活動の目的及び取り組む課題

【活動の目的】 
 阪南大学の学生は昼食およびおやつとして学内のコンビニや食堂を利用することが多く、大学の近隣にあるカフェは阪南大学の学生の利用が多くはない。大学生の昼食やデザートなどに関する意識調査を行うことによって、お店に利益が発生し、かつ学生が出すことのできる金額で、学生に魅力があるカフェメニューの提案を行う。
【取り組む課題】
 思いつきで提案するのではなく、ニーズの調査・会計的な検討を通して、課題を発見し、計画・創造する力を養う。また、チームで行動することによって、状況を把握し、他人の話に耳を傾けるなどのチームで働く力を磨くことができる。

活動内容

 当ゼミでは「阪南大学生が食べたくなるカフェメニューの提案」をテーマとして、大学の近くにあるカフェVIVOと協同を行いました。いつの時代もそうですが、学生の昼食にかける時間やお金はそんなに大きくないものと考えられます。このような状況の下、阪南大学生がどのようなものをいくらなら食べるのかを調査し、お店の適正な利益や提供時間等の条件も考えながら、メニューを提案することがキャリアゼミの活動です。
 阪南大学生に限らず大学生が普段のランチにかける金額はかなり少ないものと予想されましたが、実際にアンケートでは400円程度という結果となりました。そのため、学内の食堂やコンビニを利用する学生が多く、また、弁当持参している学生もいます。一方、外食すると700円くらいかかることから学外で食べる学生は少数派です。また、昼食にかける時間も30分以下が多く、もっと短い時間で済ます人も多いようです。カフェVIVOは時間もかかり、値段も食堂と比べると高いということで、条件としては不利です。このようななかで学生が好むような案を考えました。
 また、流行しているカフェメニューにはどのようなものがあるのかを参考にするために雑誌やネットなどを使って調べました。また、大阪、京都、東京などのカフェに実際に行ってカフェメニューのトレンドを確かめました。特に目立つのがSNS映えするフォトジェニックな料理です。思わず写真を撮ってSNSで発信したくなるような料理のことで、味よりも見た目重視といったところです。
 結果としては、提携先であるカフェVIVOに満足の行く提案をすることができませんでした。提供する価格は高くて700円、できれば600円以下、適正な利益を考えると食材原価の割合が3割程度で、食材だけで200円程度しかかけることができません。食事時間が30分くらいであることから、提供までの時間が10分以内にする必要があります。この条件にさらに学生の好む食材を考えると、今お店が提供しているものよりも優れたメニューの提案を行うことはできませんでした。

代表学生の感想

 私たちの今回のキャリアゼミのテーマは「阪南大学生が食べたくなるカフェメニューの提案」ということで、大阪や東京でどんなメニューが流行っているのかを調べたり、実際に行ったりしました。SNSで友達とシェアしたくなるものが流行っていると感じました。ランチメニューとして気になったのは、たっぷりの具材をはさんだサンドイッチです。ボリュームたっぷりといっても野菜が中心でサラダを食べているようなサンドイッチで、切り口が鮮やかでみんなに見せたくなるものです。
 アンケートの結果から考えて、実際にランチタイムに提供するためには、値段が500円程度で、注文を受けてからお客さんに出せるまでの時間が10分以内でないと難しいようです。さらには学生の好みを考えたりすると難しい方程式を解いているような気分になりました。条件を満たしながら満足のいく結果をだすことが、将来仕事をするうえで重要になっていくのだろうなと思いました。

流通学部 3年生 遠井 和弥生、山中 莉奈

参加学生一覧

大川 巧将、奥田 柚希、久川 智美、酒井 希望、信濃 知佳、滝口 竜司、遠井和 弥生、徳留 大嘉、正木 香菜子、松居 聖也、松村 直紀、源 勇貴、村田 桃香、山中 莉奈

連携団体担当者からのコメント

Café vivo  池之内 康子氏

 阪南大学の近くにお店を構えていますが、学生さんたちに利用していただきましてありがとうございます。
 今回の新谷ゼミの活動は、阪南大学生が食べたくなるカフェメニューの提案ということで、学生さんのフレッシュな考えを楽しみにしてきましたが、実際には、ランチタイムでの提供時間、金額などを考えるとなかなか実現が難しいこととなりました。
 今回いろいろ考えて一生懸命取り組んだことは、みなさんの将来にとって役に立つのではないかと期待します。これからの就職活動も頑張ってください。

教員のコメント

流通学部 新谷 雅美 准教授

 私の専門分野は会計ということなので、単なる思い付きで提案するのではなく、販売価格、材料費、提供時間等を考慮してきちんと利益がでることを前提として企画してもらいました。学習効果を高めるため、SWOT分析などの手法を用いて分析も行いました。しかし、今回の活動を行った結果、このような考えは失敗だったのではと感じました。
 ある企業経営者との話で、教員の関与はいらない、学生のナマの意見が聞きたいのだ、と指摘を受けました。確かに、今回のように制約のある企画では、学生らしい意見、本当に魅力のある提案は難しく、無難で魅力のないものができあがるだけだったのかも知れません。次のキャリアゼミでの機会には、できるだけ教員の関与は少なく、大人では思いつかないような提案を発掘していくように心がけるつもりです。
 ただ、今回の活動は無駄になったわけではなく、将来の仕事でさまざまな制約条件の下、計画を実行していくときに思い出してもらえるとよいと感じています。

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