経済学部3年生:山田宗一郎、西山柊翔、新谷空、田中丈太郎

 経済学部豆本ゼミでは、例年、フィールドワークを中心に据えたゼミ活動を行っており、3年生のゼミでは学生自身で研究テーマを決めて企業等に訪問を行っています。今回私たちは上神谷運送株式会社を訪問し、トラック運送業の2024年問題(トラックドライバーの時間外労働の上限規制)に対する影響について調査を行いました。 
 6月11日に、上神谷運送株式会社(堺市南区)を訪問し、総務の山中氏にお話を伺いました。同社では東は愛知、西は岡山までの中近距離への運送を行っており、タイルカーペットなど繊維製品の輸送を主に行っています。同社では10トントラックを7台、7トントラックを5台、小型トラックを9台、トレーラーヘッド2台を保有しています。 
 山中氏によると、時間外労働の上限規制でドライバーの拘束時間が15~16時間から13時間に変更になったことで、ドライバーの収入も減っており、ドライバー不足も深刻化しているとのことです。賃金を上げることで雇用確保できるかもしれませんが、新人の賃金だけを上げる訳にはいかないので賃上げは難しいとのことです。また、同社で求めている人材は、普通自動車免許を持っていて高齢でない人で、さすがに高齢者ドライバーはリスクが高いので難しいとのことでした。
 同社では、無駄をなくし、工夫をすることでなんとか利益を確保しているとのことです。一般には荷下ろしは配達先等が行うのですが、荷待ち時間を減らすためにドライバーが荷下ろしをするなどしているそうです。また決まった年数でトラックを買い替えたりして故障やメンテナンスの時間を減らすなどをして無駄をなくしているとのことです。最新のトラックに買い替えることで衝突回避機能などの設備も充実することで、大きな事故は減っているとのことでした。
 今回の取材でトラックドライバーの2024年問題についてネットでは知ることができないことを聞けました。
(今回の調査では、阪南大学学会の補助を受けて実施しました)