2023年5月16日 (火) 15:00~16:30の「入門ゼミ」(1年生対象) において、哲学者の浜野研三先生による「人権講演会」が行われ、陳ゼミ、曺ゼミ、藤野ゼミ、永田ゼミ、柴田ゼミ、武藤ゼミが参加しました。テーマは「世界の人権問題を考える」についてです。
 浜野先生は、2000年4月から関西学院大学文学部で哲学の教授を務められ、2019年3月に定年退職、2019年4月からは関西学院大学大学院文学研究科で哲学の非常勤講師をされています。

  • 【図1 講演会風景】

 この日は、「人権」という概念ないし言葉は、「人間が幸福で豊かな生活を送ることができるために、最も必要と思われる事柄を選んで、それをすべての人間が確保できるようにするためにつくられたものであること、自由・平等・友愛というフランス革命のスローガンをより具体的にしたものということもできること」が説明されました。また、「人間は社会的動物であり、他の人々と協力し合って初めて多くの必要を満たすことができること、他の人間によって自分の存在価値を認められなければ自分に自信を持つことは容易ではなく、人はお互いに協力し合ってこそ各々の人が楽しく生きることができること、しかし現実の世界では人権が無視されることがしばしば起きていること」なども解説されました。そして、人権が侵害されるときにどのような力が働いているかを見る例として、イギリスで起きた「ウィンドラッシュ事件」についても紹介がありました。
 今回の講演会が、学生の皆さんが世界の人権問題と人権概念をより具体的に理解するきっかけになれば幸いです。

【表1 浜野研三先生 主なプロフィール】
1974年 京都大学文学部卒業
1980年 京都大学大学院 修了
1986年 ペンシルベニア大学大学院 修了 (博士号取得)
1987年 京都大学文学部 助手
1995年 名古屋工業大学 助教授
2000年 関西学院大学文学部文化歴史学科教授