本活動は、いちき串木野市の食のまちづくりを事例に、食を中心として、地域や社会の在り方について、国際的・歴史的視野を含めて総合的に考察する力を養うことを目的としています。
鹿児島は古くからアジアと日本の結節点にあたり、外国貿易や肉食が一般に禁止されていた江戸時代も琉球を通した貿易を行っていたほか、黒豚と鶏を食していました。また、火山灰が多い地質のため、水稲には不向きですが、サツマイモや桜島大根の生産には向いているなど、独自の気候、土壌、地理的条件から独自の食文化が育まれています。現在でも農業生産、特に畜産は全国2位を誇る一次産業の盛んな地域であり、阪南大学のある大阪府とは大きく異なります。その一方、農業の担い手不足や六次化への対応などの問題も生じています。
いちき串木野市では、農業、漁業の魅力を伝え、この魅力を生かしたまちづくりに取り組んでいます。座学で学び、現地に行き、学生がこれらの取り組みを知ることにより、食と農と自分たちの生活について、調べ、考え、自分の意見を発表する力を身に着けることができました。
鹿児島は古くからアジアと日本の結節点にあたり、外国貿易や肉食が一般に禁止されていた江戸時代も琉球を通した貿易を行っていたほか、黒豚と鶏を食していました。また、火山灰が多い地質のため、水稲には不向きですが、サツマイモや桜島大根の生産には向いているなど、独自の気候、土壌、地理的条件から独自の食文化が育まれています。現在でも農業生産、特に畜産は全国2位を誇る一次産業の盛んな地域であり、阪南大学のある大阪府とは大きく異なります。その一方、農業の担い手不足や六次化への対応などの問題も生じています。
いちき串木野市では、農業、漁業の魅力を伝え、この魅力を生かしたまちづくりに取り組んでいます。座学で学び、現地に行き、学生がこれらの取り組みを知ることにより、食と農と自分たちの生活について、調べ、考え、自分の意見を発表する力を身に着けることができました。
学生活動状況報告
定藤ゼミでは、食と地域社会について、1年を通して学びを深めました。鹿児島は焼酎や黒豚など、独自の食文化があります。文献調査を通して、調べたことは以下のとおりです。
1、鹿児島の気候としろくま(かき氷)
地理的条件、人口変化など鹿児島の基本情報
2、鹿児島の食の産業 ボンタンアメを事例に
鹿児島特有のお菓子 → 全国で販売 → 他の地域のご当地お菓子も製造
3、鹿児島の黒豚→食生活の欧米化と黒豚のブランド化(→六次化)
4、鹿児島のつけあげ→郷土料理、ヘルシーフード
食と健康に対する価値観の変化
9月には実際に鹿児島で研究合宿(フィールドワーク)を行いました。
1日目は、いちき串木野市役所で、食のまちづくりについて、講義をいただいた後、物産館や焼酎蔵をめぐりました。いちき串木野市はマグロやサワーポメロ、焼酎といった特産物に恵まれ、それを使ったお菓子なども生産されています。しろくまや黒豚、つけあげ(さつま揚げ)を実際に食べましたが、非常においしかったです。
2日目は、ゼミでの文献調査の内容を鹿児島国際大学経済学部経営学科の西宏樹先生のゼミとの共同ゼミで発表させていただきました。西先生からは、鹿児島の人でも知らないことをよく調べられているとのお言葉をいただきました。
合宿から帰った後は、鹿児島での経験や鹿児島で得た知識を踏まえ、さらに研究を進めました。
1、鹿児島の気候としろくま(かき氷)
地理的条件、人口変化など鹿児島の基本情報
2、鹿児島の食の産業 ボンタンアメを事例に
鹿児島特有のお菓子 → 全国で販売 → 他の地域のご当地お菓子も製造
3、鹿児島の黒豚→食生活の欧米化と黒豚のブランド化(→六次化)
4、鹿児島のつけあげ→郷土料理、ヘルシーフード
食と健康に対する価値観の変化
9月には実際に鹿児島で研究合宿(フィールドワーク)を行いました。
1日目は、いちき串木野市役所で、食のまちづくりについて、講義をいただいた後、物産館や焼酎蔵をめぐりました。いちき串木野市はマグロやサワーポメロ、焼酎といった特産物に恵まれ、それを使ったお菓子なども生産されています。しろくまや黒豚、つけあげ(さつま揚げ)を実際に食べましたが、非常においしかったです。
2日目は、ゼミでの文献調査の内容を鹿児島国際大学経済学部経営学科の西宏樹先生のゼミとの共同ゼミで発表させていただきました。西先生からは、鹿児島の人でも知らないことをよく調べられているとのお言葉をいただきました。
