公共サービスパッケージ・中原ゼミナールのご紹介
阪南大学経済学部のホームページをご覧の皆さん、こんにちは。経済学部の中原です。
さて、これまで私は、この阪南経済NOWのページで、自分が専門とする研究分野の紹介をしてきました(ご興味がおありの方は過去のバックナンバーをご覧ください)。
今回は、そうした研究の紹介から少し離れて、経済学部における日常の学びの風景を切り取って、皆さん方にお伝えしたいと思います。
さて、これまで私は、この阪南経済NOWのページで、自分が専門とする研究分野の紹介をしてきました(ご興味がおありの方は過去のバックナンバーをご覧ください)。
今回は、そうした研究の紹介から少し離れて、経済学部における日常の学びの風景を切り取って、皆さん方にお伝えしたいと思います。
ご承知のように、本学の経済学部は二年次から9つのパッケージに分かれて専門課程に進みます。私は「公共サービス」というパッケージに所属しており、これは主に公務員を目指す学生が所属するゼミナールです。
公務員といってもいろいろありますが、私のゼミでは、地方公務員、警察官、消防士を目指す学生が多いのが特徴です。したがって、体育会クラブに所属している学生も多く、元気あふれる学生ばかりです(演習風景については写真をご覧ください)。
では、そうした目標を共有している学生はゼミで何を行っているのでしょうか?
もったいをつけましたが、実は他のゼミとほとんど変わりありません。基本的に一冊の本を分担して読み通すこと、それを皆の前で報告すること、これの繰り返しです。そして長期休暇中には、公務員試験に必須の科目を自学自習(あるいは学内講座を受講)し、休み明けに模試を受ける,といった具合です。簡単なようで実は継続する精神力がなければなかなか難しいことです。
どこにでもあるゼミの風景のようですが、実は、本ゼミでは一風変わったやり方をしています。というのも、「その時々で話題になった本をたとえ難しいものであっても取り上げてそれを読み切る」という手法をとっているからです。今年は話題の本、トマ・ピケティーの『21世紀の資本』(ミネルヴァ書房)を読んでいます。600頁を超える大著であるこの本を読了するのはなかなか大変です。でもゼミ生たちはそれこそ必死になってこの本を読んでいます。
でもここで疑問がわきます。つまり、ピケティーの本を読んで公務員試験に役立つのだろうか,というのがそれです。
実はこの話題の本は、単なる経済学の本ではありません。というのもこの本は、ヨーロッパやアメリカの歴史や文化についての話がふんだんに取り入れられている一種の教養本でもあるからです。でも、経済学の話だけでも難しいのに、なぜそんな歴史や文化まで学ぶのでしょうか?その答えは、公務員試験にそれらが出題されるからだけでなく、公務員にとっては幅広い教養を持った上で広く社会を見る目を持つことが大切だからです。
グローバル化が叫ばれる時代において、真に必要なことは英語が話せるようになることではありません。真に必要なことは、まず自国の文化と歴史をしっかりと日本語で理解したうえで、他国のそれらをも理解すること、次にそうした知識を持って、他の国々の人々と仕事をするとき相手を尊重しながら意見を戦わせることができる力を持つことです。お互いの社会を理解した上で、つまり互いの文化を尊重し合いながら、合意点を見いだすことができる人物。これが真の国際人だと私は考えています。実際、日本のビジネスマンはそうした教養に欠けている人が多いために、外国での会食のときでも、ビジネスの話ばかりをすると言われています。その国についての教養を披露すれば、会話はもっとはずにもかかわらず、です。だから際幅広い教養は、ビジネスの世界では絶対に外すことができないのです。
これは、公務員にとっても必要なことです。地方公務員でも外国人に対応しなければならないでしょうし、警察官や消防士でも事情は同じです。そのときにその国のことを何か知っていれば、その人にとって何かしらいい対応をできるかもしれません。だからゼミでは、他国の歴史や社会を徹底的に理解するよう指導しています。孫子曰く「彼を知り、己を知れば百戦して殆うからず」、ですね。
何か説教くさい話になってしまいました。最後に、ゼミ生の声を列挙して、今回のお話を終わりたいと思います。
公務員といってもいろいろありますが、私のゼミでは、地方公務員、警察官、消防士を目指す学生が多いのが特徴です。したがって、体育会クラブに所属している学生も多く、元気あふれる学生ばかりです(演習風景については写真をご覧ください)。
では、そうした目標を共有している学生はゼミで何を行っているのでしょうか?
