活動テーマ:兵庫県香美町で開催される姫ボタル瀞川平トレイルランを通じた観光産業の活性化
産学連携先:株式会社むらおか振興公社


 姫ボタル瀞川平トレイルランは、兵庫県香美町にある鉢伏山・瀞川平・兎和野高原を舞台に、最長33キロの野山を駆け走る大会です。今年で第7回をかぞえ、阪南大学からは流通学部黒部ゼミが2016年からサポートに加わっています。私達加藤ゼミは、今年初めて、連合ゼミとしてこのイベントに関わるようになりました。
 冬には多くのスキーヤー・スノーボーダーで賑わう香美町ですが、雪のない時期(グリーンランド)の集客が課題でした。姫ボタル瀞川平トレイルランは、香美町が有するスキー場と高原の地形を活用することで、トレイルランナーに魅力的なコースを提供し、第7回は500名を超える参加がありました。

学生活動状況報告

 今回、私達の現地香美町へ赴いてのキャリアゼミ活動は、「姫ボタル瀞川平トレイルラン」実施に際してのサポートだけでした。具体的には、大会前日に香美町に入り、スタート・ゴール設営、受付対応、振る舞いの豚汁の仕込みを行い、当日は「野間峠駅エイドステーション」でのランナーサポートを行いました。
 単純作業ばかりのようにも思えますが、他ゼミの学生と共同して、実行委員会スタッフの方々の指示のもと行動しなくてはなりません。そこで絶対必要になってくるのが、コミュニケーション力でした。スタッフの方々の人数も限られていましたので、一つ一つのこと全てに対して細かく指示が出されるわけではありません。その際は、こちらからスタッフに質問をしたり、阪南大学の先輩に尋ねたりしなければなりません。些細なことのようにも感じますが、はじめは私には、少々高いハードルでした。
 一方、エイドステーションでは、常に行動の修正が求められました。飲み物一つとっても、どこで、どのタイミングで、どのように渡すべきかを、ランナーに応じて変えなければならない局面がありました。このような時は、いちいちスタッフや他のゼミ生に相談している暇はありません。自分で考えて行動するしかない状況です。教室の中では、なかなか体験することができないことであり、とても良い機会となりました。
 エイドステーションで、ランナーの皆さんから「ありがとう!」と感謝の声をかけられたとき、活動に対するやりがいを強く感じました。
 
流通学部 吉村 尚馬

ゼミ集合写真

参加学生一覧

吉村 尚馬、田中 匠馬、平山 明孝、福永 千珠

連携団体担当者からのコメント

株式会社むらおか振興公社
田丸 明人 様

 阪南大の学生さんに今年も4回目の参画を頂きました。スタッフとしてのポジションが認知される中、今年も大会前からの企画、打合せをし、昨年と引き続き阪南エイドステーションとして盛り上げてもらいました。オリジナルメニュー、応援はランナーにとっても大事なものになっています。又、ゴール地点でのアンケート調査も工夫を加え、より参考になってきています。
 中でも大会DVDの作成は、昨年の反省を活かし1段上のものになっていて大変満足のいくものでした。特に今回の大会当日は、霧のかかる天候で、この大会名物の景色が全く見えない状況で大変心配しましたが、景色が見なくても充分クオリティの高いDVDの仕上がりになっていて、いい意味で期待を裏切られた作品になっています。
 年ごとに企画、実施、反省と続ける姿勢の素晴らしさ、成長を見ることができ、とても楽しみに思っています。阪南大の学生さんはこの姫ボタル・瀞川平トレイルランにとって欠かせない存在になってきています。

教員のコメント

 私のゼミからの、トレイルランイベントサポートの参加者は全て2年生でした。イベントがあった7月上旬は、ゼミ内でもようやくコミュニケーションがスムーズに取れるようになってきた頃です。その様なときに、他ゼミの学生と地元実行委員会スタッフの皆さんのなかに突然放り込まれることとなり、最初は、戸惑いの様子が見て取れました。初めは私も「大丈夫か、こいつら」とも思いましたが、全くの杞憂でした。すぐに初対面の学生やスタッフともコミュニケーションを取り、活動を始めることができました。
 参加者が500名を超えるイベントを支えるためには、それぞれが責任を持って役目を果たす必要があります。指示待ちの姿勢だけでは、業務が滞ります。かといって、自分勝手に行動しても良いわけではありません。そこでは、自ら課題を発見し、チーム内でコミュニケーションを取りながらその課題を解決するための行動をすぐに進めていくことが重要となります。学生達はおそらく意図していなかったと思いますが、私には、彼(女)らが次第にその様に行動できるようになっていっていることを感じることができました。その点においても、今年度のキャリアゼミ活動は、非常に有意義であったと思います。