活動の目的及び取り組む課題

 大阪府吹田市は、北は自然豊かな①千里ニュータウンエリア、②古くからの集落が残る山田エリア、③南は吹田駅周辺の歴史ある吹田のまち、さらに④商店など繁華街の江坂エリアなど、多様な歴史文化資源をもち、それらを巡るまち歩きを含めたフットパスも多様である。しかし、それらの地域資源は吹田市民や近隣市民にあまり知られていない。吹田市は、将来の交流人口増加をめざして、近隣地域だけでなく、さらに、新大阪に集まる国内外の観光客を誘導し地域を活性化する必要がある。この課題に取り組むために、本ゼミは、国内外の地域の事例を参考にしながら、吹田歴史文化まちづくり協会(以下、協会とする)とともに、吹田市のフットパスのルートや内容、広報を再検討し、豊かな地域づくりのためにフットパスの活用を促進することを活動目的とする。

活動内容

(1) 地域におけるフットパスの現状を知ることで、地域の歴史文化を理解する。
(2) 地域住民の方々との交流を通して、住民の視点からみたフットパスと観光について考える。
(3) 日本フットパス協会全国大会に参加し、吹田市と日本の他地域の事例を比較検討する。同大会に全国から集まる行政関係者、NPO団体など多様な人々との意見交換を通して、広く日本各地のフットパスと地域づくりに関して視野を広げる。
(4) フットパスの本拠地であるイギリスのフットパスと地域づくりについて視察することで、比較検討する。
    国際的な視野を養うとともに、日本におけるフットパスのあり方と可能性について考える。
(5) 日本観光研究学会において発表することで学会の中でも本ゼミの活動内容を伝え、広く意見交換する。
(6) 本年度の活動を通して得た知見を地域づくりへの提案という形で、交流会や報告会において地域に伝え、意見交換する。

【中間報告】代表学生から活動状況

塩路ゼミでは、フットパスとまちづくりをテーマとして活動しています。フットパスとは、地域に昔からあるありのままの風景を楽しむことができる小道のことです。吹田歴史文化まちづくり協会の吹田まち案内人の方々と協力して吹田市に新たなフットパスのルートを作成することを目標にしています。前期は吹田まち案内人の方と、また自分たちだけでまち歩きをして、新たなルートを考案しました。後期には実際に、そのルートを地域の方にみてもらい、評価をいただきます。
また、8月にはゼミ学生が札幌で行われた「全国カレッジフットパスフォーラム」へ参加をしました。全国のフットパス関係者が集まり、1日目は講演会、2日目にはフットパスを歩くなど、交流や意見交換を行いました。10月には秋田の由利本荘市で開催された「全国フットパスの集い」にゼミ学生が参加し、全国のフットパスの事例を学びました。
夏季休暇には、フットパスの発祥の地であるイギリスをはじめ、オーストラリア、アメリカ、日本国内の4グループに分かれて現地調査を行いました。各国のフットパスを実際に歩いたことで、より魅力を感じることができ、吹田のフットパス作成へのヒントにもなりました。

国際観光学部 3年 薗田 輝弥

参加学生一覧

薗田 輝弥、藤原 ロッテー、池側 杏、沖本 光平、唐崎 隼、田中 葉月、徳永 豊、中尾 美帆、永田 稜、萩原 竜太郎、淵上 貴弘、舟引 千春、三井 紅実子、山口 実土里、山本 美帆

連携団体担当者からのコメント

吹田歴史文化まちづくり協会 瓢 正男氏

 センターの拠点である浜屋敷では、古民家の良さを活かし、歴史と文化のまちづくり拠点として、郷土史の資料収集、展示をはじめ、貸館事業、吹田まち案内人事業、そして様々な文化的イベントを数多く行っています。ボランティアの「吹田まち案内人」とともに吹田の4エリアを歩いてもらいました。今後の活動に期待します。

活動日程

 4月〜5月 吹田市内の各エリアのフットパスを協会の町歩きガイドと歩き、説明を受けながら、地域の歴史や特徴、見所、ルートなど理解する。
 6月〜7月 エリアごとの学生チームで歩いてまわり、その歴史や文化、特色、問題点を把握し、協会スタッフと話し合う。
 8月〜9月 フットパスの歴史があるイギリスのフットパスと地域づくりを視察。/ 吹田のフットパスへ提案(原案)作成。
 10月〜11月 日本フットパス協会全国大会に参加し、国内の他地域におけるフットパスの現状を知るとともに意見交換を行う。
 12月    日本観光研究学会において発表。
 1月〜3月 今年度のまとめとして、協会において吹田のフットパスに関する報告会を行う。

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