2018年6月13日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大阪市都島区にある株式会社中央電機計器製作所を訪問し、会長の畑野吉雄さん、代表取締役の畑野淳一さんにお話をうかがいました。
 株式会社中央電機計器製作所は1930年創業、画像検査システム、バイオ関連検査装置、計測制御システム等の設計・開発、ソフト開発 (LabVIEW 他)等を主な事業内容とし、電子・電機計測機器分野でオリジナル製品を手がけてきました。数々の受賞歴があり、最近では中小企業庁が様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者を選定する「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を受賞するなど、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 小谷 彩斗 さん

 今回の中央電機計器製作所は、これまで訪問した企業とは違う雰囲気を感じとれた。経営者の自社への熱い思いが伝わり、アットホームな環境で一人一人が目標とやりがいを持って働けている。また確かな実績があり、従業員一人一人が自分の会社に自信を持っている。これらの要素が揃っているから国内外問わず、この会社へのインターンシップの参加者が多いのも理解できる。
今回の企業見学で、一番印象深かった事は会社の壁に経営理念やプロ意識について記載されている資料が多く貼られていることだ。なぜそれが印象的だったかと言うと、会長が私に将来の夢を聞き、私に「それを目に見えるところに貼りなさい。」とおっしゃられた事を会長自身が確実に行動に移していたからだ。私自身もこれを受けてすぐに行動しようと思えた。このように会社のトップに行動力があり一貫した考えがあるから、従業員が信頼の元ついてくる。そして会社というチームが1つの方向に向かう。こうして社会に評価される中小企業になれるのではないだろうかと私は考えた。
 次に印象的だったのが、月に一回の社内飲み会や年に二回ほどあるワイン会だ。これらを通じて同僚や同じ部署の人と親交を深めるのはもちろん、普段交流のない部署の人たちと交流できる環境が整っている。会社の人間関係は多くの社会人の悩みの種になる大きな1つだ。会社全体で社員の人間関係を良くしようしていることがわかる。そして、この2つの行事に共通することは社員が費用を負担することなく参加ができるというところだ。社内の行事で仲を深めることで、働きやすい環境が整い、社員の満足度も高くなる。これらの行事は非常に合理的なものだ。
今回の総括として、この会社には女性や海外からの留学生が活躍できる環境が整っている。また会社のトップに従業員を引っ張れる行動力がある。これらのことが印象的であった。やはり会社のトップの人柄が会社のカラーとして見えるものだ。

経済学部2年生 岩根 仁志 さん

 大阪市都島区にある株式会社中央電機計器製作所を訪問し、模擬会社説明会と社内見学をさせていただいた。中央電機計器製作所は計測器や検査、試験装置を主にオーダーメイドで製作している会社であり、プログラミングの負荷を軽減するLabVIEWという技術を20年ほど前から導入している創業88年になる歴史のある中小企業である。
 今回の中央電機計器製作所への企業訪問で特に印象に残っている事は大きく分けて2つある。まず、印象に残っている事はコミュニケーションを大切にしている事である。会長の「一期一会」、出会いを大事にするという考え方が浸透しており、少しでもためになる事を吸収してもらいたいという意向から日本人、外国人関係なくインターンシップを受け入れ、新規事業の発掘を目的とした海外展示会への積極的な出展など出会いを大事にしている事が伺える事業内容がたくさん見受けられた。また、営業部のデスクは席を指定せず、社員同士のコミュニケーションが取りやすい環境作りがなされていた。さらに、社員同士のコミュニケーションの場として、月1度の飲み会や年に1度から2度ある会長宅でのワイン会などを行っていると聞いた。社員が働きやすい環境、コミュニケーションの取りやすい環境作りがなされていると感じ、若手からベテラン、経営陣の距離の近さ、仲の良さを感じた。
 次に印象に残っている事は女性社員が多く活躍している事である。女性社員は事務や総務で活躍しているイメージを持っていたが、中央電気計器製作所は各部署でプログラミングや研究の仕事をしている技術者の女性社員が多くいる印象を持った。若手社員との懇談会で、元々文系で事務職を志望していた女性社員の方にお話を聞くことができた。プログラミングやハード、ソフトどちらの知識も全くない状況で入社し、1から技術を学んだ事を聞き、知識や学力より人柄ややる気などを重視する会社だと感じた。また、3月から1ヶ月間の内定者研修や若手社員の海外研修など研修制度もしっかりしている印象を持った。さらに、毎週社内塾が行われ、語学力向上のための勉強会なども開かれている。これは入社時に知識がなくても1から技術を学べる環境が整っていると感じ、女性社員の技術者が多く活躍出来ている証拠だと感じた。
 最後に、企業訪問をしてみた中で経営者の考え方や人柄が社内の雰囲気などに直接繋がっているように感じた。今までの企業訪問を振り返っても経営者の考え方、人柄が会社の色になっているように感じた。また、中小企業はOJTのイメージが強かったが知識が全くない状態から技術を学べる研修制度や勉強会が充実しているように感じ、やる気や学ぶ意欲があればやりがいがあり、楽しく働ける職場環境であると感じた。

