2023年4月26日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は東大阪市にあるMOBIO(モビオ)を訪問しました。
 MOBIOは、大阪府がクリエイション・コア東大阪に開設した、府内全域の中小ものづくり企業のための「ものづくりの総合支援拠点」です。 平成22年4月に大阪府ものづくり支援課もここに移転し、まずます充実したものづくり企業の支援を実施しています。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生としては6年連続の訪問であり、今後課題解決型ゼミとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」事業を推進していく上で必要となる、大阪の中小企業に関する基本情報を学ぶことができました。
 以下に、今回の校外学習における学生たちの「気づき」の一部を紹介します。

経済学部2年生 中谷 優花 さん

1. はじめに
 4月26日に東大阪市の「クリエイションコア東大阪」を訪問した。大阪府商工労働部ものづくり支援課による「大阪のものづくり中小企業に関する講義」を聞き、「MOBIO常設展示場」の見学をした。

2. 大阪のものづくりの歴史
 8世紀ごろ、金属を溶かし鋳型に流し固める河内鋳物師が盛んであった。全国シェア率は8割ほどあり、奈良の大仏や鎌倉の大仏に使用されていた。
 近代から現代には、綿花、紡績、繊維産業と変遷し第一次世界大戦後には「東洋のマンチェスター」ととばれていた。

3. 中小企業の定義
 中小企業基本法第2条では、製造業だと資本金3億円以下または従業員数が300人以下と定義されている。資本金2億円、従業員数500人の製造業者、資本金5億円、従業員数200人の製造業者のいずれも「中小企業」となる。

4. 大阪のものづくり中小企業の現状
 5年に一度の調査によれば、大阪は事業数全国2位。従業員数全国2位と集積が高いことが分かる。過去ずっと大阪が1位に位置していたが、前回2018年の調査で愛知県に抜かされてしまった。大阪の事業数は全国の約8%を占めるが年々減少傾向にある。
 東京や愛知県は製造品が一定の分野に偏っているが、大阪は満遍なく製造している。「歯ブラシからロケットまで」が大阪のものづくりの強みである。

5. 大阪のものづくり支援体制
 2拠点でものづくり中小企業を支援している。1つ目はMOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)であり、ビジネスマッチングを中心に支援している。2つ目は、地方独立行政法人大阪産業技術研究所であり、技術的な支援を中心に実施している。
 国内最大200ブースのMOBIO常設展示場があり、中小企業の最新技術・製品を展示している。技術相談窓口を受付に常設し、最新のものづくりに関する情報を入手して企業とのマッチングができる。
 大阪製ブランド認定制度が導入されている。大阪ブランドは府内のものづくり中小企業の優れた技術に裏打ちされた創造力にあふれる製品を大阪府知事が「大阪製ブランド製品」として認定する制度で、大阪のものづくりのブランドイメージを高めるとともに自社製品開発の取り組みを促進する。11年間で139製品を認定した。

6. 感想
 大阪で作られている小さな部品が新幹線に使用されていたり、海外の高速道路に導入されていたり、企業間での製品だけでなく消費者向けの実用性に富んだアイディアまで幅広い分野の製品が作られていて楽しく学ぶことができた。講義内容もどれも聞いたことがないものばかりでMOBIOという名前も知らなかった。より良いものを開発するための努力が知ることはできて新鮮な気持ちになった。このゼミに入らなければ聞くことができない貴重な講義だと感じた。

