています。その特徴は、(1)“学年の壁を取っ払う”ということと、(2)“最初から最後まで自分たちでやり切る”ということにあります。
 (1)まず“学年の壁を取っ払う”という点ですが、これは、社会に出たら年齢も立場も考え方も異なる様々な人たちと関わりを持ちながら仕事をしなければならないからです。私たちはキャリアゼミの活動を通して、学生時代からその訓練をしています。
 (2)2つ目の“最初から最後まで自分たちでやり切る”というのは、社会に出たら、誰かが助けてくれるのが当たり前といったような他人任せは許されないからです。困難なことがあっても自分で乗り越えていかなければなりません。もちろん、企業様への対応なども含め、最初から最後まで学生の私たちがやるわけですから、トラブルだらけになります。しかし、そうしたトラブルに対しても、先生からアドバイスはいただきますが、私たち学生が対応しています。
 このような産官学連携を通して、“社会に出て通用する力を身につけよう”というのが、私たちの活動の特徴です。
 さらに今年度は、模擬式会社という組織を作り、その中で複数のプロジェクトを立ち上げ、企業や自治体のご協力を得ながら、組織マネジメントやプロジェクトマネジメントについて勉強させていただきました。その中でも、最も力を入れて全員で取り組んだのが、次に述べる社会人合同セミナー企画運営プロジェクトです。

社会人合同セミナー企画運営プロジェクト

 私たちは日頃、大学の授業で様々な理論を学んでいます。しかし、そうした理論を実際の企業でどのように活用すればよいのか、授業だけで理解することは困難です。また、大学の中では社会人の方々と一緒に勉強する機会はほとんどありませんので、そうした疑問点を直接お聞きすることもできません。
 そこで立ち上げたのがこのプロジェクトです。経営者をはじめ、企業の第一線でご活躍されている社会人の方々をお招きして、一緒にケーススタディをしたり、ディスカッションやプレゼンテーションを行ったりします。私たちはこのようなセミナーを2015年度に3回実施し、20名を超える企業の方々をお招きしました。さらに、阪南大学生だけにとどまらず、他大学からも学生を募ることができました。
 このプロジェクトによって、社会的なマナーが身についたことはもちろんですが、様々な人とのディスカッションを通して視野を広げることができました。そして、授業で学んだ理論がどのように活用できるのかも実感でき、社会で役立つ実践力の向上につながったと思います。
 ご参加下さった企業関係者の皆様、本当にありがとうございました。

その他の2015年ゼミ活動

  • (1) 隠れたご当地グルメの発掘と普及を通した地域活性化事業 - 高槻市にある居酒屋さんのご協力を得て「うどん餃子」の開発・普及活動 -

  • (2) マイナースポーツの普及を通した地域活性化事業 - 藤井寺市のご協力を得た「バブルサッカー」の体験会 -

参加学生一覧

3回生
伊藤 拓也、大森 健太、坂田 奈央、佐藤 常治、重國 圭助、高杉 大樹、中谷 彰紀、馬場 也希、藤川 直輝 、本松 康生、安井 励、山脇 悠作、吉田 泰志、米泉 玲奈、渡邉 琢哉
2回生
井上 茉奈、WANG MIAOYU、岡田 佳樹、片岡 新、川上 湧平、GAO DI、HOU DONGLI、佐久間 真、下園 雅也、竹中 慎也、野崎 壮介、福本 稜士、山本 貴之

学生の感想

経営情報学部 渡邉 琢哉

 今から振り返ると、1年前の私たちは本当にちゃらんぽらんな集団でした。学校に来ず、単位も取らず、中には福重先生のことを「クソババア」と、先生に聞こえるように言った人もいたほどです。そんな私たちが成長できたのは、どれだけミスをしたり、問題を起こしたり、時には外部にまで迷惑をかけてしまっても、基本的な対処をすべて私たちに任せてくれた先生のおかげです。
 先生は様々なことを私たち自身に考えさせました。自分たちがやりたいことを自分たちで徹底的に考え抜いて実行し、途中で生じる問題に対処しながら、目標の達成をとことん追求していく。そうした活動の中で、私たちは自然にPDCAができるようになっていったのだと思います。
 私たちは、社会人合同セミナーに参加して下さった、ある経営者の方から、「主体性」についてお話をお聞きしたことがあります。「主体性」とは、人から与えられるものではなく、達成目標を自分で設定し、その目標に向かうプロセスを自分で考え、実行に移す。その中で起きる問題にも自分たちで対応しながら目標に向かうことだとおっしゃっていました。そのお言葉を聞いて、私たちがこの1年間やってきたことは、まさに主体性を身につけるための活動だったのだと気づきました。
 そして、主体性を持って活動しているうちに、私たちは「やりがい」を覚え、ゼミのメンバーを「仲間」と思えるようになっていきました。このようなことを考えられるようになったのは福重ゼミのおかげです。私たちは福重ゼミに誇りを持っています。これからは、この感謝の気持ちを忘れず、社会で活躍できる「人財」になって恩返しをしていきます。

教員のコメント

経営情報学部 福重 八恵 准教授

 2015年度のゼミ生たちは、(1) 隠れたご当地グルメの発掘と普及を通した地域活性化事業、 (2) マイナースポーツの普及を通した地域活性化事業、 (3) 社会人合同セミナーの企画運営事業、(4) 広報事業の4事業を立案し、活動してきました。(1)は、高槻市にある居酒屋さんのご協力を得て「うどん餃子」の開発・普及に取り組み、高槻市の活性化に貢献するプロジェクト、(2)は、藤井寺市のご協力を得て「バブルサッカー」の体験会などを開催し、藤井寺市の活性化に貢献するプロジェクト、(3)は、企業等でご活躍されている方々をお招きし、授業で学んだ理論等を用いて、社会人と一緒にケーススタディなどを行うプロジェクト、(4)は、それらの事業や阪南大学経営情報学部の広報活動を展開するプロジェクトです。
 1年間の取り組みで学生たちが気づいたことは、「手抜きをすれば“ラク”かもしれないけれど、決して楽しくはならない」、「真剣に取り組み、困難なことにチャレンジしてこそ、やりがいが芽生え、真の仲間もできる」ということではないかと思います。そうした気づきや、活動を通して得た仲間は、学生たちの将来にとって、かけがえのない宝になると信じています。
 学生たちの成長に惜しみないご協力を賜りました関係者の皆様に、心よりお礼申し上げます。