2024年2月に実施したフィリピン・マニラでのフィールドワークで街中にあふれかえっていたのはインディカ米。ただ、日本ではあまりなじみのない珍しい品種です。しかし、これはジャポニカ米を好んで食べる日本での話であり、世界の主流はインディカ米。そこで今回は他文化理解の手がかりとして日本国内におけるインディカ米に注目しました。
  
(今年2月のマニラ:ジャポニカ米もあるがインディカ米が中心)
 最初の手がかりは、そもそもインディカ米はどこで手に入るのであろうか、という素朴な疑問から。ネットで検索をかけてみるとECサイトを中心に比較的簡単に手に入れることができるようですが、実際に店舗でその姿を見かけたという記憶がある人はいませんでした。

 いろいろと調べた結果、梅田のグランフロント大阪北館にある無印良品、NU茶屋町プラス2階の神戸スパイス、空堀商店街の神戸スパイス、天満の業務スーパーなどにまとまった品種のインディカ米が扱われていることがわかり、さっそく実見調査を行いました。
 今回の調査の目的は大きく二つ。ひとつは実際に販売されている現場をしっかりと視ること(産地や種類、価格はもちろんのこと、販売の仕方や店を訪れている人々の反応も調査対象です)。もうひとつは実際に吟味して購入し、自分たちで調理し、食べてみるということです。

 これまでゼミ活動では、フィリピン料理・トルコ料理・パキスタン料理・ペルシャ料理・インド料理・ネパール料理・タイ料理・ベトナム料理などのレストランでインディカ米の料理を実際に食べてきました。各国の料理は特徴的でとても美味しかったのですが、あくまでもプロの味。インディカ米が日本国内で流通するには、誰でも美味しく調理できることが重要です。

 グランフロント大阪北館の無印良品には、タイ産、パキスタン産のインディカ米に加え、国産のインディカ米も販売していました。

  
左:千葉県鴨川市産バスマティ米   右:タイ産・パキスタン産のインディカ米
 
 あわせて、インディカ米にあう各国のカレーが陳列されていました。訪れた人たちも興味深そうにインディカ米とカレーを手に取っていました。

壮観:各国のレトルトカレー
 
 今回、厳選して購入した商品は、パックごはんジャスミン米(タイ精米)180グラム・ジャスミン米(タイ産)300グラム・バスマティ米(パキスタン産)300グラムとレトルトカレー。
 
 NU茶屋町プラス2階の神戸スパイスでは、ベトナム・パキスタン・インド・スリランカ・ベトナム・タイ産・中国産のコメが販売されていました。その他、米粉で作られた麺やライスペーパーといった米の加工品も多く取りそろえられていました。
    
 パッケージもおしゃれで目を引くものが多く、量や価格もはじめて購入するには手頃でした。非常に目移りしたのですが、2019年国際コメコンクールで最優秀賞を獲得したというベトナム産米1キログラムとスリランカ産米500グラムを購入しました。
 
左がベトナム産・右がスリランカ産
 あわせて谷町六丁目の空堀商店街にある神戸スパイス、天満にある業務スーパーでも調査を行いました。ここでは300グラムから1キログラムといった比較的持ち帰りやすい容量を扱う梅田の店舗とは異なり、5キログラムといった容量の大きい商品も販売されていました。
   
空堀商店街の神戸スパイス(パキスタン・インド・スリランカ・タイ産が並ぶ)



業務スーパー天満店
 今後は、引き続きインディカ米の調査を行うとともに、インディカ米の調理にも取り組みたいと考えています。あわせて、永田ゼミではSNSでの情報発信も開始しました。これまで当たり前であると思っていた「コメ」食文化が当たり前ではない、ということに気づいた大学生であるわたしたちが、当事者としてコメ文化に向き合う様子を発信していきます。

参加学生一覧

植田 凜、熊本 衣千瑚、宮元 明夏音、津田 恵美梨、阿部 紗央、白田 真生、中野 佳朋、林 裕志