2015年大学入門ゼミ ビブリオバトルを開催
大学入門ゼミでビブリオバトルを開催しました。バトラーと紹介された本は以下のとおりです。
①蛭間ゆみこ:湊かなえ『告白』双葉社、2008
★②長谷佳緒子:住野よる『君の膵臓をたべたい』双葉社、2015
③花井翼:和田竜『忍びの国』新潮社、2008
④早川実沙紀:『夢をかなえるゾウ』飛鳥新社、2007
⑤平石加奈:キース・ベローズ『いつかは行きたい一生に一度だけの旅Best500』日経ナショナルジオグラフィック社、2009
一番手は蛭間さん。かつて読書嫌いであった蛭間さんが中学生のとき、クラスメートの男の子が読んでいた本をきっかけに本を読むようになったそうです。その本のタイトルは『告白』。どうみてもその男の子が『告白』という本を読みそうになく、告白というタイトルに隠された本の中身が気になり手に取ったとのこと。人が無数にある書籍のなかからその一冊を選び取る過程を、うまく想像させてくれました。
栄えある第一回チャンプは長谷さんの紹介してくれた『君の膵臓をたべたい』。なんとも不思議で興味を惹くタイトル。主人公とそのクラスメートたちで繰り広げられる不思議なストーリーで、登場人物の名前さえも出てこないらしい。クラスメートの男の子のとる行動に謎が多すぎる一方で、主人公はそれを冷静に対応する。長谷さんは、そのやりとりにどことなく感動したそうです。そのなんとなくという感覚がうまく伝わり、聞き手の興味を引きつけたのが勝因になったのではないかと思います。
三番目は、数年前映画化された『のぼうの城』と同じ作家により執筆された『忍びの国』。時代は戦国時代前後、場所は忍者で有名な地、伊賀。そこに住む住民は家庭をもった農家ばかり。その農家たちがいわゆる忍者であり、個人の損得感情だけで近隣の人や、自分の家族までも殺すことがある。しかし、唯一伊賀が襲われる時にだけ、農家たちは忍者となり一致団結するという。一般的にもたれている忍者のイメージと異なるため、なかなか理解しにくい内容でしたが、三回生である花井さんは今回のビブリオバトラーで唯一の経験者であるため5分という持ち時間をうまく使い、複雑なストーリー内容と自分自身の気持ちとを巧みに表現してくれました。
早川さんが紹介してくれたのは、なんともユーモアなタイトルの『自分の夢を叶えるゾウ』。主人公はある夢を持っていたが、あるとき挫折する。その後ガネーシャという不思議な生き物が現れる。ガネーシャは落ち込んでいた主人公を立ち直らせるために次々と主人公に課題を与える。しかしその課題は誰でも実現可能なきわめて簡単な内容だった。主人公はそれらの課題をこなしていく。この1つ1つの物事に向き合って夢中になり、解決していく過程で、主人公は物事をプラスに考えられるようになる。早川さんはストーリーと聞き手の実体験とがリンクしやすいように話してくれたのが印象的でした。
最後は聞き手に、どうしてそれをと、驚かせてくれた平石さんの選書、そのタイトルは『観光名所』。今回のビブリオのため、とりあえず図書館で本を物色していたところ、表紙の美しい風景に目を奪われてこの本を選んだとのことです。平石さんは、これまで気球といえばトルコと思っていたそうですが、この本ではエジプトのページで全く別の気球の楽しみ方が紹介されており、このことから平石さんは、ひとつの事を別の観点から見る大切さを知ったそうです。平石さんの夢は、世界中の名所を巡ることで、今回この本は新しい視野をひろげてくれた一冊になったとのこと。世界的に有名なスポットではなく、敢えて独創的で庶民的な内容が取り上げられているのも本書の特徴で、その点に強く共感したという平石さんの感情がうまく伝わってくるビブリオでした。
★②長谷佳緒子:住野よる『君の膵臓をたべたい』双葉社、2015
③花井翼:和田竜『忍びの国』新潮社、2008
④早川実沙紀:『夢をかなえるゾウ』飛鳥新社、2007
⑤平石加奈:キース・ベローズ『いつかは行きたい一生に一度だけの旅Best500』日経ナショナルジオグラフィック社、2009
※★がチャンプ本
一番手は蛭間さん。かつて読書嫌いであった蛭間さんが中学生のとき、クラスメートの男の子が読んでいた本をきっかけに本を読むようになったそうです。その本のタイトルは『告白』。どうみてもその男の子が『告白』という本を読みそうになく、告白というタイトルに隠された本の中身が気になり手に取ったとのこと。人が無数にある書籍のなかからその一冊を選び取る過程を、うまく想像させてくれました。
栄えある第一回チャンプは長谷さんの紹介してくれた『君の膵臓をたべたい』。なんとも不思議で興味を惹くタイトル。主人公とそのクラスメートたちで繰り広げられる不思議なストーリーで、登場人物の名前さえも出てこないらしい。クラスメートの男の子のとる行動に謎が多すぎる一方で、主人公はそれを冷静に対応する。長谷さんは、そのやりとりにどことなく感動したそうです。そのなんとなくという感覚がうまく伝わり、聞き手の興味を引きつけたのが勝因になったのではないかと思います。
三番目は、数年前映画化された『のぼうの城』と同じ作家により執筆された『忍びの国』。時代は戦国時代前後、場所は忍者で有名な地、伊賀。そこに住む住民は家庭をもった農家ばかり。その農家たちがいわゆる忍者であり、個人の損得感情だけで近隣の人や、自分の家族までも殺すことがある。しかし、唯一伊賀が襲われる時にだけ、農家たちは忍者となり一致団結するという。一般的にもたれている忍者のイメージと異なるため、なかなか理解しにくい内容でしたが、三回生である花井さんは今回のビブリオバトラーで唯一の経験者であるため5分という持ち時間をうまく使い、複雑なストーリー内容と自分自身の気持ちとを巧みに表現してくれました。
早川さんが紹介してくれたのは、なんともユーモアなタイトルの『自分の夢を叶えるゾウ』。主人公はある夢を持っていたが、あるとき挫折する。その後ガネーシャという不思議な生き物が現れる。ガネーシャは落ち込んでいた主人公を立ち直らせるために次々と主人公に課題を与える。しかしその課題は誰でも実現可能なきわめて簡単な内容だった。主人公はそれらの課題をこなしていく。この1つ1つの物事に向き合って夢中になり、解決していく過程で、主人公は物事をプラスに考えられるようになる。早川さんはストーリーと聞き手の実体験とがリンクしやすいように話してくれたのが印象的でした。
最後は聞き手に、どうしてそれをと、驚かせてくれた平石さんの選書、そのタイトルは『観光名所』。今回のビブリオのため、とりあえず図書館で本を物色していたところ、表紙の美しい風景に目を奪われてこの本を選んだとのことです。平石さんは、これまで気球といえばトルコと思っていたそうですが、この本ではエジプトのページで全く別の気球の楽しみ方が紹介されており、このことから平石さんは、ひとつの事を別の観点から見る大切さを知ったそうです。平石さんの夢は、世界中の名所を巡ることで、今回この本は新しい視野をひろげてくれた一冊になったとのこと。世界的に有名なスポットではなく、敢えて独創的で庶民的な内容が取り上げられているのも本書の特徴で、その点に強く共感したという平石さんの感情がうまく伝わってくるビブリオでした。
報告者:西岡 潤