「三木ゼミ生が魅力ある就職先と考える大阪のものづくり中小企業」

 2023年10月4日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、八尾市にある錦城護謨株式会社を訪問し、業務統括部総務課・企画課課長の内藤淳一さん、業務統括部企画課の歌野百音さんにお話をうかがいました。
 錦城護謨株式会社は昭和11年創業、白物家電・OA関連機器等に使用されるゴム部品の製造販売、ETCゲートに使われる車両センサー、軟弱地盤改良工事の設計施工、福祉関連事業を主な事業内容とする企業です。平成22年(2010年) には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 金城 寧々 さん

1.はじめに 
 今回、錦城護謨株式会社へ企業訪問に訪問しました。錦城護謨株式会社の名前の由来として、大阪城の別名から日本一の会社になりたいという意味から名づけられました。錦城護謨株式会社は、ゴムのものづくりである製造業や土木の土地づくりである建設業、福祉の空間づくりなど私たちの生活で目にしたことのある場所で役立っています。
2.印象に残ったこと
 1つ目は私たちが当たり前に生活で使用し、目にしているものを製造しているということです。例えば、毎日ご飯を炊くために使用する炊飯器やテレビなどのリモコンのボタンの部分、視覚障碍者の人たちのための歩行誘導ソフトマットなどが例として挙げられます。その中でも私が興味を持ったのは視覚障碍者の人たちのための歩行誘導ソフトマット「歩導くんガイドウェイ」である。私の知っている視覚障碍者を誘導する製品は黄色の凹凸のある点字ブロックです。しかし、錦城護謨では表面がフラットのものを現在製造しており、病院や空港など室内施設に設置されていると知りました。マットに色のコントラストを利用することで目的地のある方向を指す矢印を示し、視覚障碍者の人たちだけでなく、誰もが共存できるように工夫されています。実際、私の元バイト先であるスーパーで地面によく場所を聞かれるトイレットペーパーなどの画像を印刷し、床に貼って分かりやすく工夫していました。しかし、それだけではわからない人も多いと感じたため、錦城護謨株式会社で製造しているマットはとても人々の役に立つものだと感じました。
 2つ目は2020年に誕生したKINJO JAPANで提案され、商品化している「シリコーンロックグラス」です。ガラスと同様の透明度を持つシリコーンゴムでできた機能性に富んでいるものです。実物の見た目はガラスであるが、実際に触れると軽く、ゴムでできており、素晴らしい商品だと思いました。小さい子供でも落として割れる心配もなく使用することができ、プラスチック製のコップよりおしゃれに使えると感じました。
3.最後に
 このことから私は当たり前に使用し、目にしているものには沢山の人たちの提案や工夫があり、私たちの生活を豊かにしているのだと改めて気づくことができました。将来、誰もが日常生活で不自由なく生活できる社会に日本だけでなく、世界にも発信し、それぞれの魅力が伝われば良いと感じました。

経済学部2年生 木村 優耀 さん

  今回、錦城護謨株式会社にフィールドワークを行いました。ここでは、ゴムの製品を作る事業をはじめ、土木事業、福祉に関連する事業を行っている企業です。
* 概要
 錦城護謨株式会社は大阪府八尾市にある中小企業です。従業員数は286名で中小企業の中では従業員が多い中小企業です。ここでは主にゴム製品を作る事業、土木事業、福祉と幅広い業界で活躍している企業です。またKINJO JAPANというブランドでシリコーンロックグラスを販売している企業です。
* 感想
 最初に、錦城護謨株式会社はゴムで製品を作る企業だと思っていました。ですが聞いていると土木作業で現場仕事をしたり、福祉関連の事業で歩行誘導ソフトマット「歩導くんガイドウェイ」というものをつくったりしていると聞いて、物凄く色々な業界で活躍している企業だなと感銘を受けました。またゴム製品も日用品だけでなく、オリンピック選手が使う水泳帽や医療品まで作っており、この企業はまだまだ活躍できるところが見込める優れた企業だと感じました。その上作業の自動化をする方向でいるらしく将来性が十分に感じられる企業だと感じました。
 また、人事評価制度においては、具体的に目標を記し達成できるかどうか自身で設定する目標達成シートというものもあります。このようなものがやりがいややる気につながっていると感じました。
 さらに会社内の人間関係も良好のようでした。実際に若い社員さんたちとの面談で仲良さげに話すところを見れました。そしてイベントをするのが好きな錦城護謨株式会社と聞いたので親睦を深められる環境も整っていると感じました。このおかげで業務内容の中でわからないことがあればどのようなことでも気軽に聞けると仰っていました。そのような環境はどの企業も見習うべき部分だと感じました。
 錦城護謨株式会社は総じて優秀な企業だと感じます。私が何か製作する会社に就きたいと考えていれば、この企業を視野に入れると思います。そして新しいことにも挑戦する会社と聞いたので新しいことをしたい人はこの企業では働きやすいと思います。私は将来就く仕事の中で人間関係が整っている会社に就きたいと考えています。錦城護謨株式会社のような人の温かい場所に就けるように将来の参考にします。

経済学部2年生 吉本 昂生 さん

 錦城護謨株式会社へ企業訪問に伺い、複数の業界への事業開拓や社内の雰囲気、新しい事を進んで行っている事など、社員の方々からお話を聞かせていただきました。
 企業に訪問させていただき、強く印象に残った事が二つあります。それは、ゴム製品のみならず土木や福祉関連の事業など、三種もの事業に注力していた事です。自分の持つ中小企業のイメージとして、一つの事業について突き詰めていくのが中小企業というイメージがあり、事実、他社と比較しても新規事業として全く違う業界にも進出している事は衝撃的であると同時に、新しい事に進んで挑戦する姿には感銘を受けました。
 二つ目は、社員の皆さんが口をそろえておっしゃっていた、「新しいことに挑戦できる会社」という言葉です。一つ目の時にも挙げた、他業界への事業拡大もそうだが、社員のスキルアップにも率先して取り組まれており、常に進化を続けている企業なのだと知りました。
 また、実際に作業場見学や社員の方々から話を聞いていく中で、とても記憶に残っていることがある。それは、社員間の空気の良さです。部署や取り組みが異なる中でもこまめにコミュニケーションを取られていると感じる場面が多く、実際社員の方々曰く、質問しやすい空気、挑戦を後押しする雰囲気がしっかりと完成されており人間関係も良好だと聴きました。
 人材育成に関しても、入社前教育から始まり一年目から三年目までしっかりと実践形式の研修や地方OJTを行うなど、丁寧な対応だと感じました。
 最後に、錦城護謨株式会社への企業訪問と社員の方々との交流を通して、錦城護謨株式会社の魅力はもちろんのこと、様々なことに挑戦していく姿勢や社員間の風通しの良さ、職場環境のすばらしさを肌で感じることができました。企業としても、「社会に必要とされるモノづくり」を掲げて、ゴム製品の制作から培ってきた技術を福祉や土木に活かし、社会の為に活躍されている姿には強く心を揺さぶられました。今回の企業訪問で、学んだ事や経験を自身の就職活動や今後の学生生活の中で困難にぶつかったとき活かそうと思います。

ご参考