2017年度海外インターンシップ ベトナムクラス参加学生の感想・気付き③

2017年度海外インターンシップ ベトナムクラスの参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第3回となります。

経済学部3年 佐野 宏太 さん

 今回、私は8月20日から9月17日の約1ヶ月間、ベトナムでのインターンシップに参加しました。参加に至る主な動機はいくつかあります。2年生の時に初めて海外に行って以来、海外に興味を持ちました。そして、3回ほど東南アジアへ海外旅行に行き、日本との文化や風習の違いに衝撃を受けたと同時に好きになりました。日本よりもどこか自由で人がみんな温かくフレンドリーなところ、物価の安さや言語の違い、発展途上国であるという点です。そして、そんな経済成長が真っ只中のベトナムで就業体験ができる機会があったので、私は挑戦してみました。
 私がお世話になった企業は「W&S Joint Stock Company」という、東南アジアで消費者をターゲットにビジネスを展開している企業をサポートする会社です。本社は岡山県でベトナムとインドネシアとタイに海外オフィスを構えています。複数の自社メディア運用で構築した45万人以上の会員リストを保有しています。そのリストを使いWebマーケティング、オンラインリサーチの2つの事業を軸に展開しています。
 現在、ベトナムとインドネシアとタイの3つのWebサイトはシステムが別々であり、どこかで不具合が生じてしまうと全てのシステムを変更しなければいけないという状態です。その別々のシステムや管理画面を1つに統合するために、現Webサイトの管理画面の約160ある機能の整理・カテゴライズ・デザイン・レイアウトを行うのが私たちの業務でした。難しい言葉ですと「新しいUX作成のためのドキュメント作成」です。
 私は同じプログラムに参加していた福岡県の西南学院大学の学生と一緒に働きました。W&SはIT企業でITに関して知識のない私たちは聞いたこともないIT用語が出てくるたびに、メモを取り意味を調べることに必死でした。しかし、社長の桃田さんやCTOの鍋山さんやスタッフの皆さんが毎回丁寧に私たちにも分かるよう教えて下さいました。
 1、2週目の私たちの主な業務は、Webサイトを管理するための機能を理解し日本語で説明文を作ることでした。ここの過程がとても大変でした。機能はかなり複雑でインターン生として来てすぐの私たちだけでは理解することは厳しかったです。そこで、スタッフの皆さんに質問をしてどのような機能なのか確認していきました。英語で質問する際も複雑な機能の場合、聞き取ることが非常に難しかったためSkypeで質問して回答を残したり、日本語が話せるスタッフの方に通訳を頼んだりと工夫しました。実際にHPを見ながら機能をテストするなど、ミーティングを重ねるごとに理解も深まっていきました。
 3、4週目は、類似した多くの機能のまとめ作業や、機能ページを必要・不必要に分類する作業、サイトマップの作成を行いました。ここでも、スタッフの皆さんの意見や用途を基に、自分たちの意見や考えも取り入れていきました。次にサイトマップの作成を行いました。サイトマップとは、サイトにどのようなページがあるかが分かり、サイト内のリンクをまとめたページで、ユーザビリティを改善する場合も1番軸となり重要な役割があります。それを聞いた時に、任されている仕事の規模がはっきりと分かりました。今までの仕事を基に、新たなカテゴリーを作ってまとめたり、バラバラだったURLを統一させたり、類似した機能ページを統合させ1つにまとめたり、約160あった機能ページを77までまとめることができました。そして、残りの3日で少しだけ機能ページのレイアウトも作成することができました。
 4週間という短い期間でしたが、初めに掲げていた目標通り、約160あった機能の用途を一つ一つ確認しながら類似した機能をまとめ上げ、それをカテゴライズしサイトマップを考え、それを基にページのレイアウトを作成するという全てのステップを経験することができました。初めて経験するITという分野の仕事で最初は分からないことばかりでしたが、毎日の仕事の中で新たな言葉や会社の仕組みや業界に関することを知ることができ勉強になることばかりで楽しかったです。
 分からないことはすぐに聞くのではなく自分でも調べてから聞きに行くことや、ミーティングに参加する際は前もって内容を把握しておき質問を用意しておくこと、職場の状況や雰囲気を感じとること、報告・連絡・相談・確認を行うこと、挨拶・返事・笑顔など基本的な礼儀を徹底することなど、社会人になって必ず起こる状況をインターンシップで経験できたことはこの先の就活でも役に立つと感じます。また、仕事をしていく上で自分たちの意見や考えを評価していただけた時はとても嬉しく次への自信に繋がりました。そして、このプロジェクトを今後も引き継いで行っていくということを聞き本当に達成感がありました。このように、与えられた仕事をやり切り、評価された後の達成感は忘れることが出来ません。

