「三木ゼミ生が魅力ある就職先と考える大阪のものづくり中小企業」

 2024年6月19日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、和泉市にある協和ステンレス株式会社を訪問し、代表取締役社長の延近尚子さん、製造部部長の吉田秀隆さん他にお話をうかがいました。
 協和ステンレス株式会社は昭和61年(1986年)設立、食品や医薬品・重化学分野など、あ
らゆる製造現場で用いられる継手やバルブの製造・加工・販売を行う会社です。平成22年(2010年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部3年生 金城 寧々 さん

1. はじめに
 今回三木ゼミで協和ステンレス株式会社に訪問した。協和ステンレス株式会社は、ステンレスサニタリーを製造している会社である。ステンレスサニタリーはあらゆる分野で活躍している。食品や医療をはじめ、化粧品、化学、二次電池、半導体といった分野で多く使用されている。
2. 印象に残ったこと
 1つ目は私たちの生活で飲んでいる牛乳やジュースを作る工場の設備に必要なステンレスのパイプなどの製品であるということである。食品や薬など人の口に入ることから、衛生面に留意した清潔なステンレスにするためにピカピカになるよう磨いていると知った。少しでも磨きが不十分であると、バクテリア等が食品などの中に含まれ、人々の体に害を与えてしまうことから一つ一つ丁寧に磨き、洗浄検査をしていると分かった。機械だけでなく、1つ1つ手作業で製品の品質を確認したり、検査したりと様々な役割があることに改めて気づいた。
 2つ目は研磨の具合によって、表面の触り具合が異なることである。実際にその製品を触らせてもらうと、凹凸具合が異なっていた。また、鏡のように映っているなど見た目でも異なる部分があって興味深かった。こだわっている部分は見た目だけでなく、製品の重さにも力を入れていると知った。どうしても重くなってしまうところをいかに最小限の重さにできるのかと工夫や研究を重ねていると知った。私自身、製品を手に持つ機会はなかったので軽いと言われているものでも重く感じた。
3. 最後に
 今回の企業訪問で私は一つの製品を完成させるにはさまざまな工程があり、丁寧に作り上げていることを知った。そして、人々が安心、安全に使用したり、口にしたりできるものを届けようという想いで製造されているのだと感じた。以前、自社のステンレスサニタリー製品を使用し地ビールを製造販売していることを知った。その地ビール難波で居酒屋を開店させ、ふるまっていたが、現在は、その居酒屋は閉店してしまった。これから色々な場所で協和ステンレス株式会社によって製造された製品が日本だけでなく海外でも活躍してほしいと思う。

経済学部3年生 木村 優耀 さん

 今回、協和ステンレス株式会社にフィールドワークを行いました。この企業ではステンレス製品を製作し販売を行っています。
* 概要
 協和ステンレス株式会社は大阪府和泉市に本社を置いている企業です。東京、静岡、九州、そしてインドネシアに営業所や工場置いています。従業員は94名です。主にステンレスの製品を自社で企画から製作、洗浄までを行っています。JISやISOを取得している優れた企業です。
* 感想
 私が今回フィールドワークを行い感じたことは、電解研磨というステンレスの技術を知りました。この技術を使うと他のステンレスよりも表面を平らに作ることができより綺麗に作り上げられるという技術です。このように突出した技術を用いてなおかつ、より高度な製品を製作しているので、多方面の業界に製品を任されられていると見受けられました。
 また、働く環境も整っていました。オフィスがきれいで整理整頓もされており、工場の中も散らかっているところもほとんどありませんでした。商品も一個1個丁寧に包装されていて『この商品はここに置くという』ような、売られる商品が多い中でも商品をばらばらに置かず適当な位置に整理整頓されていました。さらに清潔面だけではなく人間関係も良好なよう思えました。工場見学をしている時に従業員同士がコミュニケーション取って業務をこなしているところが見られました。先輩にも困ったことがあれば気軽に質問できる環境と伺い、まさに良好な人間関係で仕事ができる環境だと感じました。また代表取締役社長の方も従業員と雰囲気良く会話をしていました。社長と年に1回、上司と1回の個人面談があるようでそこで個人的に今後やりたいことや相談なども気軽にできるようです。このような社長自ら社員のことを思った行動をしていることが、働きやすい環境を構成している根本的な理由だと感じました。
 最後に、高い技術を持ち労働環境も整っているうえで社員一人ひとりの業務に対する熱意があります。日々のお客様とのコミュニケーションを大事にしたり、検査・梱包・出荷を安全にかつスピーディー行う努力もしたりしています。私も仕事に就いたらこのような志のような意気込みを持ち合わせて働けるような人材になります。

経済学部3年生 山中 夏妃 さん

 今回は、協和ステンレス株式会社に企業訪問しました。協和ステンレス株式会社の主な事業内容としては、食品、飲料、医療、化粧品、化学、半導体といった関係のサニタリーパイプや継手、バルブといった製品の企画から設計、製管、研磨、そして洗浄に至る全工程を自社で行っている会社です。全ての工程を自社で行う事ができるため、既存の製品だけでなく一からお客様に提案することもでき、コストも削減できる点が強みだと感じました。
 若手社員の方のお話を聞いて感じたことは、年に1回社長、上司と面談があり、自分のしたいことや、将来どのように成長していきたいのかを発言できる環境が整っていて、社員の提案を否定するのではなく、失敗してもよいので挑戦できる、背中を押してくれる会社なので、働きやすいと感じました。
 工場を見学して感じたことは、パイプは見たことがあるので想像ができたが、日常生活では完成した状態なので、板状の状態から徐々にパイプの円形になっていき、1050℃で熱した後は強度を保つために急冷させるなど、一本のパイプが出来上がるのにとてもゆっくり丁寧に製造されていることを知りました。
 研磨は粗さの違う、やすりで削っていき、削る前でもきれいだったが削る前と後では見比べてみると、つるつるで鏡のように輝いていました。
 最終チェックなどは機械などを使用せず、人の目で見たり自身の体重をかけたりして、たくさん機械があるが人の目で確認しているのが、とても印象的でした。
 電解研磨技術は、食品や医療といった衛生管理が求められる現場で活躍しており、少しでも傷や溝が残っているとそこに汚れや細菌が溜まることで人の体に影響を及ぼす原因になるので、とても大切な工程だと感じました。
 最後に、お話を聞いて普段の日常生活の中に使用されていることが多い部品を製造する会社なので、自分自身が製造した製品が人の役に立っていると目に見えるところにやりがいがあり自分の仕事に責任を持てるところが良いところだと感じました。

ご参考