有限会社 レッグニットテックを訪問しました(経済学部三木ゼミ 2年生)

 2015年7月8日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、松原市にある有限会社レッグニットテックを訪問し、アカウントマネージャーの柿ノ木明美さん、アートディレクターの石川緋紗子さんよりお話をうかがいました。

レッグニットテックは1994年創業、事業内容は
1. 3D商品企画、デザイン制作、生産、販売
2. その他ソフトコンテンツの企画開発
などです。
 今回は独自の3D表現技法の開発と商品企画を行うクリエイティブ事業部の内容を中心にお話をいただきました。その3D表現技法は高く評価されており、ディズニーをはじめ、福井県立恐竜博物館(恐竜シリーズ)、宇宙航空開発研究機構(小惑星探査機「はやぶさ」)、サンリオ(ハローキティ)、東映アニメーション(ワンピースシリーズ)などとの取引やライセンス契約を持つ優良企業です。また、元々が家電製品組立業であったことから、クリエイティブ産業でありながら「ものづくり」を大切にする会社であり、通常の3Dのように写真(平面)をCGで加工するのではなく、実際に手作りのジオラマ撮影を行うことにより他の3D商品にはない臨場感のある奥行きの深い立体を作り出しています。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。

3D商品に対する見方が変わりました 2年生 阪上優里菜

 今回、私たちは有限会社レッグニットテックを訪問しました。
 レッグニットテックが創業してしばらくは、靴下の生産及び家電製造の下請けを主な業務内容としていました。しかし、将来の成長性を考慮し、大阪芸術大学とのコラボで3D商品を開発生産することになり、これが現在のレッグニットテックの始まりと言えます。現在はディズニーやハローキティ、恐竜シリーズなどの3D商品を作っています。
この会社の3D商品を作る方法には大きな特徴があります。一般の3D商品は原画(平面)を画像処理して立体化するケースがほとんどですが、レッグニットテックでは、実際に立体のフィギュアやジオラマを作成し、それを様々な角度で記録することで一般の3D商品にはない、深い奥行きを実現しています。一連のご説明の中でフィギュアを作る工程についても説明していただきました。フィギュアを作る時には、資料を基に様々な種類の粘土などを使ってキャラクターの形を作っていきます。着色も全部手作業で行います。一つの工程を終える毎に監修を受けながら製作していきます。
 私が一番印象に残っているのは、実際にフィギュアを作っているところを見学させていただいたことです。私たちが行った時は3人ほどで作業していましたが、どの方もミリ単位での作業でした。製作途中のフィギュアを見せていただきましたが驚くほど細かい部分まで手作業で製作されていました。何年もこの作業を行っている人にもお話をうかがいました。何年もこの職を担当しているとかなり繊細な作業も任されます。見学させていただいた時はフィギュアの指を作っていましたが本当に細かい作業でちょっとでも力の加え方を間違えたりすると1からやり直しになりそうなくらい大変な作業に見えました。
 今回レッグニットテックへ訪問し、様々なことが分かり感じられることが出来ました。いつもなら何気なく見ている3D商品も訪問で作り方を知り、大変さを知った分見方が変わりました。

日本のデザイン技術の高さを、身をもって知ることができました 2年生 松井大輔

 今回私たちは松原市にある、3D商品製作企業のレッグニットテックへ訪問させていただき、商品はどのように作られるのか、企業の方のお話と見学を交え理解を深めました。
 レッグニットテックは3D商品の企画、製造、販売、企画デザイン事業、立体アニメーション事業などに取り組まれている企業です。私たちは始めに3Dポストカードについてのお話を聞きました。3Dポストカードとは、その名の通り、薄いポストカードなのですが、技術によって絵柄に奥行きをつけ、立体感を表現したポストカードです。そのデザインの作成においては、粘土を用いて実際に人の手によりポストカードに表現したいデザインを造形物として造り上げることから始まります。ではどうやって薄いポストカードに立体感をつけているのかというと、仕上げたデザインの入った紙の上に細かな凹凸の入ったレンズの2枚を重ね、ピントを合わせる事によって立体感を生み出しており、簡単なモノになるとレンズ自体に絵を映し1枚で済ますことも出来るそうです。また、凹凸の入ったレンズはロット毎に凹凸がずれてしまうため、ロットが変わる度に絵を毎回細かく調整しているそうです。実際に3Dポストカードを拝見しましたが、レンズの凹凸のあまりにもの細かさに驚き、ロットごとに絵を調整していると考えると技術力の高さをうかがい知ることができました。私たちはお話を伺った後、3Dポストカードのデザインの元となる粘土の造形物を製作する現場を見学しました。製作は全てアナログ式で、細部1つ1つ丁寧に人の手によって製作されていて、機械では表現できないものもあるのだと実感し、繊細な技術力の高さを改めて実感しました。また、今回見学した製作現場には世界的に有名なキャラクターが沢山製作されていて、それら全ては、ライセンサーと協力しあって製作されており、細かいキャラクターの規定を全て満たし、ライセンサー監修の商品として販売していること知り、デザインに対する誠実さやこだわりの高さ、また、企業が他の企業とどの様なやり取りを行うのかを垣間見ることができた貴重な経験になりました。
 今回の訪問でものづくり企業の魅力、技術力の高さを実感できた良い機会でした。また、大阪にはすぐれた製造業が多種多様に存在しているので、今回の訪問により、より多くの企業について調べたいと思いました。

