「三木ゼミ生が魅力ある就職先と考える大阪のものづくり中小企業」

 2023年7月5日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大東市にある河陽電線株式会社を訪問し、代表取締役の小笹睦博さん他にお話をうかがいました。
 河陽電線株式会社は1955年創業、屋内用ビニル電線やプラグ・コネクター付きの電源コードまで一貫生産を行っています。また独自の「導電性を持つ塩化ビニル素材」で被覆したワイヤーを開発し、埋設管検知の作業性向上に寄与しています。令和4(2022)年には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2・3年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 鈴木 翔太 さん

 7月5日、中小企業の河陽電線株式会社さんへフィールドワークに行かせて頂きました。私は、そこで河陽電線株式会社さんがどのような製品を作っているのかや、どのような仕事内容があるかなどを教えていただいただけでなく、河陽電線株式会社さんの働いている人の人柄、やりがい、目標、事業の将来性などについて詳しく教えて頂きました。
 河陽電線株式会社さんは、ビニルコードや、ビニルキャブタイヤケーブルや、自転車用コードなどの電線を作っているだけでなく、安全プラグカバー「ザ・スパッツ」というコンセントのプラグにつけ、トラッキング現象による火災を防ぐ製品も製造されている企業です。私たちは、製品の中で特に安全フラグカバーザ・スパッツについて深くお話を聞きました。この製品を作って理由について社長さんは「今、多くの人はコンセントからトラッキング現象による火災が発生するという知識があるひとがまだ少なく、家電製品を買ってから掃除しない人が多いと思われます。そこでこの安全フラグカバー「ザ・スパッツ」をつけていただくだけでトラッキング現象が起こらなくなるので私たちが製造した製品でなくてもいいので、多くの方につけていただき、少しでも悲しい事故を減らしたい」という思いを話していただきました。
 また、社長さんや、社員さんから河陽電線株式会社さんについてのお話だけでなく、私たちがこれからどのような人種が求められていてどのような就職活動を行っていけばいいかなど多くのアドバイスを教えて頂き、これからの自分残りの大学生活を有意義な時間にしようと改めて決意できました。
 私が河陽電線株式会社さんへフィールドワークへ行かせて頂き、学び感じたことは、まず、普段使っているコンセントから火災が起きるかもしれないということにとても驚き、すぐにこの安全フラグカバー「ザ・スパッツ」をつけようと思いました。また、それだけでなく、社長さんの多くの方にこのトラッキング現象について知ってもらい自分たちの製品じゃなくてもいいので火災に備えて頂きたいという熱い思いにとても感動しました。また、このフィールドワークを通して学んだことや、社長さんや、社員さんから学んだことをしっかりこれからの大学生活や、就職活動に活かしていきたいです。

経済学部2年生 山中 夏妃 さん

 今回は、河陽電線株式会社様に訪問しました。河陽電線株式会社は、普段日常生活で使う電気製品の電線や、差しっぱなしのコンセントにホコリが溜まり、湿気が含まれると漏電し火事の原因になるのを防ぐための安全プラグカバー「ザ・スパッツ」の加工などを主に行っている会社です。説明や実際に働いている様子を見て、普段身の周りにあるものはたくさんの努力と経験で作っていることを知りました。
 企業訪問の中で感じたことは、電線は普段使っている電気機器に使われているだけだと思っていましたが、水道工事では塩ビ管・PE管など非金属埋設管は地表からの探知が困難であるため、埋設管の探知用としてロケーティングワイヤーを管路に沿わせて施工することで、ケーブル探知機による埋設管の位置・深度が容易に探知できるため、掘削工事を迅速かつ正確に行える導電性を持つ塩化ビニル素材のワイヤーを独自の研究で開発に成功していることを知りました。
 実際に働いている様子を見て感じたことは、一階は電線を作ったり組み合わせたりして、一番驚いたことはできた電線を巻く作業で、スピードが速いのに正確で均等に巻いていると同時に手の感覚で電線に異常がないかを確認している様子はとてもすごかったです。巻くぐらいなら簡単にできそうかなと思いましたが、習得するには約3年かかるらしく慣れること、たくさん練習することが必要だと教えてもらいました。また、ほかの大きな会社は機械に任せているところが多いが、河陽電線株式会社は手作業でしているので短い長さでも対応が可能なので、頼まれることも多いと教えていただきました。
 二階は一階で出来た電線を加工や、安全プラグカバー「ザ・スパッツ」の梱包やいろいろのことをしていました。
 最後に、電線にもいろいろ種類があり、日常生活だけではなく水道工事や自動車の部品などにも使用されていることを学びました。会社の周りが住宅街なので匂いや音が迷惑になるので、工場地帯に引っ越したいが今の会社の主戦力はパートの方なので引っ越しをした時に、付いてもらえる人が少なくなってしまうので今の会社の近くで探していることや、河陽電線株式会社の安全プラグカバーザ・スパッツでなくてもいいので、一人でも多くの人に存在を知ってもらい一軒でも火事を少なくしたいと明確な目標があって素晴らしいと思いました。

経済学部2年生 金城 寧々 さん

1. はじめに
 今回三木ゼミで河陽電線株式会社に訪問しました。河陽電線株式会社は、私たちの日常生活で使用しているコンセントのビニル電線を製造している会社です。日常生活に使用している商品の例を挙げると、テレビやドライヤー、充電器など電気を利用するものに使用されています。
2. 印象に残ったこと
 1つ目は差しっぱなしのプラグが原因で発火するというトラッキング現象です。コンセントに差し込んだプラグ周辺に、ほこりや湿気などが付着する、それによって、差し込みプラグの刃の間に電流が流れ、放電が起り、発火する。このことを知った私は、実際に、家の中で差しっぱなしのプラグを確認しました。すると、少しほこりが付着しており、普段見える部分ではないためこまめに掃除をすることやプラグ用のカバーをつけておくことが重要なのだと分かりました。今回知った私以外の人々にもプラグの差しっぱなしの状態に危機感を持ち、不慮の事故を無くして欲しいと感じました。
 2つ目は製造している室内の温度です。河陽電線株式会社では1つ1つの工程で手作業が多く、「完璧にできるようになるには3年はかかる」と聞き、高い技術力が必要なのだと感じました。機械の温度が180度まで上がることから、夏場は室温が約45度になり逆に、冬場は白い息が出るほどの寒さで、マイナスがつくほどの温度になるという温度差に私は驚きと過酷な作業だと感じました。私は中学生の頃、軟式のテニス部に所属していました。日差しがきつく、気温も暑い中や手が凍りそうなくらい寒い冬でも外でも部活をしていました。学校まで私は少し距離があり、徒歩で約30分かけて通っていました。毎日部活中も登下校時も暑さと寒さに耐えながら過ごしていました。しかし、その当時でもしんどいと感じていた私以上に仕事となるともっと過酷なのではないかと感じました。
3.最後に
 河陽電線株式会社は、地球環境に優しい企業づくりを目指し、電線を通じて、人々に安心、安全を届けるものを作っていきたいという意志を強く感じました。私たちが当たり前に使用できている製品には製造している人々の思いが込められており、何事もなく安心して使用できていることに感謝しなければならないと思いました。また、私たちにはまだまだやりたいことを実行できる時間があります。そのため、自分のしたいこと興味のあることには頭の中で考えることや思うことだけで終わらせずに自分自身にある可能性を広げ、実行していこうと今回の企業訪問で感じました。

ご参考