産学連携先:株式会社ジャパンブルー

 杉田ゼミ3回生は、企業およびその製品のブランド力が如何にして発生し、育てられてきたのかについて研究することを目的としています。

 2021年度は、「桃太郎ジーンズ」など国産にこだわったデニムジーンズを製造・販売している株式会社ジャパンブルーと提携させて頂きました。この1年を通じて、杉田ゼミでは事前学習とフィールドリサーチを積み重ねることで、デニムジーンズの製造にはどのような工程があるのか、それぞれの工程で高品質なものづくりを行うためにどのような工夫を行っているのか、そしてその結果製造された高品質なデニムジーンズをどのようにしてブランディングしているのか、について学んできました。

 12月18日、流通学部ゼミナール大会が開催されました。杉田ゼミ3回生は、これまで株式会社ジャパンブルーについて事前学習で知ったこと、フィールドリサーチを行って教えてもらったこと、そして自分たちで考えたジャパンブルーの問題点とそれに対する解決策についてプレゼンテーションを行いました。

学生活動状況報告

 今回のプレゼンテーションは、1.ジャパンブルーのものづくり能力、2.ジャパンブルーのブランディング戦略、3.まとめ、の3部構成となっています。本当は、これらに加えて杉田ゼミから株式会社ジャパンブルーへの提案も発表したかったのですが、それも加えて発表するとどうしても制限時間の15分を大きく超えてしまうために、本報告ではあえて上記の構成にし、杉田ゼミからの提案については会場からの質問に期待することにしました。

 ジャパンブルーのものづくりにおけるこだわりのポイントは、「10年履ける普段着でありたい」というコンセプトをいかに実現するか、という点でした。このコンセプトを実現するために、同社では例えば長繊維のジンバブエコットンを100%使用し、丈夫さと柔らかさを両立させることに成功しました。

 「桃太郎ジーンズ」など、ジャパンブルーは知名度の高い高級ジーンズブランドとして現在は一定の地位を気づいていますが、最初からブランド力があったわけではありません。ジャパンブルーのブランディング活動の特徴として、広報室を設置し、継続的に新聞各社・メディア各社にプレスリリースを発進し続けていることが挙げられます。こういった地道なブランディング活動の中から、テレビなどマスメディアへの露出などのチャンスが生まれ、知名度が高まりブランド力が向上していったのです。

 杉田ゼミのメンバーがジャパンブルーに感じていた課題は、「特に女性にとってデニムジーンズに対して大した思い入れが無い」という点でした。杉田ゼミでは、これらに課題を解決する方法として、「セカンドラインを作り、低価格でデザイン性の高いアイテムを次々に発表する、というアイディアをまとめました。

 以上が、杉田ゼミからのプレゼンテーションの大まかな内容になります。
流通学部 田口 ひより

参加学生一覧

平井 光生、織田 和希、古藤 萌々花、猿渡 杏暢、澤田 晴、杉元 向夏、田口 ひより、天道 莉沙、中田 悠加、藤山 にに香、山本 龍希

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

株式会社ジャパンブルー
広報室 室山 麻美 様

 先日は遠いところ、児島ジーンズストリート、デニム研究所by JAPAN BLUE倉敷店にお越しくださってありがとうございました。学生さん達の質問にハッとさせられる部分もあり、弊社としても、私個人としてもとても勉強になりました。そして、事前に弊社のブランドを調べてきてくださっている生徒さんもおり、とてもうれしく感じました。
 お忙しい中、来社に伴い弊社のことについて学び取り組んでいただきましてありがとうございました。

教員のコメント

流通学部 杉田 宗聴 教授

 今年度は新型コロナウイルスのために、工場内を見学させていただくことはできませんでしたが、その代わり直営店でブランディング活動について詳しい話を聞かせていただくことができました。

 幸い株式会社ジャパンブルーさんはすでに過去2回訪問させていただいていおり、そのときに話していただいた内容をあらかじめ学生達と共有していました。ものづくりに関する内容については過去の蓄積が大きくプラスになりました。それらに加えて今年度の学生達が自ら自分たちのフィールドリサーチで話していただいた内容をまとめたために、これまでのどの世代よりも充実した発表内容になりました。

 おかげさまで、ゼミナール大会でも最優秀賞をいただくことができました。学生の努力と、協力していただいた木村様ほか株式会社ジャパンブルーの皆さまには本当に感謝しております。