経済学部2年生 吉本 昂生 さん

 今回、ものづくりビジネスセンター大阪へ訪問見学に行き、大阪中小企業のものづくりの歴史から実際に大阪の中小企業がどのような技術でどのような製品を作っているかを詳しく教えていただいた。
 自身は中小企業というものに対してネジや電化製品のパーツなどを作っている企業、くらいのイメージしか抱いてなかったため、消しゴムやクレパス、フィギアなど身近なものが大阪の中小企業が作った製品だと知って衝撃を受けた。それまで自身は大企業がこういった商品を作り、中小企業はそれらに必要なパーツなどを作っていると思っていた。しかし、実際は日々使っているような極々身近な製品から、宇宙に打ち上げられたロケットの部品まで、注意深く観察してみると、大阪中小企業の方々が生み出した製品や技術は身の回りにあふれていた。自身と離れている気がした中小企業は、こんなにも身近な場面で自分たちを支えてくださっていたことに、初めて気がついた。
 また、企業製品の展示ブースに実際、自分が使用していたものを何個も見つけた。例えば小学生時代流行していた任天堂DSのソフトを仕舞うケースや3DSのカバーなどは当時、同じ製品を使っていたので懐かしい気持ちと同時にその時からすでに大阪のものづくりに触れていたのだと驚いた。同様の企業のブースにあったトレーディングカードケースやフルプロテクトスリーブに至っては今まさに使用しているものだったので、衝撃であり今も常に大阪中小企業のものづくりに支えられているのだと強く実感した。
 他にも、偶然いらっしゃっていた企業の社長さんからお話を伺うことができた。実際に製品を作る過程やその難しさ、製品開発にかける思いと苦悩、そんななかで手作業のものづくりにこだわる理由や抱いている情熱について熱く語っていただいた。とても特別な経験をさせていただいたと同時に、大阪中小企業が携わっているものづくりへの姿勢や情熱を直接目の当たりにして、心が震えた。
 最後に、ものづくりビジネスセンター大阪への訪問見学を通して、自分の中にあったものづくりや大阪の中小企業へのイメージが大きく変わった。自分がこれまで見てきたものは全体のほんの一部に過ぎず、詳しく見ていく中で、自身の生活は目に見えない小さなことから大阪のものづくりに支えられている事に気づいた。この気づきは今後の大学生活の中で、とても貴重な経験になりました。

経済学部2年生 鈴木 翔太 さん

 4月26日、中小企業のMOBIOへフィールドワークに初めて行かせいただき、私は、中小企業の現状について学ぶことが出来ました。また、MOBIOがどのような中小企業として活動をしているのか、MOBIOの必要性や、ものづくりについて深く知ることが出来ました。また、ものづくりの中小企業の歴史、ものづくり企業の課題、ものづくり支援体制、どのような作業があるか、どのような企業なのかを詳しく説明して頂き、多くの中小企業や、ものづくりなどの知識が多くつきました。
 MOBIOは、ビジネスマッチングを中心に支援したり、中小企業の総合相談、ものづくり中小企業の外部連携をコーディネートなどの活動をしています。私がMOBIOの活動で1番驚いたのは、MOBIO常設展示場です。そこでは、国内最大級の200ブースの常設展示場に中小企業の最新技術・製品を展示していました。また、ビジネスマッチングの場として国内外より多数の方々が来場しています。そして、技術相談窓口を受付に設置し、最新のものづくりに関する情報を入手して企業とのマッチングも出来ます。
 このようなMOBIOの活動を知り、私は、このようなひとつの場所に行けば、多くの他の企業との情報交換や、交流ができる場所を作り出したMOBIOにとても感心しました。また、MOBIO Caféという場もあり、そこでは、中小ものづくり企業が普段、出会うことの無い異業種、大学、大手メーカー、行政、団体などとの出会いの場を提供していて、中小ものづくり企業に出会いの場を提供し変革と挑戦をサポートしていることにMOBIOの存在は、中小企業にとってとても大切で必要不可欠のようなものだと感じました。
 そして、実際にこのMOBIO常設展示場を見学させていただき、私が中小企業の責任者だったら絶対ここに展示させていただきたいと思いました。また、何の知識もない私が見ていてもとても分かりやすくこの中小企業がどのような形でどのようなものを作っているのかが分かりやすく説明されているだけでなく、実際に触ったり、使ってみたりすることが出来、楽しみながらその企業の良さを感じることが出来ました。
 私はこれらから、MOBIOの良さや、凄さを感じることが出来ただけでなく、中小企業の活動や歴史について深く学ぶことが出来ました。この経験を、私はこれからの就職活動や、将来就職してからなどに活かしていきたいと思います。