金子ゼミでは希望者で高校内の居場所カフェに数回、参加しました。居場所カフェには様々な背景を持った高校生たちが、その日の気分によって参加します。初めて参加するゼミ生は、最初に「先生、どうすればよいですか」と聞いてくるのですが、カフェのスタッフの方から飲み物を出したりする方法だけ教わったら、そこから先は自分たちで考えます。居場所カフェには、そこに来る人も毎回違います。それに中年の私と、少し年上のお兄さんの彼らとでは、10代の若者たちからみたら、当たり前ですが、接し方はまったく変わってきます。ふだん、あまり人と話さない若者も、ゲームの話をしたり、少しずつ自分が悩んでいることを話したりします。
7月23日には、中学生サードプレイスというイベントにも参加しました。高校内居場所カフェを日本で初めて設置したofficeドーナツトークの田中さんや、FAIRROADの阪上さんは現場での実践活動だけではなく、それを当事者同士で考えたり、社会に発信する場を持つことを大事にしています。金子ゼミでは、現場に行く前にほとんど内容を勉強していきません。それは偏見を持たず現場で起こったことを感じ、そこで行動してほしいからです。参加した学生たちには、難しい言葉も多かったようです。ただ、こういうワークショップに参加して、行政や学校、様々な場所で子どもたちのことを思って活動している大人たちが、真剣に制度設計をどのようにしていこうか議論する場に立ち会えたことは、いつもの現場に出るのとは別の体験になったと思います。

学生活動状況報告

経済学部4年 水口 幸大

現在行われているサードプレイスに関する情報に満遍なく触れることができ、さまざまなきづきもあり、初見でも概要を把握しやすく感じました。また、シンポジウム後には参加者の親睦を深めるための食事会もあり、とても和気あいあいとした雰囲気で、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
シンポジウムでおっしゃられていた学校の教員と居場所の職員との間での対立があるということが印象に残っています。また、成果のない普通の日常を続けることに対する価値、哲学、思想などをフラットな関係で語り合うことが中学校内サードプレイスには必須であると考えているとおっしゃられていたことが自分の中ですごく印象に残っています。こういった多角的な考え方が子どもたちのより良い関係性でのびのびと成長を促せるのではないかと考えるきっかけになりました。

参加学生名簿

水口 幸大、 西道 怜士