 私はこのインターンシップでの1ヶ月間で色々な人と出会いました。他大学のインターン生、ベトナム駐在員の方、これからベトナムでビジネスを始める方、皆さん自分の将来を見据えてベトナムでも積極的に行動していたり、グローバルな視点から物事を考えていたり。また、職場・ホテル・飲食店のベトナム人スタッフの皆さんは仕事が終わると語学の勉強をするなど、本当に真面目で勉強熱心で時間の使い方が上手く、オン・オフの切り替えが早く、見習わなければならないことばかりでした。私自身、海外で働いていく上で必要不可欠である、英語の重要性は痛いほど身に染みました。会社のミーティングに参加さしていただいた時も、英語でのミーティングでした。やはり、世界基準の言語である英語を使えないと、海外では通用しないと強く感じました。
 この1ヶ月間で私は海外で働く大変さだけでなく、毎日新しいことに挑戦する難しさと楽しさ、社会人にとっての休日の大事さ、ベトナム人の皆さんの家族のような優しさ、楽しそうに働く姿など、実際に海外で働かなければ見えてこない多くのことを知ることができました。少しではありますが今の自分に足りないものも確認できました。将来、海外で働けたらと考えています。その為に、この刺激的だった1ヶ月間に経験し、感じ、自分でやると決めたことを忘れずに必ず実行して、日々精進していきます。

国際観光学部3年 松島 未央子 さん

 私がベトナムインターンシップを志望した動機は、元々夏休みに来年の就職活動に向けてインターンに行くことは視野に入れており、海外インターンのガイダンスに参加した際に一ヶ月海外で働く経験ができるのはすごく面白そうだと感じたのと、以前にベトナムに旅行に行った際にベトナムの食べ物や文化が好きになったからという理由でした。
 私がベトナムでお世話になった企業先はNNAというベトナムの経済情報などのニュースを日本語でネット配信する会社でした。NNAはベトナムだけでなく、中国やシンガポール、タイなどのアジア各国に拠点を置く企業なので、ベトナムに駐在している日本人の認知度はとても高いものとなっていました。
 私の業務内容は、主な業務は、「The Daily NNA ベトナム」というNNAが配信しているニュースの、一ヶ月無料トライアルを企業方に紹介する営業の電話をかけることでした。また、リストのデータ入力や企業訪問なども行いました。
 実際に業務をするうえで、今までにアルバイトで電話対応をしたことがなかったので企業の方に電話を掛けるのはすごく大変でした。また。日本人の方に繋いでもらっても、案内する商品の説明を緊張して上手く出来なかったり、日本人の方に繋いでもらうまでは英語でローカルスタッフと話さないといけなかったり苦労の連続でした。電話を英語で掛けることとお客様に紹介する商品の内容をどうやって分かりやすく興味を持ってもらうか考えることが私の課題でした。業務を上手く進めることができずに苦戦しましたが、業務後、ホテルに帰り電話対応のスクリプトの作成や、英語での電話対応を覚えたり、NNAのニュースの内容について覚えたりすることで仕事に少しずつ慣れることが出来ました。2〜3週間後にはモニターを取れた件数も増え、社員さんにも電話対応を褒めて頂き、自分の中で達成感が出てきました。
 インターン後半になると実際に電話での営業でモニターを取れた企業への訪問も同行させて頂きました。現地で駐在員として働いている日本人の方の話はとても興味深かったです。契約をして頂くかのお返事を聞く前にインターンが終了してしまったので引継ぎ業務となりましたが、とても貴重な経験をさせて頂きました。また、毎朝出勤後にNNAのニュースを読むことや、ASEANなどのアジアの経済情報やベトナムの文化や歴史を調べることによって知識を身につけることも出来ました。ベトナムに来なかったら知ることができなかった情報も知ることが出来ました。最終日にはローカルスタッフの方が昼食に手料理を振舞って下さり、優しく暖かい手作りのベトナム料理は一ヶ月間食べた料理の中で一番美味しかったです。いつも優しく丁寧に仕事を教えてくださったNNAの皆さんのおかげで充実した一ヶ月を過ごすことが出来ました。とても感謝しています。休日には日本語を学んでいるベトナム人との交流会に参加したり、メコン川に遊びに行ったりしました。
 今回のベトナムインターンシップを通して、海外で働く大変さや楽しさなど日本では味わえないことをたくさん感じることが出来ました。発展途上国が抱える課題も知ることができ、貴重な経験となりました。問題に直面した時にその壁を乗り越える力が自分にあること、乗り越えられた時の達成感を知ることができたことは一番の経験です。ベトナムにインターンシップに行く前は海外で働くというイメージが湧きませんでしたが、一ヶ月体験してみてビジョンが少し見えてきました。これらの経験を忘れず今後の就職活動に活かしていきたいです。

<参考>