プロフィール

経済学部 経済学科

林 万平 (ハヤシ マンペイ)

アジアは多様性に満ちた地域ですが、共通の課題もあります。その一つに、大規模な自然災害を挙げることができます。近年、日本国内でも、能登半島地震、東日本大震災、熊本地震をはじめ、多くの大災害が発生しており、人々の生命・身体・財産への被害だけでなく、地域の暮らしや文化の持続可能性にも大きな影響を与えています。
 私自身、阪神・淡路大震災で被災をした経験があります。研究者となってからは、フィリピン、インドネシア、スペイン、アメリカの大規模災害の被災地に足を運び、地域の復興過程とその取組について研究してきました。その中で、多くの被災地の復興には、共通の問題があることに気づくようになりました。
 大災害からの復興を考える際には、人々の暮らしや文化のありように目配りするだけでは十分ではありません。復興のために、その地域の経済開発や社会問題の是正、市民の政治参加や行政や政策のガバナンスについても考える必要があります。つまり、「様々な人々からの助けを得ながら、どうやって自分たちの地域を自分たちの手で再生させていくのか」を考えることが、復興の端緒になります。
 復興のあり方を考えるためには、地域の経済、政治、社会に関する理解が欠かせません。そして、近年の研究から、将来の大災害に備えるために、どのような復興を目指すのか平時から考えておくことが大切であるという「事前復興」という考え方が示されるようになってきました。
 学生の皆さんは、アジア経済とその発展について学ぶだけでなく、大災害で被害を受けた国内外の被災地の経済、社会、政治、そして復興にも関心を持って頂きたいと思います。その際、阪神・淡路大震災で被災した神戸市について知ることは価値があると思います。
                
職名 准教授
出身地 神戸市
出身校 大阪大学
学位 博士(政策科学)
担当科目 アジア経済論、基礎マクロ経済学
研究テーマ 災害復興の経済分析
主要業績
  • 『災害復興の経済分析—持続的な地域開発と社会的脆弱性』勁草書房, 2019️年12月
  • 「自然災害による直接経済被害と経済・社会的要因との関連性:都道府県別パネルデータを用いた実証分析」『経済論叢』第188巻第2号, pp.79-91, 2014年5月
  • ※その他の研究業績については、下記「researchmap」(国立研究開発法人科学技術振興機構)で公開している研究ページをご覧ください。

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