さる5月30日(木)の毎日新聞に、放送法改正に伴うNHKの同時ネット配信をめぐる記事が掲載されました。本学で『放送文化論』をうけもち、元NHKのディレクターでもある国際コミュニケーション学部・大野茂教授は、NHK在職当時の知見を交えて、同記事の「ミニ論点」のコーナーで意見を述べました。

 地上波テレビのインターネットでの同時配信は、著作権や運営コストなど解決すべき問題がまだまだありますが、「2020東京オリンピック・パラリンピックを1年後に控えて、多くの人々に利便性をもたらす公共性の高い、待ち望まれたサービスである」というのが大野教授の見解です。

 また、こうしたNHKをめぐる議論では、どうしてもNHKと民間放送との意見衝突があります。
 一方で、戦後の日本はNHKと民放の二元体制で、狭い国土に6系列という世界でも類を見ない(番組の質はさておき)充実したテレビネットワークを築いてきました。
 これからも「NHKと民放との共存共栄」を続けるためには、スポンサーや芸能事務所の理解が不可欠との観点から、関係団体にも理解と協力をお願いしたい、というのがもう一つの意見です。

 さらに、記事ではカットされていますが、ネット配信にともなってSNSなどで出回るNHK受信料への誤った認識を早くただすべきとも主張。放送局と国民の相互理解の不足、問題の先送りばかりでは、いずれ受信料制度の崩壊を招きかねないとの警鐘も鳴らしました。

 大野研究室では、これからもメディアの動きに注目していきます。