合宿から帰った後は、鹿児島での経験や鹿児島で得た知識を踏まえ、さらに研究を進めました。
経済学部 藤野 颯太、片井 奨、仲西 授、堀中 瑛久(出席番号順)
参加学生一覧
内田 美咲、
反保 実咲、
松井 瞳英、
藤野 颯太、
山下 圭吾、
片井 奨、
仲西 授、
堀中 瑛久、
尾崎 仁哉
ゼミ集合写真
連携団体担当者からのコメント
株式会社スタジオグッドフラット
市村 良平 様
いちき串木野市は、食を特色としたまちづくりを進めるため、平成22年に「食のまちづくり条例」を制定し、平成23年から10年間におよぶ「食のまちづくり基本計画」の第1期を進めてきました。この10年の間でも少子高齢化や急速な人口減少、それに伴う担い手不足等さまざまな変化が起こっています。その時代の変化のなかで、あらためて地域の資源や課題を整理し、よりよい未来となるように第2期の基本計画を検討しています。
「食」に関する産業はどこでも行っているテーマですが、地理的な特性や育まれてきた文化、取り組み等を加えてみると、一つとして同じ状況にある地域はありません。そのことに対して市民の皆さんが誇りを持ち、地域外へ発信していくことが、地域経済の活性化や食育・健康増進等につながっていることを学生の皆さんにお伝えさせていただきました。
「食」に関する産業はどこでも行っているテーマですが、地理的な特性や育まれてきた文化、取り組み等を加えてみると、一つとして同じ状況にある地域はありません。そのことに対して市民の皆さんが誇りを持ち、地域外へ発信していくことが、地域経済の活性化や食育・健康増進等につながっていることを学生の皆さんにお伝えさせていただきました。
教員のコメント
経済学部
定藤 博子 准教授
定藤ゼミ2回生は、行ったこともない鹿児島の食べ物について調べるところから始まりました。最初は、興味を持った食べ物について調べただけでした。それが、徐々に、食べ物と気候、食べ物と歴史、食べ物と産業がつながっていきました。
例えば、ボンタンアメの製造会社はセイカ食品という鹿児島市の企業ですが、ボタンアメシリーズの「瀬戸内レモンアメ」も生産しています。これは、基本的に中国・四国地方でしか販売しない、いわゆるご当地のお土産になるような商品です。ボンタンアメ生産の技術や生産設備が、鹿児島だけでなく、他の地域の経済も回しているのです。
また、黒豚については、日本の高度経済成長期には、白豚に押されていたものの、味や品質への要求が高まることによって、黒豚のブランドが確立し、生産量の増加につながっていきました。人口増加や人々の食への意識の変化と生産者のつながりを知ることができたように思います。
合宿では、いちき串木野市の取組をご説明いただき、食をテーマにしたまちづくりについて知ることで、農業と食、食と市民生活について、考える機会をいただきました。農業と都市生活の関係性を見学したことより、農業や食文化の重要性を勉強することができました。また、同年代の鹿児島国際大学の西ゼミの学生さんとの交流により、鹿児島の特徴だけでなく、自分たちの住んでいる大阪、奈良、兵庫の特徴にも気が付くことができたように思います。
例えば、ボンタンアメの製造会社はセイカ食品という鹿児島市の企業ですが、ボタンアメシリーズの「瀬戸内レモンアメ」も生産しています。これは、基本的に中国・四国地方でしか販売しない、いわゆるご当地のお土産になるような商品です。ボンタンアメ生産の技術や生産設備が、鹿児島だけでなく、他の地域の経済も回しているのです。
また、黒豚については、日本の高度経済成長期には、白豚に押されていたものの、味や品質への要求が高まることによって、黒豚のブランドが確立し、生産量の増加につながっていきました。人口増加や人々の食への意識の変化と生産者のつながりを知ることができたように思います。
合宿では、いちき串木野市の取組をご説明いただき、食をテーマにしたまちづくりについて知ることで、農業と食、食と市民生活について、考える機会をいただきました。農業と都市生活の関係性を見学したことより、農業や食文化の重要性を勉強することができました。また、同年代の鹿児島国際大学の西ゼミの学生さんとの交流により、鹿児島の特徴だけでなく、自分たちの住んでいる大阪、奈良、兵庫の特徴にも気が付くことができたように思います。