2021年10月27日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、富田林市にある昭和スプリング株式会社を訪問し、代表取締役の北村勝博さん、営業管理グループ部長の田原聡さんからお話をうかがいました。
 昭和スプリング株式会社は昭和47(1972)年設立、板バネ(ステンレスバネ材)、金属プレス部品(特殊鋼等金属金型)の設計・製作を中心とした設計・開発型企業で、大手自動車メーカー、自動車部品メーカー、家電メーカー 等が主な取引先です。平成22年(2010年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミは今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部3年生 林 龍之介 さん

 今回のフィールドワークでは、富田林市にある昭和スプリングという会社に行かしていただいた。昭和スプリングという会社は主に線ばねや板バネを作成する。金属加工会社である。この世の中に存在する様々な便利なものの内部にこの線ばねや板バネが使われており、身近なものに使われていたというのを聞いた時にはとても親近感がわきました。例えば、家の中にある引き戸のクローザーには、この線ばねと板バネが使われていて、人が勢いで指を詰めてしまったりするのを防いでくれます。ほかにも、様々な生活の安全、便利にこの昭和スプリングさんの線ばね、板バネが使用されているのを知りました。
 次に、昭和スプリングさんの社内環境の特徴として、海外の人達の雇用を生んでいるということです。実際に付加価値をつくる責任感のある工場でもこの海外の方が日本の方と同じように仕事をされており、僕たちと同じ日本語で仕事をされていました。主に、ミャンマーやベトナム、フィリピンといった国の人たちが僕たち日本人と同じ現場で働いているそうです。また、若い女性や、障害をもった社会的弱者の方々も同じように働いており、今の時代に合った労働環境、会社の考え方が新しいものであるとこの昭和スプリングさんの社内環境を聞いて感じました。また、社内の平均年齢が30歳と若く、常に新しいく良いものは取り入れていこうという姿勢が見えてとても変化に多様な会社であるなとも感じました。
 実際に、会社で働く方のお話を聞いても、中小企業ならではである、社長との距離が近く、意見も通りやすく、働きやすく、やりがいを感じていることが多いとおっしゃっていた。入社後には、上司から社会人とはどういうものなのかについても分かりやすく教えてもらい、充分なコミュニケーションが取れているとおっしゃっていた。
 最後に、今回訪問させて頂いて社長のお話を聞いていく中で、最も心に残ったのが、今後自分が働いていく中で、仕事に対する考え方でお金や大企業という肩書など一般的に皆が追うものをもちろん見ることも大切であるが、最も大切なことは、その仕事をしていてやりがいを感じられるのかというお話をしていただいた時には、自分の中にあった仕事に対する考え方が大きく変化しました。今後、会社選びをしていく中での考え方に大きな変化が今回の企業訪問ではあったと思います。

経済学部3年生 河村 英隼 さん

 私は今回、大阪の富田林市にある昭和スプリング株式会社を訪問させていただいた。昭和スプリングでは引き扉やダウンライトなど私たちの生活で身近なものを作る際に使われる「ばね」を取り扱っている企業であった。説明では実際の製品を用いながらばねの様々な使い方を教えていただき、ものづくりの可能性を少し感じた。また、フィリピンに子会社があり、取引先も300社あるということから将来性のある企業だと考えた。
 昭和スプリングを訪問させていただいて印象に残ったことは様々な方が働いていて、若い世代が活躍できる企業であるということだ。昭和スプリングではフィリピンやミャンマーに社長が自ら足を運び自社で共に働く方を見つけてくることを行っているとおっしゃっていた。また、知的障害者の方が現場で付加価値を生む仕事に携わっているとおっしゃっていた。この様々な方が働いている企業ではたくさんの価値観やアイデアが出てくると考えるため、新しいことに挑戦する際などに非常に強い良い企業ではないかと思った。次に若い世代が活躍できることについてである。昭和スプリングでは現在28歳の高卒の方がマネージャーで企業を引っ張っていて、30代女性が生産過程を全て作っているとおっしゃっていた。このように、若い世代が企業を引っ張っているということは育成がしっかりしていることである。そして、育成がしっかりしていることで世代が引き継がれる際に企業がより良くなっていくと考えるため、良いと思った。
 もう一つ印象に残ったことは企業として成長しようとすることが非常に伝わってきたことである。昭和スプリングの社長が新しいことに挑戦しやすいことが私たちの強みであり、自分たちで会社を変えていくことが非常にやりがいに感じるとおっしゃっていた。中小企業は大企業より新しいことに挑戦しやすいが働いている人にそのつもりがなければ当たり前ではあるが挑戦はできない。しかし、昭和スプリングでは入社して間もない方がAmazonでの製品販売を一から行うといったこともあり、挑戦する意思が一人一人にあるように感じれた。そのため、仕事をしていて面白いと感じるのではないかと思った。
 今回の企業訪問では企業でどのような方が働いているかをしっかりと見るということをしました。働いている方々の年齢や考え方によってその企業がどのような企業か分かるということが今回の訪問を通して改めて分かった気がしました。

経済学部3年生 鈴江 亜衣 さん

 今回訪問した中小企業は、富田林市にある昭和スプリングという、金属プレス加工を用いて、板バネなどを製作している企業です。

 今回の訪問で、最も印象に残ったことは、社長北村様の経営者としての責任感の強さです。
会社説明や工場見学をしている中で、若い世代の社員が多いというお話がありました。正社員の平均年齢は33歳で、製造グループの主任や課長も30代の方が勤めておられます。また、生産計画の統括は30代女性が行っていたり、外国人の方も複数人働いていたり、中小企業ではあまり見られない光景だと感じました。また、知的障がいのある方を雇用し、健常者の方々とともに付加価値を生み出す業務を行っているそうです。このようなことを行うことについて、北村様は、雇用を生み出す責任として、会社を経営する上では大切なことであると、お話しされていました。
ほかにも、入社2年目の井上様は、最近は社長が会社にいることが多く、話をできる機会が多くあり、社長室に行く機会もあるとおっしゃっていました。また、コロナ禍での入社でできることが限られていた中でも、Amazonアカウントの開設を任せられ、やり遂げたとお話しされていました。入社1年目でこのように挑戦する機会を与えられることはあまりないと思うので、新入社員の育成や挑戦にも積極的なのだと感じました。

 今回訪問して、経営者の会社の事業や従業員に対する思いはもちろんですが、社会の動向をみて、雇用などについて考えられていることがわかりました。日本の人口は減少することが予測されており、労働力も減少するといわれています。その中で、若い世代の社員や女性社員、外国人労働者が積極的に活躍していることに、社長の会社を経営するということの責任感を強く感じました。また、社会的弱者といわれる方々を積極的に雇用し、清掃などの雑用的な雇用をするのではなく付加価値を生み出す業務を行ってもらうことはこれから会社を経営する中でとても重要な責任になると感じ、すでにそのようなことを取り入れていることで会社の将来性についても考えることが出来ました。

ご参考