日本では、高齢者が寿命を迎えることにより死亡者数が増加し、人口が少なくなっていく多死社会という局面を迎えつつあります。死亡者数は今後も増え続け、2040年でピークを迎えます。そして今、高齢者の多くが病院などの医療機関で最期を迎えていますが、今後、病院だけでは日本の多死社会を支えることが困難になると予想されます。
国は病院ではなく、自宅で最期を迎える在宅看取りを推進し、この状況を乗り切ろうと考えており、在宅療養支援診療所(以後、「在支診」と略す。)を創設しました。在支診とは、居宅で療養する患者からの連絡に24時間対応することができ、その求めに応じて24時間往診または訪問看護の提供や手配ができ、緊急時に入院できる病床を常に確保している診療所のことです。そして、国は在支診に在宅看取りの促進を期待しています。
しかし2040年、死亡者数がピークを迎えるとき、現存の病院や在支診などの医療機関で高齢者の終末期医療をカバーすることはできるのでしょうか。医師数や医療機関の急増が見込めない中、いずれ医療資源は限界を迎え、終末期医療を支えきれなくなることが懸念されます。それでは、どういう対策があるのでしょうか。一案として、現存の医療資源を有効フル活用することが、今後の終末期医療で求められていると考えます。
今回、診療所の医師と訪問看護ステーションの看護師が連携して、効率的に在宅医療を行うことを目指し、医師と看護師の連携を促進するための他職種他機関連携アプリを開発し、実証実験第1弾を実施しました。
国は病院ではなく、自宅で最期を迎える在宅看取りを推進し、この状況を乗り切ろうと考えており、在宅療養支援診療所(以後、「在支診」と略す。)を創設しました。在支診とは、居宅で療養する患者からの連絡に24時間対応することができ、その求めに応じて24時間往診または訪問看護の提供や手配ができ、緊急時に入院できる病床を常に確保している診療所のことです。そして、国は在支診に在宅看取りの促進を期待しています。
しかし2040年、死亡者数がピークを迎えるとき、現存の病院や在支診などの医療機関で高齢者の終末期医療をカバーすることはできるのでしょうか。医師数や医療機関の急増が見込めない中、いずれ医療資源は限界を迎え、終末期医療を支えきれなくなることが懸念されます。それでは、どういう対策があるのでしょうか。一案として、現存の医療資源を有効フル活用することが、今後の終末期医療で求められていると考えます。
今回、診療所の医師と訪問看護ステーションの看護師が連携して、効率的に在宅医療を行うことを目指し、医師と看護師の連携を促進するための他職種他機関連携アプリを開発し、実証実験第1弾を実施しました。
他職種他機関連携アプリとは、どういうものかを上の図を用いて説明します。まず居宅で介護を受けている患者がいて、その患者宅に訪問看護ステーションの訪問看護師が訪問看護のために訪れます。そこで他職種他機関連携アプリを用いて診療所内にいる医師がオンライン診療を行い、スマートフォンやタブレットを通してリアルタイムに患者の容態を把握し、適切な処置を看護師に伝えます。看護師は医師からの指示に従って処置を行い、処置内容等を脈拍や血圧などの基礎データとともにアプリに入力します。入力内容を送信すると、診療所内にいる医師のもとに診療録となって出力されます。また、看護師は訪問看護終了後に訪問看護記録を記入しなければならないのですが、訪問看護記録もこのアプリに入力して送信することで完成されるというものです。また、同時にアプリは処方箋作成ができる機能も有しており、薬局に送る処方箋も自動的に作成することが可能となります。処方箋を受け取った薬局からは、ドローンもしくは郵送にて患者宅に薬が届くというのが他職種他機関連携アプリのシステムの全体像です。
他職種他機関連携アプリは、本学経営情報学部の前田利之教授のご協力のもと作成しています。今回のフィールドワークでは、和歌山県伊都郡かつらぎ町の前田医院、そして本学保健室の仲村渠看護師にご協力をいただき、西本ゼミ3年生とともに実証実験第1弾を実施しました。
他職種他機関連携アプリは、本学経営情報学部の前田利之教授のご協力のもと作成しています。今回のフィールドワークでは、和歌山県伊都郡かつらぎ町の前田医院、そして本学保健室の仲村渠看護師にご協力をいただき、西本ゼミ3年生とともに実証実験第1弾を実施しました。