西洋(経済学部教授)の論文“A two-sector Kaleckian model of growth and distribution with endogenous productivity dynamics”がEconomic Modelling,Vol.88,June,pp. 223-243に掲載されました。
マクロ経済学では,しばしば,集計モデルといって,経済全体でまったく同質の生産要素を投入して,まったく同質の生産物が産出されるモデルを構築し,国内総生産などの決まり方を考えます。本学学生の皆さまが私の授業で学ぶモデルは,この集計モデルです。
このモデルは,マクロ経済変数の決まり方を直截的に説明できる利点があります。しかし,性質が異なる生産物や生産要素の存在,産業間の投入・産出関係などを分析することができません。実際の経済が,多くの産業や様々な生産物から構成されていることを踏まえると,集計モデルで理解できる現象には,限界があります。
そこで,私の研究では,工場や設備などもっぱら資本財として使われるものと,衣食,余暇などもっぱら消費財として使われるものを,別々に生産する二つの産業を区分したモデルを構築しました。これによって,集計モデルでは理解できなかった景気循環の発生メカニズムや,賃金や利潤への所得分配が,産業別に利害対立をもたらす効果をもちうることを解析的,かつ数値計算的に明らかにしました。
マクロ経済学では,しばしば,集計モデルといって,経済全体でまったく同質の生産要素を投入して,まったく同質の生産物が産出されるモデルを構築し,国内総生産などの決まり方を考えます。本学学生の皆さまが私の授業で学ぶモデルは,この集計モデルです。
このモデルは,マクロ経済変数の決まり方を直截的に説明できる利点があります。しかし,性質が異なる生産物や生産要素の存在,産業間の投入・産出関係などを分析することができません。実際の経済が,多くの産業や様々な生産物から構成されていることを踏まえると,集計モデルで理解できる現象には,限界があります。
そこで,私の研究では,工場や設備などもっぱら資本財として使われるものと,衣食,余暇などもっぱら消費財として使われるものを,別々に生産する二つの産業を区分したモデルを構築しました。これによって,集計モデルでは理解できなかった景気循環の発生メカニズムや,賃金や利潤への所得分配が,産業別に利害対立をもたらす効果をもちうることを解析的,かつ数値計算的に明らかにしました。