2018年3月22日(水)、経済学部三木ゼミは、4月からゼミ生となる新2年生を対象に有限会社GyoLighthouse代表取締役社長の笠原 暁様による講演会「恐怖は全て無知から始まる。2018」を実施しました。なお、この講演会は経済学部生全員に広く参加募集告知を行い、三木ゼミ新2年ゼミ生以外の学生にも参加いただきました。

笠原 暁様ご略歴

 1972年(昭和47)年 東京生まれ。
 学生時代に米国カリフォルニア州に留学。帰国後、大手プロバイダー、広告代理店、出版社を経て、コンピューターシステム会社に従事。日本企業の米国現地法人立ち上げに関わる。
 日本初、販路開拓に特化したビデオキャスティング制作事業を行う。
 今後の中小企業繁栄の活路は外需獲得であると確信し、米国ロサンゼルス、シカゴ、ニュージャージーに拠点開設。 シカゴでは現地米国企業の副社長も兼務しグローバルイノベーションを展開中。2014年度版中小企業白書にも弊社事業が掲載中。 新聞、雑誌、テレビなど多数のメディアでも評判となった。

中小企業基盤整備機構 Team-KANSAIパートナー
東京商工会議所 中小企業国際展開アドバイザー
豊中商工会議所 海外販路開拓専門相談員
柏商工会議所 海外販路開拓専門相談員
岸和田商工会議所、明石商工会議所など多数兼務
島根県雲南市 PR大使
TigerLabs Ventures プランナー(NJ州)
プリンストン商工会議所、海外ビジネス相談員
ミッドジャージー商工会議所、海外ビジネス相談員  
ニュージャージー商工会議所、海外ビジネス相談員
 以下に今回のご講演で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

西野 有咲 さん(経済学部新2年)

 笠原さんのお話を聞いて印象に残ったことは「経験を積む」ということです。それは、成功する経験はもちろん、お話にもあった通り失敗をする経験や無駄をする経験です。なぜかというと、何事も経験を積まないと分からないことが沢山あると思ったからです。自分で経験することが一番記憶に残り、学ぶと思います。机に向かって学ぶことも必要だとは思いますが、それでは分からないことも出てきます。たとえば、1つの事柄に優先順位をつけなければならなくなってしまいました。その情報は必要なのか、一番先に何をしなければならないのかという優劣をつけていかなければなりません。しかし、机に向かっているだけでは頭で考えてからしか行動に移せないし、座学で学んだことが本当に正しいかなんて自分では判断ができないからです。教員が教えてくれたから、教科書にはそう書いてあったからなんて、社会に出てしまえば関係ありません。ですが、自分で経験をしていると直感で感じ取れるようになっていくと思います。そして、臨機応変に動けるようになると思います。
 また、今だからこそ失敗することや無駄をする経験ができると思います。年齢を重ねるごとにこのような経験は積めなくなっていきます。社会にでると大学では考えられないような大きな物事が出てくると思います。もしそれを失敗してしまうとどうなってしまうのでしょうか。上司から怒られるならまだしも、責任取らなければならなくなったりしてしまいます。物事や大きさは違えど、何をしなければならないのか、何をしてはいけないのかという本質的なことを理解する必要があります。だからこそ、現段階で何事にも積極的に行動してみることが必要になってくると思います。挑戦して失敗や成功をしたりすることによって経験になり、価値観や知識量が増え、将来役に立つと思います。そのためには、時間の無駄を使っても、金銭的な無駄を使ってもいいと思いました。経験はお金では買えないですから。
 経験はお金では買えないです。だから、自分で経験を積むということが重要だと思いました。大学やゼミ活動、プライベートでも思い立ったら行動したいと思います。

松本 華歩 さん(経済学部新2年)

 私が今回の講義を聞いて、印象に残った言葉は、三つある。一つ目は「貯金より経験を積むこと」だ。笠原さんがおっしゃっていたように、毎日ギリギリでも楽しんでいる人は面白いし、関わりたいと思う。就職活動、面接でもやはり、濃いエピソードを語れる人はこのような人なのかと、考えさせられた。
 私は、今まで貯金がある安心感を求めてアルバイトを頑張っていた。欲しいものがあるとか、行きたいところがあるなどの目標はなく、ただ貯金をしていた。安心感は得られたが、講義を聞いて経験値は得ていないと確信した。これからは無駄遣いをする気は無いが、興味を持ったもの対して積極的に行動していこうと決めた。
 二つ目は「7つのいいコンセプト」についてだ。1.そこに革新性がある。2.そこに戦略性がある。3.そこに共感性がある。4.そこに個性がある。5.そこに総合性がある。6.そこに持続性がある。7.そこに創り手の熱い思いがある。この7つがあって初めていいコンセプトとして成り立ち、物事が進み成功していくのだとおっしゃっていた。私はこの7つが何事にも共通しているのだと感じ、とても感銘を受けた。特に4.そこに個性がある。は、私の中で1番大切にしたいポイントだ。私は、何をするにも個性がないと自分がやった意味がないと思っている。なんとなくのインスピレーションだけで進めてもダメだと知ることができた。
 三つ目は「大切と大事の見極め」についてだ。笠原さんは大切と大事の違いを、「大切」は心からの必要性という意味が強く、「大事」は損得として考えて必要だという意味が強い、と示していた。私はこの違いについて納得した。例えば、私は、友達のことは大事というが、家族のとこは大切と言う。友達と家族では重みが違うので、笠原さんの定義が当てはまる。
 私は今回、笠原さんの講義を聞いて改めて思うのは行動力の大切さだ。笠原さんの仕事は世界を飛び回る仕事で、私の憧れの仕事である。とても貴重な話が聞けた。今後もこのような貴重な話が聞けると思うので、一つ一つを自分の中に積み重ねて行き、成長したいと思う。