松原から日本全国へ 2年生 山田恭歌

 今回私たちは、有限会社レッグニットテックを訪問させていただきました。
 レッグニットテックは大阪府松原市を拠点に、3D商品の企画・製造・販売や、立体アニメーションなど様々な事業に取り組む会社です。もともと創業当初は靴下を作りながらシャープなどの家電の下請けをしていたとのことです。しかしこのまま下請けでは将来の経営が難しく、メーカーにならなければという思いから大阪芸術大学と産学連携し、学生2名と3D商品を作り始めたことが現在のレッグニットテックの始まりだったそうです。今は主にディズニーやハローキティ、恐竜シリーズなどの3D商品の制作をしておられます。
 3D商品の創作過程を一部拝見させていただきましたが、それはかなり地道な作業でした。まずは立体で造形物(フィギュア)を作り、写真を大量に(約100枚程度)撮影、その写真をオリジナルのコンピューターソフトに組み込み、最後に特殊なレンズと合わせるというのが一連の流れだそうなのですが、これらはすべて人の手で作業されています。作られているのは3Dのポストカードが主なのでなかなか「ものづくり」だとは思われないそうなのですが、商品化までの過程を見ればそれは完全に「ものづくり」でした。
 監修という点では、キャラクター毎に細かい規定や判断基準があり、フィギュア製作の工程ではパーツの比率やポージングなどチェックは細部に渡ります。フィギュア製作は、樹脂や粘土などを主に使用し、服には布を使うなど異素材を用いることで手作りならではのやわらかい立体感やリアルな空間を作ることができます。ひとつひとつが気の遠くなるような途方もない作業だと感じました。
 ここまでの話や実際の作業・商品を見てすべてが新鮮で馴染みがなく、感動しきりでした。特に面白いなと思ったのが、フィギュアを作る人によってやはり顔も違ってくるという話でした。私たち素人から見ればその違いや特徴がまったくわからなかったのですが、見る人が見れば雰囲気で誰がこのフィギュアを作ったのかわかる程特徴があるそうです。レッグニットテックの方々が毎日仕事に真剣に向き合っている結果だと思いました。
 ここで作られているポストカードは南河内の郵便局1局で販売し始めたそうですが、現在は全国の郵便局約3000局で販売されていると聞き驚きました。私は中小企業に訪れたのが初めてでしたので、こんなに身近にある企業がこんなに素晴らしいものを生産しているということを知りませんでした。今回私は、いいものを作っているのは大企業だけではないと改めて実感させられました。

拘って制作できる職場 2年生 椎葉昌也

 私たちは7月8日に有限会社レッグニットテックを訪問させていただきました。事前に社名だけ聞いていて靴下などを作られているのだろうと想像していたのですがジオラマを基に3D商品を企画・製造・販売などを取り組んでらっしゃる会社でした。3Dを使った商品を作られていると聞いたときはなにか既存の画像などを、ソフトをつかって3D加工、または3D CGソフトによって新たなモノを制作し販売されているのかと思っていたのですがなんとフィギュア・小道具などの原型・背景を手作業で制作し商品を製造しているとのことでした!
 制作場を少しだけ見学させていただいたのですが少数精鋭の大阪芸術大学出身の方たちによってフィギュア、小道具がつくられている最中でした。仕事としてプロが制作されているところを目にするのは初めてで単純にすごいと感じましたし、創作意欲が少し刺激されました。ひとつひとつのパーツを集中して拘りながら作っていく姿はさすがでした。特にすごいなと思ったのはキャラクターをちょいちょいと粘土で肉付けしながら関節、腕の長さ、体格などのバランスをとりその形であることが全く不自然にみえなくなっていく様でした。私は描くことばかりやってきたので原型作りは詳しくないのですが創作することであるのは同じですし似通ったモノがあると思います。展示されていた完成されているジオラマは商品としたなら高値で売れるのだろうな、と失礼ながら拝見させてもらった時思ってしまったのですが、それくらい素人目でもわかるくらい細かく丁寧に作られ、その世界の場景をリアルに表現されている作品ばかりでファンの方にとても好評なはずです。許されるなら直に教えていただいて時間をかけてひとつ作ってみたいです。
 3D商品の他にストップモーション・アニメーションを何作か制作されているとのことで聞いた時はおぉそこまでやっていらっしゃるのか、と驚嘆しました。クレイアニメーションの「ひつじのショーン」や「ニャッキ!」のように背景も道具もすべて主に粘土でできており、キャラクターの表情を場面に合わせて組み替え1コマ毎に造形物に手を加えて撮影することで表情豊かにし自由な動きをしていました。クレイアニメはセル、CGアニメと違って撮影の手間がかかるし、造形物が型崩れすることがあるのでこちらもとても大変だと思います。
 今回レッグニットテックを訪問できてとても良かったです。スタッフの皆さんは和気藹々としていて時間をかけて細やかにつくられた商品にとても自信・誇りを持っていらっしゃる様子でこういう会社で働いてみたいなと感じました。私は好きなことが絵を描くことを主とした創作活動、創作された作品の観賞なので居心地が良かったです。好きなことを得意なこととして仕事できるように私も努力しなければならないです。

【ご参考】