産学連携先:株式会社むらおか振興公社

 流通学部の杉田ゼミはファッショアパレル産業をはじめとする様々な企業・地域等によるブランディング活動について学んでいます。

都市部への経済活動の集中や人口移動等によって過疎化に苦しむ地方は現在もなお数多く存在する。この問題に対して、いくつかの地方自治体では域内の観光資源、産業資源、そしてスポーツ資源を活用した参加型スポーツイベントの開催によって観光客の誘致と地域活性化をめざしています。

本キャリアゼミでは、兵庫県香美町で行われる姫ボタル瀞川平トレイルランの大会運営とプロモーション活動に携わることによって地域活性化に寄与する方策について検討することを目的としました。

本キャリアゼミはスポーツマネジメントコースに属する黒部ゼミおよび早乙女ゼミとブランド・マーケティングコースに所属する杉田ゼミとの3ゼミ合同で実施しています。杉田ゼミはブランド・マーケティングコースの観点から、ランナーの皆さんが愛用しているシューズに対する製品満足度とブランドロイヤリティとの関連を調べるために独自のアンケート票をグーグルフォームで作成し、トレイルラン大会の参加者に回答して頂いた上で集計・検討を行いました。

学生活動状況報告

 私たち杉田ゼミ有志のグループは、10月24日に行われたトレイルラン大会に運営スタッフとして参加しつつアンケート集計を行いました。

今年は新型コロナウイルス感染拡大のために宿泊ができず、早朝からの出発となりましたが、トレイルランを走っているランナーの皆さんを見ると部活動時代の記憶が戻ってきて、眠さもすっかり吹き飛び熱心に応援することができました。応援の目的は、大会を盛り上げることと、ゼミの課題である「トレイルランニングシューズの製品満足度とブランドロイヤリティとの関連」についてのアンケート集計を集めることでした。

応援に満足して頂けたのか、最終的に109名の方がアンケートに回答して頂けました。アンケートに答えて頂いたランナーの皆さん、そして大会関係者の皆さん、ご協力ありがとうございました。

アンケート結果をグラフにして、おおよその傾向をまとめて12月18日に実施したゼミナール大会に報告しました。僕自身驚いたのですが、トレイルランシューズの愛好者の中にはナイキやアディダスといった知名度の高いブランドのシューズを使用していた方は決して多くなく、その代わりイノベイトやホカオネオネといった一般にはほとんど知られていないブランドのシューズが多くのランナーに愛用されていました。チームのメンバーと協力して前日深夜までプレゼンテーションの準備をしたおかげで最優秀賞をいただくコトができました。

翌年3月2日には大会実行委員会の皆さんに調査結果をZoomで報告しました。アンケート結果は参考になったという意見もありましたが、知名度の低いブランドも含めて各ブランドの強みは何かわかるようにして欲しい、次の大会では学生自身も積極的にアンケートの質問項目を考えて欲しい、といった要望も寄せられました。

今回のキャリアゼミでは、様々なチームメンバーとの共同作業を行うために事前準備をしっかり行うこと、そして相互に密接にコミュニケーションを行うことの重要さを学ぶことができました。
流通学部3年 平井 光世

参加学生一覧

庄司 もも、山形 美空、青木 大亮、池野 佑里菜、大塚 泉美、大南 勇記、蒲田 海里、神原 聖奈、北本 奈々央、呉松 侑桂、高木 桜子、富山 暖乃、西村 璃乃香、前田 圭吾、宮永 琴衣、平井 光生、織田 和希、田口 ひより、天道 莉沙、中田 悠加、藤山 にに香、砂野 佑斗

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

株式会社むらおか振興公社
大会実行委員長 田丸 明人 様

 感染者数が減少したとはいえコロナ禍での大会であり、受付やエイド等最小限のサービスにしましたが、選手の皆様には開催と対応をよろこんでいただき無事に終えることが出来ました。

これもひとえに、大会へのご指導、エイド、アンケート、元気が出る応援など、多方面に渡りご協力をいただきました先生と学生さんのお陰だと本当に感謝の気持ちでいっぱいです。生徒の皆様が目配り、気配りが出来るのも先生方のご指導によるものだと気持ちよく拝見させていただきました。

また、アンケート結果報告も興味深く聞かせて頂きました。トレイルランの参加者の7割もの方が登山を趣味にしているというのは驚きました。私自身はトレイルランシューズ選びの一番のポイントは滑りにくさだと思うのですが、来年度はそのあたりを調べてもらえれば嬉しいです。

大会本部として、至らないところも多々あったこととは存じますが、また第10回の大会にも是非お越し下さいますようお願い申し上げます。

教員のコメント

流通学部 杉田 宗聴 教授

 トレイルラン大会というとスポーツマネジメントコースのイベント、という印象もあるかもしれませんが、ブランド・マーケティングコースの立場からも非常に興味深い研究対象です。
 大会に先立って、どのようなアプローチからトレイルラン大会を調査するのかについてゼミ生全体と考えました。ランニングウェアやアクセサリーの調査研究もアイディアとして挙げられましたが、ちょうどランニングシューズの製品満足度とブランドロイヤリティとの関連について調査を行った論文が見つかったために、マラソン大会とトレイルラン大会との比較をやってみよう、ということでランニングシューズを中心に据えたアンケート調査を行うことになりました。
 アンケート調査を成功させるためには十分な量の回答を得ることが不可欠です。そのために、杉田ゼミも早乙女ゼミ・黒部ゼミと一緒にトレイルラン大会の運営スタッフとして大会の手助けを行うことになりました。一生懸命選手のみなさんを応援することを通じて、阪南大学について好印象を持っていただき、アンケート回答率を向上させる作戦です。
 応援では杉田ゼミ生はあまり活躍はできないだろうと考えていましたが、予想に反して平井光生(3回生)や中田悠加(3回生)をはじめとして、全員スポーツマネジメントコースの学生にも負けないくらい一生懸命に応援してくれたのが嬉しい誤算でした。おかげで109名の方から回答を頂けました。
 集計結果をまとめ、ゼミナール大会や大会実行委員の皆さんに発表できたことも本キャリアゼミの大きな教育効果でした。アンケートの質問項目や考察の内容等、まだまだ至らないところはありますが、大会運営者、ランナー、そして学生3者がともに何かが得られる活動を目指して来年度もキャリアゼミを続けていく所存です。