産学連携先:株式会社 藤原電子工業

このキャリアゼミは、地域経済と中小企業について理解を深めるため、ものづくり分野に焦点を当てて、実際に活躍している地域に根ざした中小ものづくり企業を取り上げ、ものづくりの基本を把握するとともに、地域産業や経済にとってどのような役割を担っているのかについて考察していく活動をしています。今年度は、①株式会社藤原電子工業での訪問調査、②大阪わかそう2023への参加、③FactorISMでのものづくり企業訪問調査に取り組みました。①では、初めてものづくりの現場を体感し、調査活動の基本知識・技能を身に付ける機会を得ました。続いて②では、複数の企業・団体ブースを回りながらそうした知識・技能のさらなる涵養につなげ、③では、いったんの集大成として自らものづくり企業に訪問し調査してくるという、ホップ・ステップ・ジャンプで進めてきました。今回は、最終報告として、この③について報告します。なお、FactorISMは、大阪府八尾市をはじめとした中小ものづくり企業について身近に知ってもらうために、工場開放(オープンファクトリー)するイベントです。2022年度に引き続き事務局のご厚意により、学生の調査研究活動を受け入れて下さり、ゼミ生たちが複数のグループを作り、各グループ2社ずつ午前と午後に一日で訪問してきました。

学生活動状況報告

■経済学部2年 中岡 星

今回のFactorISMのフィールドワークでは、株式会社オーツー様とシルバー株式会社様の2社の工場を訪問させて頂きました。工場では実際に作業風景を見させていただきながら何を作っているのかを詳しく話を聞かせて頂いたり、株式会社オーツー様ではワークショップ体験として時計づくりをさせて頂きました。また、どちらの会社も若い人から熟練した人まで幅広い年代の方々が活躍しており、社内の雰囲気なども良く働きやすそうな環境だと感じました。これまで、中小企業製造の工場といった場所では男性が多く力仕事がメインで固いイメージを持っていましたが、実際に訪問してみるとそれぞれの会社の設備が綺麗に整っていたり、社内の雰囲気から女性も働きやすい環境でもあるのだと実感しました。今回のフィールドワークでたくさんのことを学べたので、とても良い体験になりました。そして、学んできたことを忘れず今後意識していき、自身の就活で活かせるように頑張っていきたいと思います。

 

■経済学部2年 矢田 幸慈

 

今回訪問した企業の1つとして、株式会社コダマガラス様を紹介します。株式会社コダマガラス様は、名前の通りガラスを取り扱っており、ガラスから鏡を作ったりしている所でした。売りとしては、どこからでも発注を受け、また1枚から注文を受けられるという点です。注文を受け、制作し、梱包までの手順を全て行っていることも強みだと感じました。また、いびつな形をした鏡が数多くありました。曲線を含むガラス、鏡は、すべて職人の手によって切られていました。株式会社コダマガラス様で経験、学んだことの1つ目は、ガラスの種類です。普通のガラス、強化ガラス、網入りガラス、合わせガラスという4種のガラスの割れ方を経験させてもらいました。そこで、車のフロントガラスなどに使われているガラスは強化ガラスであり、学校などでよく使われているのは防火ガラス、網入りガラスであると学びました。また、ガラスを切る体験をさせてもらいました。直線でも切るのにはコツが必要で、職人さんの凄さを感じました。

参加学生名簿

濱口 凌弥、 山中 爽、 岡 雄斗、 近藤 勇也、 酒井 秀門、 櫻井 暖、 中村 元軌、 西村 美咲、 橋本 一咲永、 藤村 天汰、 矢田 幸慈、 菊澤 菜月、 小瀧 愛結美、 秦 一華、 端山 輝流、 前嶋 流我、 前田 慎太郎、 三島 幸生、 森 海翔、 渡邊 梨花、 今西 加奈、 植田 有紀、 奥野 柚帆、 中岡 星、 山下 優心、 大塚 千代香、 西谷 悠仁、 横山 黄菜、 郡 艶生、 中村 凛音

連携先コメント

株式会社 藤原電子工業
代表取締役会長 藤原 義春 様

ご訪問頂きました先生、学生の皆様に御礼申し上げます。学生の皆さんは工場の現場を見学されるのは初めてではなったでしょうか。見学では学生に年齢が近い若い社員が部署ごとの業務の説明を行い親近感のある見学になるよう努めました。
学生の皆さんは熱心に説明を聞き入り学ぶ意識が高く、私からの課題テーマにも素晴らしい回答を頂きました。未来に希望を持たれ成長する学生の皆様の就職活動を行うに当たり中小企業や製造業にも関心を持たれることに期待しております。

教員コメント

経済学部
髙橋 慎二 教授

日本の企業の99.7%が中小企業であり、ものづくり分野は一大産業であるにも関わらず、学生の皆さん方の関心は残念ながら高いとは言えません。私は「知らない」「見ていない」ことが最大の原因だと考えています。そこで、この1年間、中小企業、とりわけものづくり分野で活躍する企業様にご協力いただき、集中的に見てきました。また、初めての本格的な調査活動(フィールドワーク)でしたので、その基本からの勉強もしながらでした。学生のコメントにもありますように、「知って」「見て」の気づきがあり、例えばイメージと現実とのギャップも感じ取ってもらえたようです。今後の学修やキャリアにも役立つことでしょう。こうした気づきの機会を今後も積極的に創っていきます。