産学連携先:有限会社マンナミコンサルタント

 過疎化が進む地方では地理的特徴を活かしてスポーツ・文化・観光を結びつけることにより、新たな地域ブランドや日本ブランドが生まれる可能性があると考えられています。連携先の兵庫県美方郡香美町は但馬牛や香住ガニといった山と海の食の宝庫とも知られ、冬は多くのスキー客が訪れる関西有数の観光地です。近年では山陰海岸ジオパークが世界ジオパークにも認定され、貴重な地形・地質遺産を数多く観察できる場所でもあります。

 毎年夏には広大な山を走って駆け巡る「姫ボタル瀞川平トレイルラン」の大会が開催され、キャリアゼミを通じて2016年から大会運営に参画してきました。また冬にはたじま高原植物園にある「かまくらレストラン」にインターンとして職業体験をしながら、新メニューの提案や情報発信など1年を通じて楽しめる魅力を創生し、発信する活動を行っています。今回は8回目を迎える「姫ボタル瀞川平トレイルラン」と冬季の「かまくらレストラン」に参画するなかで、連携先の魅力を発信し、地域活性化に繋げる方策を検討することを目的としました。

学生活動状況報告

 本活動は、連携先である兵庫県香美町の自然豊かな魅力を発信し、地域活性化に繋げる方策を検討することを目的としています。その一環で、2015年から姫ボタル瀞川平トレイルランという山道を駆け回るマラソン大会の大会運営に参加してきました。しかし、今年度はコロナの影響で大会も中止になり、前期は全くと言っていいほど活動できませんでした。

 後期になって2月頃には香美町に訪問できそうだったので、香美町の魅力である自然を活かした香美町ツアーのプランを2チームに分かれて考えました。プランを考える上でターゲットを絞って、どのように自然の魅力を伝えるかを話し合いました。香美町の自然の魅力の伝え方として私たちは自然の中で普段できない遊びを提供するプランを立てました。結果的には、2回目の緊急事態宣言が延長になったため、ツアーを実施することができませんでした。
 しかし、今回のプランニングという経験を通して人に「楽しそう」と思わせるアプローチの仕方やチームの意見を全員が納得できるようにまとめることの難しさを学びました。この経験を活かして来年度も斬新なプランを立てて香美町に訪問し、最大限、魅力を発信していきたいです。
 
流通学部 杉浦 美来

ゼミ集合写真

  • ※写真撮影時のみマスクを外しています

参加学生一覧

野村 貴大、小楠 勇樹、武田 幸一郎、東井 星心、西山 あや音、上田 琢海、口脇 十海、志村 雄太、竹内 晴輝、田代 結花、中野 知良、仲村 友来帆、吐山 くるみ、福島 崚太、三ツ井 滉哉、森島 佑太、山下 翔也、吉見 亮祐、和田 拓也、福泉 奈々、南 優翔、麻野 凌司、石川 和治、市丸 明日翔、伊藤 薫、上田 燎、鵜飼 昭希、右近 ななこ、内田 優希、應治 卓、岡本 翔太、北山 沙也加、日下 翔太、久保 実のり、佐々岡 裕次郎、笹崎 光流、山崎 聖也、石崎 丈一朗、岩切 一真、岩崎 竜也、片岡 俊介、金本 真由美、清水 雛妃、杉浦 美来、高原 凪、西馬 琉、畠野 泰成、藤原 竜心、河野 鯨波、矢倉 寛、吉田 昂平、米谷 太一、和田 樹、和田 翔

連携団体担当者からのコメント

有限会社マンナミコンサルタント
会長 万波 靖司 様

 早乙女先生のご尽力により、コロナ禍の不自由な中、オンライン講義と対面講義と言う形で兵庫県香美町でのモニターツアーを企画してもらいました。難しい課題にもかかわらず、課題内容を熟知しチーム一丸となってオリジナリティのある素晴らしいツアーを企画してくれたと思います。
 本来であれば自分たちの企画したツアーに参加し、新たな知識・体験を得ることを目的とした学習プログラムですがコロナ禍の影響で実施できなかったことは大変残念に思っております。来年は兵庫県香美町を訪れて自分たちの目で見て肌で感じる機会を設けて頂きたいと感じています。
 現在、旅行・観光業を取り巻く環境は大変厳しいですが、いつの日かまた自由に国内や海外渡航ができる日が訪れると信じて旅行業界メンバーは日々奮闘しています。多くの人に喜びと感動を与える旅行・観光業に多くの学生の皆様が興味を持っていただけることを願っております。

教員のコメント

流通学部
早乙女 誉 准教授

 2016年度からはじまった兵庫県香美町における株式会社むらおか振興公社様との産学連携も今年度で5年目を迎えました。活動の内容はこれまで通り、夏のトレイルラン大会や冬の成果報告会、ウィンタースポーツ体験、かまくらレストランの手伝いなどを予定していましたが、コロナウィルスの影響で何1つ実現できない1年になってしまいました。
 それでも、2020年の12月頃に「2月になれば日帰りで香美町に行けるかもしれない!」という状況になり、急きょ有限会社マンナミコンサルタントの万波様に協力して頂きながら、学生たちに「香美町日帰りツアー」を企画してもらう活動をはじめました。まずは中心メンバーを募り、そこに集まってくれた学生を4名ずつに分けて2チームで別のツアーを考えてもらいました。
 その後、2021年1月の中旬頃に宣伝用のチラシが完成し、早速、参加者の募集を開始しました。他の学生たちもフィールドワークに飢えていたのか1週間も経たないうちに2つのツアーに対して合計で約30名の学生が参加希望を示してくれました。結局、大阪府の緊急事態宣言が延長されたことを受けてツアー実施までには至りませんでしたが、ツアーの内容を決めてチラシ作成、参加者募集までできた点は高く評価できます。加えて、各チーム内での打ち合わせや連携先とのミーティングも遠隔で実施したことにより、今後ますます普及されると予想されているリモートワークや遠隔授業への対応力も向上したのではないでしょうか。
 一方で、教員自身の反省点は「もっと早い時期に遠隔でも対応できる活動内容に変更すべきたっだ」です。これまでは、フィールドワークがメインで現場に出て様々な人に会いながら経験を蓄積することを重視してきました。これからは、新しい生活様式や学び方、働き方に合わせて遠隔でもできることを活用しながら学生に成長の機会を提供していきたいと考えております。