活動テーマ:若者の交流人口を増やすためのスポーツ文化ツアーin 北海道夕張郡栗山町
産学連携先:栗山町


 今年度からはじまった北海道夕張郡栗山町でのキャリアゼミ。年3回現地を訪れ中心メンバーの1人として活躍してくれた学生から活動の様子を報告してもらいます。

学生活動状況報告

 今年度から始まったこのキャリアゼミでは「北海道栗山町で若者の関係人口を増やすための方策の検討」という目的のもと活動してきました。私が初めて栗山町を訪れたのが2019年7月で、その後、9月にも現地で活動し、今回はその成果を報告して来年度の課題を検討するために2020年2月18日から21日の4日間、栗山町に滞在しました。栗山町では、出会って間もない頃からたくさんの方に仲良くしてもらって、栗山町に行くたびに本当の自分の故郷に帰るような感覚になりました。
 そんな暖かい地域での活動を通して、これから若者の関係人口を増やすためには、①知ること、②感じること、③伝えること、この3つが大事なのではないかと考えました。そこで、これまで私たちが経験してきたことを他の人たちに伝えるために提案した企画が「栗山民泊体験」です。日中は農業体験やお祭りの手伝いなどの仕事をして少しでも報酬を頂き、飛行機代や宿泊費などの足しにしたり、朝食や夕食は地元の食材を使って自分たちで料理をする企画です。他にもSNSを活用して、今まで私たちが感じてきた栗山町の魅力を定期的に発信する企画も考えています。特に、私は「栗山町=美食」ではないかと感じているので、その部分を伝えていきたいと考えています。今年度は企画を提案するところまでできたので、来年度からはそれを実行して、次の改善点を見つけ、もっといい企画にしていきます。
 
流通学部2年生 久保 実のり

ゼミ集合写真

参加学生一覧

福泉 奈々、南 優翔、麻野 凌司、石川 和治、市丸 明日翔、伊藤 薫、上田 燎、鵜飼 昭希、右近 ななこ、内田 優希、應治 卓、岡本 翔太、北山 沙也加、日下 翔太、久保 実のり、佐々岡 裕次郎、笹崎 光流、山崎 聖也

連携団体担当者からのコメント

北海道栗山町 経営企画課地域政策グループ 
主事 原田 恭兵 様

 人口減少や高齢化が加速する地方において、まちづくりの担い手となる「若者世代の関係人口を創出するための方策を検討する」というテーマで、昨年の7月から夏・秋・冬と計3回北海道栗山町を訪問いただき、地域資源の調査等を行っていただきました。
 お祭りの見学や神輿担ぎ、レンタサイクルでの町内散策、農産物直売所、日本酒の蔵元「小林酒造」、栗拾い体験、冬にはウィンタースポーツ体験や地元食材を使った夕食づくりモニタリング等々、栗山町の魅力をぎゅっと凝縮したような滞在をしていただけたのではと思います。
 半年の間に3回も訪問すると、お互い「おかえり」「ただいま」という親近感を抱きました。まちの人々も学生たちのことをしっかりと覚えていてくださり、それぞれに声をかけてくださいました。学生たちにとっても、まちの人々と交流したことが何より心に残った様子で、「また○○さんに会いに行こう」という動機づくりは、今後の交流人口・関係人口創出のヒントになるのではないかと気付かせていただきました。
 今年度最後の訪問時にはこれまでの成果報告として、学生たちが感じたまちの魅力や今後に向けての提案を発表してくれました。特に心に残ったのが次の3点です。①知ること(このゼミがなければ栗山町を知ることすらなかった。きっかけが必要だ)、②感じること(実際にやってみて体感することで初めてわかることがある)、③伝えること(自分たちの言葉で実体験を伝えることで同じ立場の人々の共感を生むことができる)。
 彼女たちが初めて栗山町を訪れたときは、最終的にどのようなまとめができるのか心配もありましたが、複数回地域を訪れ地元の人々と交流することで愛着を感じてくれ、栗山町のために何かできないかと、すっかり自分事として考えてくれたことにとても感動しました。
 今後も定期的な訪問を通じて地域課題解決のために力を貸していただくと同時に、自らも関係人口の一人として距離は離れていても栗山町のまちおこしに関わっていただければ大変嬉しいです。私も、皆さんが胸を張って関われるような活動をしていこうと決意を新たにしました。

教員のコメント

流通学部
早乙女 誉 准教授

 今年度からはじまった北海道夕張郡栗山町で活動では、「若者の関係人口を増やすための方策」というテーマのもと、主に栗山町役場と合同会社オフィスくりおこ様(以下、敬称略)と連携させて頂きました。
 まずは、2019年7月にオフィスくりおこが運営する民泊施設「くりとくら」に学生が泊り、良い点や改善が必要な点をフィードバックしました。他にも、レンタル自転車のモニタリングや夏祭りの手伝い、北海道最古の酒蔵「小林酒造」の見学などを通して、学生に栗山町の魅力を肌で感じてもらいました。その後、9月の秋祭りの時にもお世話になり、最終的には2020年2月に栗山町で開催した成果報告会で初年度の活動を無事に締めくくることができました。この場を借りて、栗山町の皆様には心よりお礼申し上げます。
 中心メンバーの北山と久保は夏、秋、冬と3度も栗山町を訪れて地元の方々に仲良くして頂き、すっかりこの活動のテーマである関係人口として定着したようです。今年度は、こちら側がお世話になる機会が多くなりましたが、この経験を活かして来年度は連携先に恩返しができるような活動を展開し、長い時間をかけて良好な関係を築いていきたいと考えております。