2019年度海外インターンシップ ベトナムクラスの10名が、9月15日(日)にホーチミンから関西空港に無事帰国しました。
 日本では得難い様々な経験を積むことにより、一回り大きな人間となって帰国したと思います。今後、何回かに分けて参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第1回となります。

経済学部3年 松本 華歩 さん

 私は当初から希望していた通り、スパルタ営業職で経験を積むことができた。一日中事務所にいないことは当たり前で、事務所にいたとしてもお客様へのメールや商材勉強など息をつく間がないほど、時間をフル活用していた。そのこともあってか、一ヵ月という時間は私にとって一瞬の出来事だったように早く感じられた。私のインターン先でのミッションは契約をいただくことだ。日本で営業のアルバイト経験があった私は、契約をとる難しさや商材把握の大変さは想像できたが、企業の名前を使って営業を回ったことはなかったのでプレッシャーと責任感を感じていた。結果は何とか本契約を一件いただけたが、一件取るために多くの労力をつぎ込んだ。商材知識を何度も確認し、電話をかけまくりアポイントを取る。そしてお客様と対面し一生懸命に対応する。毎日がその繰り返しだった。また私をサポートするために多くの人が時間を割いて下さった。その期待に応えたい、ご恩を返したいという気持ちになり頑張れたのだと思う。本格的な営業職を経験してみて感じたことは、行動が一番大切だということだ。契約を取りたいとデスクで思っていても絶対にとれないし、お客様と対峙することなどデジタルに頼って電話やメールのみで済ませようとすれば信頼感は生まれない。まずは会いたい気持ちを伝え、自社商材を直接紹介する。この作業を通して信頼が生まれやっと契約していただけるのだ。私はこの一連の流れを何度も繰り返し、最終段階で契約をいただけないというのがなんどか続き、落ち込みそうにもなった。しかし実際には落ち込む暇などない。落ち込む時間があるなら行動するほうがはるかに学ぶことができるからだ。私はインターンシップを通して自分の意志で行動することの重要さと、それについてくる結果ややりがいを学んだ。
 生活面で驚いたことはベトナム人の貧富の格差だ。高層ビルに住んで健康的に学校へ通っている子供もいれば、親が道端で物乞いをしてその膝の上で生活している子供もいる。発展途上国ではよく見られる格差らしいが、実際に見たことがなかった私には衝撃的なものだった。上司に聞くと、レンタルで子供を借りて物乞いをしている大人もいるらしい。どんなに日本と環境が離れていようとも、子供に対する気持ちは変わらないものであってほしかった。ほかにも驚いたことはあるが私自身、保育士として子供と関わることが多かったのでかなりショックを受けてしまった。
 このようなベトナムの生活面も含めて将来の方向性がある程度固まった。私は日本で就職し、日本の製品を発展途上国などの海外へ売っていきたい。そして現地の人、子供たちに私が提供したものを利用してもらい、少しでも豊かに過ごしてくれるような未来に携わりたいと強く思う。そのために学生の間に英語力の向上や、世界情勢などの知識をつけて、将来のための準備していきたい。

経済学部 3年生 岩根 仁志 さん

 8月17日から9月15日の4週間、ベトナムのホーチミンでインターンシップを行なった。ベトナムインターンシップに参加した動機は、大きく分けて2つあり、1つ目は、もともと海外に興味があり、海外で起業したいという考えを少なからず思っており、起業するなら今から伸びる国、現状伸びている国がいいなと考えていた。しかし、実際にどのような仕事をするのか、詳しいことを知らない状態だった。その為、経済が伸びているベトナムで1ヶ月しっかり働く経験ができるこのインターンシップに参加してみたいと感じたからだ。2つ目は、海外で1ヶ月働いた経験が、今後どのような職業に就こうが活かすことができ、自分の成長のためになると感じた。この2つの理由からこのプログラムに参加した。
 インターンシップ先は日系企業の「IVS CO., LTD」というITの企業で、オフショア開発や現地の日系企業に対してSI事業を行なっている会社だった。仕事内容としては、契約がないホーチミン内やホーチミン付近の工業団地に進出している日系企業へテレアポを行い、アポイントが取れれば、社員の方に同行していただき新規開拓の営業をさせていただいた。
 テレアポで感じた事は、英語でのやり取りは今までなかった体験であり、慣れていないということもあり、難しく感じた。話す内容をメモに起こし、自分なりのトークスクリプトを作った。電話する中で、その都度感じたことを取り入れスクリプトを変える工夫をした。初めは、スクリプトのメモを読むだけだったが、工夫を重ね自分が言いやすい言葉やこの言い回しの方が良いなどを考えていく中で、スクリプトを見ずに話せるようになり、試行錯誤をしていくのが楽しく感じるようになっていった。
 また、アポイントに同行する中で一番大事な事は商品や会社の紹介ではなく、雑談であると感じた。今回私が任されていたのは新規開拓であり、見積もりや受注を受けることも大切だが、それよりも挨拶をし、まずは会社を知ってもらう、覚えてもらうことが大切で、今後受注をしてもらえるような形にすることが大前提であり、その中で、相手と仲良くなることが一番の重要項目だと感じた。相手と仲良くなるために、趣味や休日の過ごし方などを聞き、話を弾ませることが大事だと学んだ。同行させてもらった社員の方は相手の方の腕時計がスポーツ系のデジタル時計であることに気づき、「ゴルフをよくされるのですか?」と質問していた。視野を広く持ち、相手と話を弾ませるためのアンテナを張ることも営業のスキルとして必要なのだなと感じた。相手と仲良くなる上で、様々な知識や経験がなければ、話が膨らまず良いアポイントにはならないこともわかった。自分自身が多趣味であり、自分が経験した分だけ、新規営業では役に立つことを学んだ。
 次に大切だと感じた事は、その会社の現状とニーズがどこにあるのかを知る事で、ソリューションを提供することができるということである。IVSの営業ははただ物を売るのではなく、相手が今、必要としていることに対しての対策や解決策を提案し、それを形にしたものを提供するソリューション営業であり、ソリューションを提供する上で、相手の会社の現状やニーズがどこにあるのかなどを知る必要があり、知ることによって自分がするべき今後の行動が見えてくることを学んだ。
 仕事外でも代表から様々なお話を聞き、学ぶことや感じることが多くあった。その中でも一番印象に残っているのは、出身大学に誇りを持てるかどうかというお話で、代表の出身大学は世間的に見ると名門大学ではない。しかし、その経歴に負い目を感じるのではなく、誇りを持ち、大学への支援や自身の事業の成功などで少しでも恩返しができたら良いと話していて、深いなと感じた。その中で、出身大学が名門でないという事実も受け入れる必要があり、事実を受け入れた上で、誇りを持ち、自分ができる最大限の成果をあげることが大切だということを聞き、自分の中ですごく刺さるものがあり、印象に残っている。この代表の言葉から自分の今までの人生は変えることはできないし、選択したのは自分であって、後悔しても始まらないことを強く感じることができた。今までの人生を恥じることなく、自分ができる最大限のことに挑戦しなければいけないなと感じた。
 最後に、1ヶ月ベトナムという慣れない環境で仕事をした中で、一番に感じることは本当に参加して良かったなということで、参加しなかったら、できなかった体験や学びがたくさんあり、自分自身もう2・3ヶ月ベトナムで、IVSでお世話になりたかったなと感じている。ベトナムでお世話になった方々への最高の恩返しは、就活での結果だと思うので、自分がやりたい職業で一番良い企業に内定をもらえるように企業・業界研究をしっかりしていきたい。