中小企業が廃業する1つの理由に「後継者不足」がある。この事業では、元々は継ぐつもりがなかったものづくり中小企業を、何らかの理由で継いで、今では成功されている大阪市港区・大正区の若手社長4名を対象に、事業継承する前後の心境の変化を中心に三木ゼミ生がインタビューし、その内容を記事化する。これにより、中小企業を事業継承することの魅力を発信し、また事業継承する若手経営者にエールを送ることを目的に実施する。
今回、株式会社池田鉄工所の代表取締役・林幸代さんにインタビューをしてきました。株式会社池田鉄工所は、プラズマ切断機での切断から、穴あけ、曲げ、溶接、錆止め塗装、組み立てまでのワンストップ加工を得意とする会社です。
1.どのような経緯で今の仕事に就きましたか?
大学を卒業して、アパレル業界に就職しましたが、結婚を機に退職し、主婦業と夫の会社の町工場の手伝いをしていました。はじめは今の会社を継ぐつもりはなかったのですが、元々父の会社の手伝いをしていた母の体調が悪くなり、人手が足りなくなったので、父に手伝ってほしいと言われ、手伝うようになりました。
手伝っていくうちに会社の改善点に気付くようになった頃、父は周りに後継者が決まったと勝手に話を進められ、仕方なく継ぐことになりました。
手伝っていくうちに会社の改善点に気付くようになった頃、父は周りに後継者が決まったと勝手に話を進められ、仕方なく継ぐことになりました。
2.今の仕事で前職の経験が活きていることはありますか?
夫の会社の手伝いで効率良くしようとする考え方や子育てによって若い人の気持ちが分かるようになり、人との関わり方や社員の育成に活かせていると思います。
3.会社に対してどのようなイメージを持っていましたか?
儲けが少ない、発展の見込みが無いというイメージを持っていました。
4.実際に会社を継いで良かったと思うところはありますか?
フェスタに参加するに連れ、様々な考えを持った友人が増え、視野も広がりました。
5.会社を継いで苦労されたところはどのようなところですか?
職人でもなく、数少ない女性社長でもあったので職人さんや取引先の方などとの接し方や、父の高齢化が進み、もの忘れや感情のコントロールが難しくなってきているところや、私が機械を触れないので技術が無いので苦労しました。
6.会社を継いでみて気持ちの変化はありましたか?
継ぐ前は決算書を見たくなかったのですが、継いでからは危機感を感じ、会社を今よりも改善しようと思うようになりました。
7.今、どのような人が働いていますか?
社員10名のうち、3名がベトナム人です。繁忙期には、アルバイトも雇って簡単な作業を手伝ってもらっています。
8.どのような人材が欲しいですか?
優しくて大人しいという会社の雰囲気に合い、ハングリー精神を持っている人材を募集しています。
9.どのような人に継いで欲しいですか?
私自身、機械を触れなかったため苦労したので、後継者は技術がある人に継いで欲しいと考えています。
10.何歳まで続けようと考えていますか?
継いだ当初に比べて体力の低下は感じており、あまり長く続けるつもりはありません。しかし、決算が良くなるまでは続けようと考えています。
11.最後に、この会社を継いで良かったと思いますか?
良かったと思います。様々な経験が出来て、自分の人生が豊かになりました。
インタビューを終えて
今回のインタビューを通して、私達が1番に感じたことは社長が「人との関わりを大切にしている」ということだ。インタビューの中でも、林社長は社員さんとお客さんは財産であると仰っていた。社員との接し方についても、社長だからといって上から指示するのではなく、へりくだってお願いしている点から人との関わりを大切にされていると感じた。
また、様々な考え方を持っている人と繋がることで視野が広がったという点は、これからの私達に活かせる点であると気付くことが出来た。
取材日:2020年11月18日(水)
担当:沢埜 柊太、下河原 旭洋、土井 瑞奈、柳内 理沙、山本 航平(阪南大学経済学部三木ゼミ3年生)
また、様々な考え方を持っている人と繋がることで視野が広がったという点は、これからの私達に活かせる点であると気付くことが出来た。
取材日:2020年11月18日(水)
担当:沢埜 柊太、下河原 旭洋、土井 瑞奈、柳内 理沙、山本 航平(阪南大学経済学部三木ゼミ3年生)