もったいをつけましたが、実は他のゼミとほとんど変わりありません。基本的に一冊の本を分担して読み通すこと、それを皆の前で報告すること、これの繰り返しです。そして長期休暇中には、公務員試験に必須の科目を自学自習(あるいは学内講座を受講)し、休み明けに模試を受ける,といった具合です。簡単なようで実は継続する精神力がなければなかなか難しいことです。
どこにでもあるゼミの風景のようですが、実は、本ゼミでは一風変わったやり方をしています。というのも、「その時々で話題になった本をたとえ難しいものであっても取り上げてそれを読み切る」という手法をとっているからです。今年は話題の本、トマ・ピケティーの『21世紀の資本』(ミネルヴァ書房)を読んでいます。600頁を超える大著であるこの本を読了するのはなかなか大変です。でもゼミ生たちはそれこそ必死になってこの本を読んでいます。
でもここで疑問がわきます。つまり、ピケティーの本を読んで公務員試験に役立つのだろうか,というのがそれです。
実はこの話題の本は、単なる経済学の本ではありません。というのもこの本は、ヨーロッパやアメリカの歴史や文化についての話がふんだんに取り入れられている一種の教養本でもあるからです。でも、経済学の話だけでも難しいのに、なぜそんな歴史や文化まで学ぶのでしょうか?その答えは、公務員試験にそれらが出題されるからだけでなく、公務員にとっては幅広い教養を持った上で広く社会を見る目を持つことが大切だからです。
グローバル化が叫ばれる時代において、真に必要なことは英語が話せるようになることではありません。真に必要なことは、まず自国の文化と歴史をしっかりと日本語で理解したうえで、他国のそれらをも理解すること、次にそうした知識を持って、他の国々の人々と仕事をするとき相手を尊重しながら意見を戦わせることができる力を持つことです。お互いの社会を理解した上で、つまり互いの文化を尊重し合いながら、合意点を見いだすことができる人物。これが真の国際人だと私は考えています。実際、日本のビジネスマンはそうした教養に欠けている人が多いために、外国での会食のときでも、ビジネスの話ばかりをすると言われています。その国についての教養を披露すれば、会話はもっとはずにもかかわらず、です。だから際幅広い教養は、ビジネスの世界では絶対に外すことができないのです。
これは、公務員にとっても必要なことです。地方公務員でも外国人に対応しなければならないでしょうし、警察官や消防士でも事情は同じです。そのときにその国のことを何か知っていれば、その人にとって何かしらいい対応をできるかもしれません。だからゼミでは、他国の歴史や社会を徹底的に理解するよう指導しています。孫子曰く「彼を知り、己を知れば百戦して殆うからず」、ですね。
何か説教くさい話になってしまいました。最後に、ゼミ生の声を列挙して、今回のお話を終わりたいと思います。
ゼミ生の声
新 大夢(ゼミ長)
「このゼミの特徴は,演習と感じないくらいの「和やかなムード」です。先生の面白いようで面白くない高度なギャグ(教養がないと笑えないギャグ)で、常に皆の笑顔が絶えません。もちろん、勉強となるとほとんどの学生が公務員を目指しているので、集中して演習に臨んでいます。また定期的に懇親会を催すなどして、ゼミ生の絆を深める活動もしています。」
杉村 祐弥(副ゼミ長)
「このゼミの最大の特徴は、ゼミ生一人一人が自ら考えることを第一義においているゼミであるということです。中原先生はとにかく明るいので演習も楽しく受けることができ、いつもあっという間に演習の時間が終わってしまいます。」
吉田 僚太郎(副ゼミ長)
「将来の自分の目標に対して、もう1ランク上を目指したくはありませんか。ゼミ内では一般常識や社会で役立つ知識が毎回話題として取り上げられ、まさに盛り沢山の1時間半です。兎に角実力をつけたいというならば、中原ゼミはそんな向上心のある人の力になります。」