瀬野ゼミでは、今年度のキャリアゼミ活動の締めくくりとして、2年生ゼミ(専門演習1)の最終日である1月28日(火)に、最終報告会を実施しました。6月に連携先であるエル・ライブラリーでの見学会(実習含む)での学びを踏まえ、後期は労働にまつわるテーマを学生自ら設定し、班ごとに調査とプレゼンの準備を重ねてきました。2024年12月15日の社会政策ゼミナール大会(大阪経済大学にて開催)での報告を経て、更にブラッシュアップさせたものを、この最終報告会で披露しました。
エル・ライブラリーの谷合佳代子館長にお越しいただき、報告と質疑応答が行われました。谷合さんからは、「資料の出典を明示すること」等の報告の基本事項についての指摘から、どうすれば労働にまつわる諸問題に接近できるのか、具体的なアドバイスをいただきました。また、突っ込んだ内容を行った班とは、少しばかりディスカッションのようなやり取りも行われ、次の学びに繋がる内容となりました。なお、この報告会に先立ち、ゼミ生のレポートを収録した「活動報告書」を寄贈し、エル・ライブラリーにも所蔵されることとなりました。
      

      




 

学生活動状況報告

経済学部 2年 外野 佑樹

1つピックアップしプレゼンテーションの準備を進めてきました。その過程で「議論の重要性」に気がつきました。それは、ただ各々情報を集めて終わるのではなく、班で意見を交換することによって多角的に物事を捉え、新しい視点を得ることに繋がったからです。
 そして今回、本番を迎え谷合館長にお越しいただき発表を聞いていただきました。普段プレゼンテーションを聞いてもらう機会が少ないため緊張しました。しかし、各班事前に準備をおこなっていたため個性が色濃く現れたプレゼンテーションになっていたと感じました。また、発表後には質疑応答の時間が設けられ谷合館長から鋭い質問や貴重なアドバイスをいただきました。中には、企業事例やデータを駆使し論理的に説明できていると高い評価を受けていた班もあり半年前から準備した甲斐があったと実感しました。一方で、プレゼンテーションを通して課題が浮き彫りになったと感じるので今後の改善点を学ぶ貴重な機会になったと思います。
 このゼミ活動を通して、私は人にプレゼンテーションを聞いてもらう機会が少なかったので準備に苦労しました。しかし、班で議論する大切さを理解することができました。今後もこの経験を活かし、成長できるように精一杯努めてまいります。
また、このような貴重な機会を与えていただいた谷合館長、瀬野先生、誠にありがとうございます。

連携先コメント

大阪産業労働資料館【エル・ライブラリー】
館長 谷合 佳代子 様

6月にエル・ライブラリーまで学生さんに来館していただき、書庫内の資料を見学してもらいました。その際は、これまで見たことのない資料ばかりなのでさぞや驚かれたことでしょう。100年前の労働争議の手書きの嘆願書、戦前の検閲制度下に発禁処分となった雑誌、90年前の組合旗、戦後すぐから現在に至るまでの労働組合の大量の内部文書・記録文書、といった博物資料の数々に歴史を実感してもらえたと思います。
 歴史資料だけではなく、最新情報を入手するためのジャーナルや統計書についても、グループワークでその内容を確かめてもらいました。これらを通して、卒論を書くための情報の信頼度や先行研究の入手方法について知ってもらえたのではないでしょうか。グループワークで学生さんたちが「難しい~!」と言いながらとても楽しそうにディスカッションしている様子を拝見できたことも、図書館員冥利に尽きます。労働図書館の資料を活用できることを知ってもらえただけでも、とてもありがたいことでした。
 1月のレポート発表会では、4つのグループのプレゼンテーションを拝聴しました。まだ2年生なので、設定したテーマについてウェブからの情報を取り入れるだけで精一杯のようでしたが、私からはエル・ライブラリーで接した大量の文献資料に当たって正確性を担保することなど、できるだけ一次資料に当たるよう、その重要性を学生さんに伝えました。また、歴史意識の習得についてもこれから学んでいってくださることと期待しています。プレゼンを元にした各人のレポートも大変よく書けていたので、2年後に皆さんが一層成長されて卒論に結実させている様子を想像し、今からとても楽しみでなりません。

教員コメント

経済学部 経済学科
瀬野 陸見 准教授

専門演習の「瀬野ゼミ」1期生として、キャリアゼミ活動にも初めて取り組んだ年となりました。「はたらく」ということは非常に身近であり、就活という形で学生の皆さんにも切実なものとしてやってくるのですが、その「はたらくこと」への具体的なイメージを持つことや、マクロ的に大きく捉えることはなかなか難しいものです。エル・ライブラリーでの見学会で見た数々の資料は、それらの助けとなるものでしょう。そのことの意味を改めて振り返ってもらいたいものです。
最終報告会では様々なご指摘を谷合さんからもいただきました。そもそも、資料を丁寧に集め・読み解き、丁寧にまとめ、文章を書き、報告を行うということが、「社会人基礎力」としても重要なことです。それ自体が、自らの「働くこと」への土台となるでしょう。それを今後も可能な限り高めてもらうことを期待しつつ、労働そのものを扱う本ゼミでの学びで得られたであろう「働くことへの視点」を磨き続けてもらいたいと思います。

参加学生一覧

有川 晴哉、 石井 花音、 小倉 夢菜、 杉本 祥哉、 鶴野 悠莉、 中島 由人、 中村 大翔、 溝端 慶大、 浦野 里空、 山田 航大、 山田 悠生、 岡 優里、 外野 佑樹、 田嶋 伸治、 藤井 優吏、 堀江 真斗、 佐伯 凌雅