大島ゼミでは、顧客体験価値の向上を目指したサービス改善の提案をキャリアゼミ活動として取り組みました。今回は、世界遺産にも登録されている熊野古道の中心に位置し、欧米豪圏の外国人旅行者をターゲットとする一棟貸しの宿泊施設である“Villa KUMANO”を対象としました。
 6月に和歌山県田辺市本宮町で実施したフィールドワークを踏まえて、Villa KUMANOのサービス改善の企画を策定し、オーナーに提案をしました。

学生活動状況報告

 提案に際してサンプルとなるパンフレットを作成し、それを褒めていただいたことが嬉しかったです。提案するものを実際に作成するのとしないのとでは、説得力も本気度も伝わり方が違ってくるし、デジタル化社会の中、折り紙や模造紙を使い手作業で取り組んだことから味のあるパンフレットになって良かったと感じています。
 改善すべき点は、あれもこれもと提案が多くなってしまい、それぞれの提案内容が薄くなってしまったことです。今後は、提案内容を1つに絞り、それを深掘りすることで、より説得力のあるプレゼンテーションを心がけたいです。
流通学部3年 鈴木 愛


 今回の最終報告では、今までグループで努力して作成してきたプレゼンテーションを発表することができました。最終報告までに、計画を立てて地道にコツコツと協力し合い、授業内でできることは必ず終わらせ、残った部分は電話で作成することを心掛けました。各自が担当した部分を、人任せにするのではなく、一人ひとりが責任を持ち最後まで終わらせることができたため、グループ内で揉めることもなくスムーズに資料作成できたと感じています。
 改善するべき点は、質疑応答の対策ができていなかったことです。質疑応答の対策を徹底的に行い、何を質問されても良いようにまですることが重要だと感じました。
流通学部3年 寒河江 里佳


 最終プレゼンの良かった点と改善点はそれぞれ1つずつありました。まず良かった点は、自分がグループに提案したロードマップの評価もよく、手応えを自分でも感じることが出来たことです。実際に熊野に訪れることが出来なかったにも関わらず、周りと差を感じさせることなく、独自の着眼点でプランを作ることが出来たので、その点でも満足しています。
 次に良くなかった点は、マップの制作の経緯や工夫した点を初めに話す方が良かったねと指摘を頂いたことです。良い点だけで終わりたかったのですが、数少ない指摘の中で自分が作成した点をつかれた上に、少しの工夫で完璧に作り上げることが出来ていたかもしれないのにと思い悔しさが残りました。しかし、今回惜しい点があったからこそ次にプレゼンをする際に気を付けられること、より良くできると感じたので改善点を見つけただけで終わらないよう次に繋げていきたいと感じました。
流通学部3年 田邊 奈都菜

参加学生一覧

草場 亮介、 鈴木 愛、 中島 啓吾、 赤瀬 将希、 臼田 紫織、 河上 佳太朗、 北野 雅大、 寒河江 里佳、 佐々木 輝、 塩田 敦基、 芝田 舞衣、 高橋 こころ、 田邊 奈都菜、 中島 舜太、 中囿 甫ノ佳、 野中 瑞貴、 羽村 桜、 森 里緒奈、 八木 愛梨、 山口 夢乃

連携先コメント

Villa KUMANO
支配人 鳥居 様

 新型コロナの影響もようやく落ち着き、今年は外国人旅行者の数もコロナ禍以前の水準へと回復しました。しかし、地域では人口減少によって、宿泊業の担い手が逼迫しており、いかに数(客数)ではなく質(客単価)で稼ぐかが重要となっています。そうした中で、阪南大学の皆様に若者ならではのユニークな視点でのサービス改善を提案いただけたことは、私たちにとってもとても勉強になりました。おそらく熊野は世界的なデステネーションとなりますので、気に行っていただけた方にはぜひ今後もお手伝いをしていただきたいと思います。

教員コメント

流通学部
大島 知典 准教授

 今回のプロジェクトを通じて、旅館やホテルとは違った小規模ファミリービジネスとして運営されているゲストハウスであっても、地道なマーケティング努力が実績に結びつくことを実感できたのではないだろうか。一度も訪れたことがない旅行先で、かつ、欧米豪圏の外国人旅行者の目線でサービスの改善を検討することは非常に難しい課題でした。しかし、どのグループも学生ならではの斬新な内容でありつつも、実現可能性の高い提案ができていたと思います。