経済学部2年生 森 梓 さん

 中央電機計器製作所は、「世にないものをつくりだす事」を目標とし、色々な種類をつくっている会社で、例えば、MRIの中に入っている監視装置をつくっていたり、LabVIEWというものを用いた計測・制御システムなど色んな分野のものを自社で一から開発している会社だそうです。現在も、医療機器分野の世にない便利なものを発案している途中だそうで、これからもどんどん開発していく予定だそうです。
 実際に会社見学をし、一番感じた事が、社員間の仲の良さです。どの人も口を揃えて年間行事がたくさんあるから色んな人とコミュニケーションを取る機会が多く、職種関係なしにとっても仲が良いと口を揃えておっしゃっていたし、社内にある机の配置など、コミュニケーションを取りやすく配置しているなどという話を耳にし、コミュニケーションを大事にしている人柄重視の会社なのだと感じることができました。確かに、他の会社で、個人的には飲み会などしていると思うが、会社で月に1回社内飲み会をしている会社は初めて聞きました。他にも女性にはとっても嬉しいケーキの日を設けていたり、社員旅行やワイン会などもあるそうです。この社内行事の多さが、社員間の仲の良さに深く関係しているのだと感じました。また、ものづくり企業とは、男性が多いイメージだったけれども、この会社は女性も多く、ケーキの日や育休・産休がしっかり設けられていたりと、むしろ女性の社員さんをとても大切にしているのが見受けられとても好印象でした。
 見学し、話を聞いて、私はこの会社に入社したいと感じました。前までは、大企業に入社したいという思いがとても強かったのですが、こちらの会社を訪問し、社員数が少ないからこそ自由に、仲良く仕事をできるなどという中小企業ならではの良さを目の当たりにし、こういった社員を一人一人、女性男性関係なく大切にしてくれる会社にぜひ入社したいと感じました。もちろん、その月の業績などで給与やボーナスも変わってくるとは思いますが、結局大企業に入社しても業績による給料の増減は避けれないと思うので、同じ条件だったら、大企業より月給が多少低くても、仲がよく環境に恵まれている方が良いなと深く感じました。

経済学部2年生 松本 華歩 さん

 中央電機計器製作所は創立以来88年にわたり、電機・電子計測の分野で数多くのテスト、ソフト開発、設計、制御システムを提供している。また、ハードウェア・ソフトウェアの開発、設計、製作からアフターフォロー、メンテナンスまで一貫して対応することができる。長年にわたり磨きあげられた信頼できる技術を持っており、多くの大手企業、大学とパートナーとして技術を提供し最新技術についても研究をしている。
 電機・計器については完全に理系部門なイメージがあり、説明を受ける前は苦手意識があり理解できるか不安だった。しかし、社員一人一人が学生にも理解できるようにと専門用語をかみ砕いて説明したり、私たちの反応をうかがいながらゆっくりと話したりと様々な工夫を凝らし説明してくださった。終始このような姿勢がうかがえたので、社員教育がしっかりと行き届いていると感じた。実際に新入社員は3月から研修が始まり、仕事内容ではなく他企業と連携し人物育成プログラムからスタートされる。ここまでしっかりと業務内容だけでなく、人間性まで教育している中小企業は数少ないだろう。実際に会社のドアを開けた瞬間、社員全員が立ち上がり心地の良い挨拶をしてくださった。また工場見学をしているとき、各部署を見学するたびに必ず、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と声をかけてくださった。これだけで社内の雰囲気が良いのが伝わったと同時に、働きやすい環境ができていると感じることができた。
 一つ驚いたことがある。海外に多く関係を持っていることだ。社員に外国人が在籍していることは特に珍しくはない。インターンシップで外国人の受け入れをしていることや、アメリカに研修に行くなど最先端の技術を求める姿勢や発信する技術に感銘を受けた。また、社員と社長、会長の距離感も良い関係が築けていることが伝わった。若手社員の話もポジティブな話がほとんどで常に目標をもって仕事をしているそうだ。そのような環境がしっかりと整っているそうだ。話を聞いた女性社員は、もともと文系で英語を専攻していたが今は理系技術の業務をこなしている。ゼロからのスタートだったが、周りに助けられながら向上意識をもって楽しくこなしている、と話されていた。私も新しいことに挑戦することが好きなので、中央電機計器製作所にはとても良い印象を持った。

ご参考