活動の目的及び取り組む課題

近年ファッションはあらゆる国、あらゆる場所でリアルクローズという誰もが自由に着ることができるファッションが台頭している。本ゼミでは特にそのファッションスタイルで学生にとって有力となっているジーンズに焦点を当てることで、今後必要とされるファッションについて、研究することになる。
そのために必要とされる提携先としては京都デニム様と倉敷にあるベティスミス様を挙げることで、そうした課題について、ともに協力しながらベストなジーンズおよびジーンズライフを提案させていただくことになる。

活動内容

【活動内容】
(1)新商品開発のためのマーケティング調査活動
顧客ニーズのためのマーケティング調査(市場調査、消費者アンケート調査、国内売れ筋動向調査、海外商品動向調査)をおこない、課題発見と解決のための対策を考える。
【前期活動のまとめ】
前期は「ジーンズソムリエ資格認定試験」の学習を中心に活動した。
その内容は、(1)「ジーンズとは」(2)「ジーンズの素材・副資材」(3)「ジーンズの構造と縫製・製品」(4)「ジーンズの洗い加工」(5)「ジーンズの小売りと製品取扱い」からなっており、毎回ゼミでは担当教員による解説やジーンズ用語の説明などを聞きながら、主に知識の習得に重点を置いた活動を執り行った。
【後期活動のまとめ】
セレクトショップで販売されているジーンズと、日本の国民服にまでなっているファストファッションのジーンズ、今回研究協力させていただいている京都デニム様の伝統×素材のよさ×デザイン力にあふれているジーンズを実際に学生自身の目と手で触れることで、その違いを具体的に知覚し認識する比較作業を通じて、全員が自分自身のジーンズ知識やジーンズの技術的な押さえ方などの経験値向上を目標におこなった。また、実際に京都デニム様の店舗を訪ね、高価格のジーンズのマーケティング戦略について、相互にディスカッションをおこないながら、「学生に好まれるジーンズ・デニムの持つ本質」について調査活動を展開した。

代表学生の感想

 平山ゼミでは1年間「ジーンズの持つ本質」について学ぶことができ、前期ではファッションの世界でも学生に人気のあるジーンズ・デニムの世界を深堀りすることで、さまざまなこれまでまったく知らなかったジーンズの歴史・伝統・素材・デザイン・スタイル・価格差・職人の想い・ジーンズの洗いや加工の豊富さとユニークな取り組みなど、とても興味深く楽しく学ぶことができました。
 後期では実際に京都デニム様の店舗を訪問し、そこでは現在主力となっているレディース・ジーンズのラインの美しさや京都の伝統技術を生かした織の世界のすばらしさに感動しつつ、特に後姿のきれいさと横から見ても決して崩れないシャープなラインに感動を覚えました。その後、店長さんとデザイナーの方とのディスカッションでは、わたしたち学生の意見もしっかりと聞いてくださり、お互いに意見交換するうちに、ジーンズの持つ本質が少しずつ見えてきました。今後はさらにジーンズの染色活動を通して、さらに一つ上のシーンズ世界を極めていきたいと思います。

流通学部 2年生 相賀 果南

参加学生一覧

相賀 果南、乾 梨佳、今次 拓海、上田 奈波、北野 翔太、木下 隼、木村 早希、形部 輔、栗林 七海、下村 真里奈、白石 佳奈子、瀬尾 麗奈、田中 沙耶、千葉 菜穂、西田 将規、藤井 真奈、堀 安砂美、松浦 優衣、吉村 一馬

連携団体担当者からのコメント

有限会社豊明 デザイナー兼代表取締役社長 桑山豊章氏
店長 宮本和友氏

 今回の研究テーマでは「学生に好まれるジーンズ・デニムの持つ本質とは何か」について、平山ゼミ2回生と協議を持ちました。具体的にはジーンズ・デニムの日頃の使い方、購入する場合にどのようなところを意識しているのか、また弊社のジーンズの特徴について、ゼミでの学習を通して見えてきたことなどについて、相互に意見交換を実施しました。
最初はみなさん緊張していましたが、次第に慣れてくると、価値と価格の違い、なぜ京都の伝統とジーンズ・デニムが結びつくのか、ファストファッションとの差別化など、真に迫ることがらについて質問を受け、それについて答えることで、さらなる意見交換をおこなうことができ、わたしたちも今の学生の考える世界に触れることができ、参考になりました。次年度の3回生ではジーンズの染色経験をしていただくことで、よりジーンズ・デニムの奥深さについて学んでいただきたいと思います。平山ゼミ、今後に期待大です。

教員のコメント

流通学部 平山 弘 教授

 ファストファッション全盛の時代にあって、そうした自社工場を持たず、ファブレスな、海外の賃金の安い国々での生産をおこなっている企業の資本力・海外有名デザイナーとのコラボやデザイン力・東京やパリを始めとしたファッションに関する情報収集力、いかに大量生産したものを全世界に商品として提供し続けるという生産システムおよびそれらを流通させる兵站の重要性をすべてクリアーしている大企業のマーケティング戦略ではない、主としてニッチでかつブルーオーシャンと言われる市場でどのように戦略を構築しいかに消費者の支持を得ようとミニマムな経営資産で競争対応をおこなうのか、本テーマの関心はまさにそこに存在する。今回協力させていただいている京都デニム様の本質は伝統×現代を謳っており、特に古都京都の「京友禅染め」「京小紋染め」「京くみひも」の技や粋が随所に埋め込まれており、そこには手作りの職人の技術が連綿として受け継がれながらも、デザイナー桑山豊章氏の新たな発想によるデザイン力とコラボレーションで誇り高いジーンズの完成につながるのである。わたしたちは1年間の活動を通じて、ジーンズ・デニムの世界においてもいかにストーリーを構築し、新たな付加価値として売り出していくことの重要性について学ぶことができ、今後学生のたちの生き方にも大きなインパクトを与えたのではないかと考えている。

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