奈良県立 登美ケ丘高等学校「総合的な学習の時間」特別講義
「国際理解教育-ESD(持続可能な開発のための教育)から国際理解教育を考える-」
特別講義の背景
この特別講義は、奈良県立登美ケ丘高等学校の依頼により、平成30年10月24日に実施したものです。同校の「総合的な学習の時間」における国際理解教育のための導入として講演したものですが、そのESDに関わる視点は、平成30年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)を受けた「世界史教育内容編成論の研究-ESDの視点に基づく「現代の諸課題」からの再構成-」に基づくものです。
特別講義の概要
登美ケ丘高校(新田泰三校長)では、すでに6月12日にも上記の科研費助成事業で地理歴史科に関わる特別講義を第2学年2クラスに実施(詳細は、7月の新着情報を参照)しましたが、今回は、第1学年(240名)を対象とした「総合的な学習の時間」における講演会として設定されたものです。同校では、「自主的な課題研究」と「大学教員による指導」によって、「主体的に学ぶ力の育成」を目指す総合的な学習の時間が有名で、その取り組みを「倭(やまと)-現代を生きる力を磨く-」と呼んでおられます。
今回は、第1学年の学習主題の一つである「国際理解につながる様々な課題について調べ、発表する。」ことを目指した講演であったため、次のような流れで講演をしました。
今回は、第1学年の学習主題の一つである「国際理解につながる様々な課題について調べ、発表する。」ことを目指した講演であったため、次のような流れで講演をしました。
- なぜ、「総合的な学習の時間」で学ぶのか
- なぜ、ESDから国際理解を学ぶのか
- 危機遺産から考える「現代の諸課題」
- 「現代の諸課題」から何を学ぶのか
- まとめ(あなたは何を学びたいのか)
登美ケ丘高校の「倭(やまと)」で取り組むことは、大学教育における「リベラルアーツ(一般教養)」の要素が強いこと、その学習の視点としてESDと国際理解が有効なことを最初に説明しました。そして、危機遺産が持続不可能なことをESDの観点から述べ、その危機を各国の世界遺産の現状から具体的に示しました。さらに、この危機に直面している世界遺産の背景に「現代の諸課題」があることを説明し、これからのグループ学習でどのような課題を学びたいかを問いました。
生徒の皆さんには、危機遺産の具体的な例が印象に残ったように感じられました。「現代の諸課題」は大きく6つに分類しましたが、いずれの課題も現代の世界を考える糸口になるものです。難しく考えず、興味を持った内容の学習に主体的に取り組んでもらうことが、「倭(やまと)」の教育目標である「現代を生きる力を磨く」ことにつながると考えます。
このような、学びのきっかけとなる講演の機会をいただいたことに感謝を申し上げるとともに、これからの登美ケ丘高等学校の先生方と生徒の皆さんの活動を、期待を込めて応援したいと思います。
生徒の皆さんには、危機遺産の具体的な例が印象に残ったように感じられました。「現代の諸課題」は大きく6つに分類しましたが、いずれの課題も現代の世界を考える糸口になるものです。難しく考えず、興味を持った内容の学習に主体的に取り組んでもらうことが、「倭(やまと)」の教育目標である「現代を生きる力を磨く」ことにつながると考えます。
このような、学びのきっかけとなる講演の機会をいただいたことに感謝を申し上げるとともに、これからの登美ケ丘高等学校の先生方と生徒の皆さんの活動を、期待を込めて応援したいと思います。