小谷 彩斗 さん(経済学部新2年)

 冒頭で笠原さんが紹介した「他人と過去は変えられない 自分と未来は変えられる」という言葉が胸に響いた。常に向上心を持って、自分自身を変化させる。現状維持で満足してはならない。すると、未来は良い方向に変わる。
 今回の講義を通して私が最も印象に残ったことは、時代と共にニーズの形が変わっており、今後は更にモノが売れなくなるということだ。三木先生のお話で、日本のモノ作りの経済は廃れていくというのは理解していた。しかし、こうも明らかな数字を出されると、今後日本にとどまっていて大丈夫なのかと考えさせられた。
 この状況下で企業は様々な策を凝らした。最近は他社と提携することで付加価値をつける事が主流となっている。またスターバックスのように、サービスで顧客満足度を高め、同業種にないオンリーワンの価値を見いだした企業もある。このように、競争社会の中で他の企業との差をつけために付加価値をつけて勝負する。これはモノを売買する事に限ったことではない。
 これは私達が直面する就職活動にも同じことが言える。代わりが見つかるようではならない。それではその他大勢に埋もれてしまう。今回の講義で取り扱った企業のように他に無い付加価値をつけるために、ひとつのことに執着するのではなく、いくつもの肩書きを持つ事が出来れば自分自身の価値は上がる。
 このことから、これからの時代は様々な事にチャレンジすることが重要であることが分かる。これは笠原さんが講義の最後におっしゃっていた、「多くの失敗の経験をする」に近い。何事にも興味を持ち、見切り発車でもすぐ行動する。スティーブ・ジョブズ氏の「点と点をつなげていくと、いつの間にか線ができる」の言葉のように、一見関係のないように見えることもいつか点と点で結びつく。保守的な考えが悪いとは言わないが、ジャンルにとらわれずどんな事でも挑戦していくことで自分の可能性を探ることが今後において大切なのだと新たに気づいた。

岩根 仁志 さん(経済学部新2年)

 時代が変わるにつれ商品のニーズも変化している。モノが不足しており何でも売れる時代からモノが充実しナンバーワンが売れる時代に変化した。今はモノが溢れかえっておりオンリーワンでなければ売れない時代になっている。これは私たちが2年後に経験する就職活動でも言える。今や就職がとても難しい就職氷河期であり、またAIなどに仕事を奪われ働く場所自体が減りつつある。それに伴い企業は就活生の中からオンリーワンの存在を欲しがっている。その理由は働き手に生涯で3億から4億というお金を人件費として支払うからである。その為、3億から4億の価値がないと判断されれば就職するのは難しい。
 企業はモノが売れないこの時代に順応するため業種の違う企業が提携をしコラボ商品などで商品に付加価値を付けるという対策をしている。私たちも就職するために自分自身に付加価値をつける必要がある。この場合の付加価値は経験である。
 今回の講義でリスクがある事に挑戦し、無駄や失敗をした経験がその人を面白い人間にしていくという笠原さんの言葉がとても印象に残った。色々な経験をし、そこから学ぶことによって、話の幅が広がり、人間としての深みが出る。三木先生がガイダンスで話してくださった過去を語れることは大切だということに繋がっている部分があると感じた。成功、失敗関係なく経験したことは何かしら自分の身になる。その為この大学生活の4年間がとても大切なってくると強く感じた。講義の冒頭で笠原さんがおっしゃっていた過去と他人は変えられないが未来と自分は変えられるという言葉が全てを物語っている。これからの生活の仕方で人生は大きく変わる。
 自分の好きな事や得意な事、自分に利益のある事だけをするのではなく、苦手な事や不得意な事、そして今までに経験した事のない未知の物事にどんどんチャレンジしていくことが自分に付加価値をつけ自分の可能性を広げると気付かされた。今後は自分ができることを見つけ、それにまず取り組んでみようと考える。その中から自分の興味のある分野などを探し、新しい自分を作っていきたい。