2022年6月22日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、東大阪市にある勝井鋼業株式会社を訪問し、代表取締役社長の小島広臣さん他にお話をうかがいました。
 勝井鋼業株式会社は昭和32(1957)年創業、NC旋盤やマシニングセンタなどを用いて、金属の切削加工部品及び熱間鍛造製品を製作・販売しています。主に鉄道、印刷機械、エアツールメーカー向けに部品加工を行い、エアツールに関しては現社長がエアツールメーカーに修行に行き技術を身につけたことから、部品の調達から組立まで行い、完成品で納入することができます。令和3(2021)年には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

【経済学部2年生 山本 海月 さん】

 私は、今回の企業訪問で「宣伝の力」と「社内環境づくり」の2点が今の時代には重視されるのだと感じた。若い社員さんからベテランさん、社長さんなどのお話を伺ってそう強く感じた。また、この2点は、今まで訪問してきた企業にもあったが今回の企業先はそれによる影響を受けていた。
 まず、「宣伝の力」について話していこうと思う。私が思う他企業と異なる点は「YouTube」を率先として取り入れているところだ。クリエイターのような編集技術にこだわるのではなく、自分たちのできる範囲で編集している所やミスしたところも動画に使ってしまう所は、すごく良いとおもった。編集力でカバーされる部分も自らそういった動画としてアップすることで、その企業の味や魅力が視聴者にはすごく伝わると思ったからだ。実際にYouTubeに上がっている動画をみて魅力に感じた方が、この企業に入社したことを聞いて宣伝の力は必要であると強く感じることが出来た。
 また、この企業は中学・高校の修学旅行生に向けた工場見学も実施していると伺った。「製造業」という職業のなかで我々のような若い世代が持っている古いイメージを払拭するいい機会だと感じた。年齢層が高いことや男性が多いイメージのある製造業では、このような若い学生との交流を持つことで、次の時代の製造業のイメージを変えてくれると思うと同時に一種の宣伝力にもなると考えた。
 これら2つを実施出来るのも「社内環境」の良さから来るものだと思う。企業のマスコットキャラクターを作ろう!という社員からの意見を反映してイメージや名前を社内で募集して決めているところから意見などを発言しやすい環境にあると感じた。また、若い社員さん達に「この会社の良い点は何ですか」と聞くと、多数が「やったことをすぐに褒めてもらえる環境であるところ」と答えていただいた。すぐに褒めてもらえるということは次へのチャレンジ意欲に繋がったりモチベーションアップにも繋がることからこの様な社内環境づくりは大切であると実感した。
 社長さんの「社員みんなが幸せでワクワク楽しく仕事が出来る環境に」という目標もこの企業の良さに繋がっていると強く感じた。実際に、社長さんがこの様な想いを私たちにお話してくれたことや工場見学も自ら行ってくれたことからも強く自社への愛が伝わってきた。
 社員さんからのお話や社長さんからのお話で、宣伝することで多くの若者の従業員をキャッチ出来ることや製造業のイメージ向上に繋がることを身近に感じることが出来た。また、次回への意欲向上につながる環境や自社への愛から社内環境もすごく大切になることが分かった。

【経済学部2年生 田中 大智 さん】

1.はじめに
 今回私たちは勝井鋼業株式会社にお邪魔させていただいた。久々の企業訪問という事もあり、何とも言えない緊張感の中企業訪問を行った。他の会社とは違った勝井鋼業株式会社の良さを本レポートでしっかりと述べていく。

2.勝井鋼業株式会社の良いと感じた点
 今回、勝井鋼業株式会社で私はこの会社の良い点を三つ発見することができた。まず1つ目は先月の不良データを簡単に表にまとめ、みんなの目に留まり易い場所にホワイトボードを設けて張り出していた点である。このようにして各月ごとのクレームの件数が分かることで仕事へのモチベーションがかなり変わってくると思うので非常に良い取り組みだなと感じた。これと少し似てはいるが納期遅れもグラフを表にしてホワイトボードに張り出していた。これも先ほどと同様、今月は納期をしっかりと守れるように頑張ろうというモチベーションにもなると感じました。
 そして2つ目は毎月標語を作成し、様々な月間を作っている点です。勝井鋼業株式会社では頼られ隊やエコ隊などが存在しており毎月掃除などの仕事が割り振られていた。こうした取り組みが功を奏し、社内が非常に綺麗に保たれているのではないかと感じた。
 そして3つ目はwebサイトにとても力を入れていた点である。今まで見てきたどの企業よりも見やすく色彩豊かで非常に見やすいホームページだった。自社の強みや会社の雰囲気など入社する際に必要な情報がとても分かり易くまとめられていた点も好印象であった。

3.終わりに
 今回の企業訪問で私は若い世代の力がとても活用されていると感じた。上司だけが会社を運用していくのではなく、我々とあまり歳の違わない、社員の方々が様々な工夫を凝らして自社の強みを発信していくところが非常に印象に残った。自分たちの方法で大切な場所をPRしていけることに今までのどの企業よりも魅力を感じた。

【経済学部2年生 藤原 寿莉 さん】

 今回、私たちは「勝井鋼業株式会社」に訪問した。初めに出迎えてくださった方がとても、丁寧に挨拶してくださった。その後、企業説明をしてくださる部屋に案内して頂き、勝井鋼業の紹介パンフレットを渡してくださった。そのパンフレットには会社の皆さんの笑顔が沢山写っていた。その真ん中に大きく笑顔で写っていたのが、最初から丁寧に挨拶で出迎えてくださった方だった。私は「この人が社長なのかもしれない」と勘付き、その後、その方から私たち生徒に1人ずつ名刺を渡してくださったときに、「代表取締役」という文字を目にし、社長だとはっきり分かり驚いた。それだけでなく、そのまま社長さんが企業説明をしてくださり、工場案内もして下さった。私が思う社長のイメージとは大きくかけ離れていた。
 この社長さんには素敵な方だなと感じた場面がいくつもあった。特に素敵だと感じたのは、企業説明をしてくださった時に、「勝井鋼業ではYouTubeで動画も投稿している」とおっしゃっており、拝見するとほとんどの動画に社長さんご自身が出演しているということだ。動画投稿は、社外の知り合いにアドバイスを貰い始めたということだが、そのアドバイスを聞き入れ、実際に取り入れようとするその低姿勢さと、行動力がとても素敵だと感じた。そして動画以外にも、中高生の修学旅行生を受け入れて工場案内していたりなど、加工企業のことを知ってもらおうとする姿勢もとても魅力的だと感じた。
 勝井鋼業では、「ありがとう・改善ポイント」というものがある。日頃の感謝の気持ち、ありがとうを相手に送ったり、仕事の改善点をアピールすることでポイントが貰え、3ヶ月に一度表彰がある。これは勝井鋼業の経営理念の一つでもある、「お互い助け合い感謝する」ということに繋がっていると感じた。
 今回勝井鋼業を訪問して、もうとても良い会社という印象だが、若手社員が入ってきたりしたのが、ここ5年程だそうでマニュアルが作成中だったりと、やることがまだ沢山ありそうな感じだった。なのでそれらがどんどん完成されていくと、今よりもっと素敵な、大きな企業になっていくんだろうなと明るい想像ができた。

【ご参考】