経済学部今城・岡根ゼミ×天美商店街「夜店祭り」

「夜店祭り」とは?

 本学経済学部は経済学の専門知識を実践的に発展させるために地域イベントにも積極的に関わっており、その一環として阪南大学の最寄り駅に隣接する商店街の「夜店祭り」に例年参加しています。
 「夜店祭り」とは毎年7月に天美商店街連合会が中心となって開催する地域イベントであり、町の小さな公園にコイン落としや金魚すくいなどの様々な屋台を設営し、地域住民間の交流を図っています。経済学部はゼミ単位で祭りの準備や屋台の運営に携わっており、今年度は今城ゼミと岡根ゼミの2つのゼミが「夜店祭り」に参加しました。以下、今城ゼミと岡根ゼミの参加の様子をお伝えします。

今城ゼミ

・「夜店祭り」ミーティング
 今城ゼミの「夜店祭り」参加は今年で3回目です。この祭りは毎年7月最終週火曜日に行われるのですが、それに先立ち、6月20日に「夜店祭り」ミーティングが開催されました。目的は、商店街側の実行委員の方々と経済学部ゼミ生との顔合わせと、出し物の決定です。ここで、今城ゼミは「洋風ギョウザ」、岡根ゼミは景品付きの「ボール入れ」を出すことに決まりました。
・「夜店祭り」当日
 当日はギョウザの仕込みから始まりました。研究室で今年の中心となる3回生が、昨年作りすぎて売れ残ってしまった経験を生かして、500個のギョウザを作りました。途中、昨年の中心だった4年生も数名手伝ってくれました。これを16時半までに作り上げて、夜店祭りが行われる会場に運びました。
 祭りが始まると、まず隣の岡根ゼミに長蛇の列ができました。毎年景品がつく屋台は人気です。ゼミ生はそれを横目に見ながら、ギョウザを焼いていきました。19時ごろから他のブースで遊んだお客さんがギョウザを買ってくれるようになり、20時半にはめでたく売り切ることができました。
 ブースで働くゼミ生だけが頑張っているわけではありません。例年、他のブースに応援に行くゼミ生も大勢います。今年も今城ゼミ・岡根ゼミのゼミ生の多くが他のブースの戦力として頑張ってくれました。彼ら・彼女らの頑張りが祭りを楽しくかつスムーズに進行させるために欠かせないものとなっていました。
 祭りは単に出店だけで終わりません。後片付けもとても大切な仕事です。これは毎年特に力を入れて行っています。今年から参加した岡根ゼミの学生も一緒に、最後まで片付けを手伝いました。
・「夜店祭り」で得られたもの
 今城ゼミは今年で3回目の参加ですが、教員は毎年「ゼミ生のポテンシャルの高さ」に驚きます。教室の学習では出てこないゼミ生の能力がわかり、この祭りはむしろ教師にとって得るものの多いイベントです。
 ゼミ生は、自分達が能動的に何かに参加することがとても大切なことを学びました。これについては、この祭りの後でやはりゼミ生が参加してくれたあるイベントでも遺憾なく発揮されていました。
 最後に、商店街の実行委員の方々から頂いた言葉から、祭りにとって経済学部のゼミの参加がなくてはならないものになっていることを知りました。自分達が目指す地域貢献が実を結び始めていると同時に、途中で投げ出せない責任も出てきたということです。うれしくも、身の引き締まる思いがしました。

岡根ゼミ

・「夜店祭り」当日
 岡根ゼミは「ボール入れ」の屋台を運営しました。この屋台では特に子どもをターゲットにしたため、早い時間帯から長蛇の列となりました。また、ゼミ生は商店街の方々の店の運営も手伝うことになりました。
 どの店も長蛇の列でしたので学生にとってはハードな時間が続きましたが、お客さんを待たせずにゲームをさせたり食べ物を提供したりするために、学生全員が一生懸命に工夫していたのが印象的でした。たとえば、ボールを入れられない子どもにコツを教えたり一緒にやってあげたりするなど、はじめての経験にもかかわらず店を上手く切り盛りしていました。こうしたサービスが住民からの感謝の言葉となって、祭りをより一層盛り上げていました。
・「夜店祭り」参加で得られたもの
 この活動はお祭りで出店して利益を出すという経済に関する実践的な学習のみならず、地域貢献活動としても重要な意義をもっています。祭りの準備から後片付けまでを通じて地域の方々と現実に交流することで、地元商店街や地域住民のニーズは何なのか、そのニーズにどのように応えていくのが社会貢献につながるのかなどについて学生も少しは学べたのではないでしょうか。岡根ゼミでは公務員を志望する学生が多いので、ボランティア活動としても得るものが多かったように思います。
・学生の感想
 以下では学生の感想を紹介します。

 ・私はボール入れの屋台で景品を渡したりする役割でしたが、対応や声のかけ方によって子どもは少しのことでも喜ぶこともあれば、恐怖心を抱くこともあり勉強になりました。子どもと接する機会が少なかったので今回の活動は良い機会になりました。

 ・予想以上に祭りの参加者が多く大変でしたが、今回「夜店祭り」に参加してたくさんの地域の人の笑顔が見ることができてとても良かったと思います。地域の活性化を促すためには地域の人が主体となってイベントを開催するということが大切なのだということに今回の活動を通じて気づきました。私は行政関係の業務に携わりたいと考えているので、今回の経験を将来に活かしていきたいと思います。

「夜店祭り」の動画

 最後に、この地域の魅力を広く知ってもらうために「夜店祭り」の動画を配信します。動画は近年ではインターネットを通じてより広い情報発信の手段となっています。この点は今後の大学の地域貢献活動を宣伝するだけでなく、大学と地域の連携を通じた創造的な地域活性化の一例ないしモデルケースとなるでしょう。地域と学生がともに手を取り合った動画です。どうぞご覧ください。
謝辞:本事業は阪南大学学会の2016年度学部教育研究活動助成事業補助を受けて実施しました。支援いただいたことに感謝いたします。