多くの阪南大学生が経由する天王寺、買い物や娯楽で訪れる心斎橋・難波などでは多くの外国人訪日客を目にします。永田ゼミでは、近年のインバウンド増加傾向、なかでもイスラム圏からの訪日客に着目して調査を行っています。

 日本を訪れる外国からのお客さんはいったいどんなお土産を購入しているのだろうか、という素朴な疑問から調査が始まりました。調べを進めていく中で、いわゆるお土産物ではなく、普段私たちが店頭で手にする食品が選ばれていることが分かってきました。一方で、宗教的な決まりのなかで食に制約がある、たとえばイスラム圏からの訪日客はどんなお土産を購入しているのか、ということが気になってきました。
 そこで、3月21日に多くの外国人観光客が訪れる心斎橋難波エリアでイスラム圏の方でも安心してお土産として買って帰られるハラル食品の実態について調査を行いました。
  • 心斎橋筋商店街

  • 大丸南館LAOX

  • LAOXのハラル食品

 心斎橋・難波の土産物屋、食品を扱う薬局、ケーキ屋、コンビニなどで取材を行った結果、ハラル認証のあるお土産を扱っていたのは、大丸南館にあるLAOXだけでした。またカステラ屋、ケーキ屋、デパートの地下食品売り場で聞き取りを行った結果、イスラム圏の方が来店された場合、アルコールが入っているかいないか、という情報以上の提供は難しいとのことでした。
 今回の調査の結果、イスラム圏の訪日客の方々が安心して購入できるお土産物がとても少ない、ということが分かりました。(この調査は阪南大学学会から教育研究活動助成金の支援を得て行われました。)
  • 香港ディズニーランドのハラルメニュー

 このことは観光立国を掲げるうえで大きな問題点になると考えます。観光を経済活動の柱と位置づけるためには、さまざまな文化圏の人々に対応したきめ細かいサービスが必要となると考えます。
 今後永田ゼミではさまざまな国の状況も視野に入れつつ調査、研究を進めていく予定です。