韓国に留学していた2年生龍神エリカさんから「留学体験終了報告(体験記、いや格闘記といったほうがよいかもしれません)」が届きました。ゼミ選択時に留学中であったため、龍神さんとはまだ対面でお会いしたことがないのですが、確実に成長している姿を文章から感じ取れます。コミュニケーションというと「会話で行うもの」ととらえる人も多いのですが、そもそもの言葉の概念は「人間の間で交わされる感情や思考の伝達」です。留学中でもこのように遠隔でコミュニケーションをしっかりと取れたこと、龍神さんには感謝しております。楽しい瞬間をありがとう。また3年生でお会いできることを楽しみにしております。           
藤野 寛之

学生のレポート

行事
 9月から12月にかけて行事が沢山ありました。その中でも3日間の学祭で開かれる日本人留学生屋台ブースの運営チームとして参加したことが強く記憶に残っています。
 大学全体で開催している学祭なので自分の韓国語の実力ではチームに迷惑をかけてしまうのではないかという不安がありましたが、一緒に作業するチームの方々の中に長年大邱大学で働いている方や行事ものに何度も参加していてある程度慣れている方が多くいて、私のような初心者へのサポートも手厚く心配なく仕事ができました。大邱留学の間、ここまで多くの日本人の方と一緒にいたことが無かったのでとても新鮮でありつつ、皆同じように日本から韓国に来て慣れない環境で奮闘していた人たちだと考えるととても心強かったです。私は1日目と3日目の2日間参加し、1日目は店の宣伝を担当しました。自作の看板を持って大学内を歩きながら宣伝するのですが、想像以上に関心を持ってもらえたり、話しかけてもらうことが多くて嬉しかったです。外国人よりも韓国人の学生が多く、普段語学堂の授業で聞いている韓国語とはかけ離れたスピードと砕けた韓国語に少しパニックになることもありました。後半からは店前で声を出して宣伝をすることになり、韓国語で看板メニューを言うこともあれば、日本人留学生ブースらしく日本語で「いらっしゃいませー!」と言ってみたりもしました。意外と日本語を知っている方が多く、その声によって沢山の方が店に寄ってくるのを見て不思議な気持ちになりました。メニューのお好み焼きや焼きそばを食べた後、日本語で「美味しかった」といってくれるお客さんもいてとても心が温まりました。学祭3日目は盛り付け&包装を担当しました。それを知らされるまで一切やり方を知らなかったので、しっかり貢献できるか心配でした。そのうえ、お客さんの列が無くならない中で、途中人手が足りなくなったため食べ物の提供も私が担当することになったときは本当に忙しくて大変でしたが、その後落ち着いた時にリーダーがお菓子や飲み物を買ってきてくれてメンバーに配ってくれて思いやりを感じました。この活動を通じて、慣れない環境で初めてのことに挑戦する難しさとやり遂げた後のこの上ない達成感を実感することができました。この活動は留学期間の出来事の中でも忘れられない思い出になりました。
 
人間関係
 私は普段人間関係を広く築くのが苦手なため、韓国留学中にもあまり友達ができないのではないかと不安でした。しかし一緒に留学に来た先輩と勇気を出して韓国人しかいないサークルに入ってみたことで語学堂とは全く違う世界を経験することができました。留学生のためのサークルでないため、韓国語ができる前提で活動が進められ、ついていくのに必死でした。その分神経も使いストレスを受けることもありましたが、現地の学生と交流することでより自然な韓国語を習得し、韓国の大学生の文化等も知れる機会になりました。
 また、留学後半にかけて自分の感情をしっかり表現できるようになりました。初めは「伝わらなかった時に傷つきたくない」「間違って伝わったら嫌」というような不安があったため授業中でもプライベートでも自分の感情をあまり細かく伝える事はありませんでした。しかし、周りの語学堂の友達が拙い韓国語でも、一生懸命自分の感情を伝えようとしている姿を見て、私にはこのようなチャレンジ精神が欠けているのだと気づきました。それからは友達と話していて何か違和感があった時やモヤモヤした時に、完璧でなくても韓国語で伝えようとする努力をしました。それでも伝わらない時にはもどかしさを感じますが、徐々に表現力や語彙力が伸びていくとともに意思疎通ができるようになっていくのが感じられて嬉しかったです。