<半端ないプロローグ>
元プロサッカー選手で、現在は阪南大学サッカー部副顧問の上赤坂准教授。2024年度 第48回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントではサッカー部をデータ分析の面でサポート、日本一へと後押しした。データ分析が勝敗にどれだけ影響するのか、本人に直撃した。
スローインを馬鹿にするものは、スローインに泣く。
聞き手:第48回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでの日本一おめでとうございます。先生はデータ分析の面でサッカー部を支えていたとか。トーナメントを総括して、阪南大学が他大学より優れていた点はどこだと考えていますか?
上赤坂:現在、日本一になった試合をゼミ生たちと振り返り、「空中戦での勝率はどうだったのか」、「相手チームよりピッチで上回っていたデータは何なのか」など仮説を立てながら検証しているところです(2024年11月現在)。そのため、まだはっきりとした要因は出せていません。ですが、チームとして気をつけていたプレーの一つにスローインがあります。
聞き手:スローイン?スローインなんて、ただ投げるだけじゃないのですか?
上赤坂:現在、日本一になった試合をゼミ生たちと振り返り、「空中戦での勝率はどうだったのか」、「相手チームよりピッチで上回っていたデータは何なのか」など仮説を立てながら検証しているところです(2024年11月現在)。そのため、まだはっきりとした要因は出せていません。ですが、チームとして気をつけていたプレーの一つにスローインがあります。
聞き手:スローイン?スローインなんて、ただ投げるだけじゃないのですか?
上赤坂:それは全然違います!スローインは戦況に大きく影響を与えます。
なぜなら、スローインを投げる人を除くとピッチ内は10対11、敵チームの方が1人多くなるので数的不利な状況です。上手く投げないと取られちゃうし、そのままカウンターをくらい、失点することも大いにあり得ます。
聞き手:言われてみれば不利な状況ですね。
上赤坂:それにも関わらず、日本ではスローインを軽く見ている節がある。ただ投げればいいと思っている。そんなチームはスローインに泣きますね。
聞き手:阪南大学ではどういった戦略の元、スローインをプレーしているのですか?
上赤坂:戦略は大きく2つ。
まず、すぐに投げること。相手が準備できていない一瞬の隙を狙って投げるので、上手くいけばそのまま攻めにつながります。
もう一つは投げる位置です。
聞き手:投げる位置?
上赤坂:胸じゃありませんよ!足元に向かって投げるのです。
データでも立証されているのですが、胸に投げるとボールが浮いて、相手に取られる可能性が上がります。
一方で足元だと、すぐにプレーにつなげることができる。
実際に阪南大学サッカー部では足元に投げる練習を繰り返していますね。
もしかしたら、スローインは日本一の要因の一つと言えるかもしれません。
聞き手:半端ないですね!
なぜなら、スローインを投げる人を除くとピッチ内は10対11、敵チームの方が1人多くなるので数的不利な状況です。上手く投げないと取られちゃうし、そのままカウンターをくらい、失点することも大いにあり得ます。
聞き手:言われてみれば不利な状況ですね。
上赤坂:それにも関わらず、日本ではスローインを軽く見ている節がある。ただ投げればいいと思っている。そんなチームはスローインに泣きますね。
聞き手:阪南大学ではどういった戦略の元、スローインをプレーしているのですか?
上赤坂:戦略は大きく2つ。
まず、すぐに投げること。相手が準備できていない一瞬の隙を狙って投げるので、上手くいけばそのまま攻めにつながります。
もう一つは投げる位置です。
聞き手:投げる位置?
上赤坂:胸じゃありませんよ!足元に向かって投げるのです。
データでも立証されているのですが、胸に投げるとボールが浮いて、相手に取られる可能性が上がります。
一方で足元だと、すぐにプレーにつなげることができる。
実際に阪南大学サッカー部では足元に投げる練習を繰り返していますね。
もしかしたら、スローインは日本一の要因の一つと言えるかもしれません。
聞き手:半端ないですね!
PKを蹴る人は、データで決める。
それが、上赤坂流。
聞き手:スローイン以外にも応用されている、上赤坂先生流の戦略があれば教えてもらえますか?
上赤坂:PK戦はもしかしたら独自の戦略かもしれません。
聞き手:どういうことですか?教えてください!
上赤坂:ペナルティエリア内でファウルをもらうとPKを蹴ることができます。その場面でファウルをもらった選手がPKを蹴った方がいいのか、蹴らない方がいいのか、ずっと疑問に思っていました。それで、JリーグのJ1からJ3まで2年間の全試合を実際に調べてみたのです。
聞き手:2年間の全試合ですか?半端ない数!結果はどうだったのですか?
上赤坂:ファールをもらった人がそのまま蹴るとPKを外す確率が高いということがわかりました。
聞き手:失敗する確率が高い理由として、どんな要因があるのですか?
上赤坂:様々な要因が考えられるのですが、一つはファウルをもらったことに安心して、ゴールを外しても仲間から非難されないだろうと心に変なゆとりが生まれてしまうこと。
二つ目にファウルを受けた際に、足などに怪我が生じてしまうこと。
最後にファウルの直後だからこそ、相手選手にイライラが募り精神的に不安定な状態であることが挙げられます。
聞き手:ファウルを受けた選手は他の誰よりも精神的に不利な状態であるということですね。
上赤坂:その通りです。
だから私は、ファウルを受けた選手には決してPKを蹴らせません。
とはいえ、「ホームとアウェイでも同じ確率なのか」や「Jリーグではなく大学サッカーになるとデータは変わるのか」など調べていく必要もあります。
これからゼミの中で学生たちとともに、より確率の高い真実を解明できればと考えています。
上赤坂:PK戦はもしかしたら独自の戦略かもしれません。
聞き手:どういうことですか?教えてください!
上赤坂:ペナルティエリア内でファウルをもらうとPKを蹴ることができます。その場面でファウルをもらった選手がPKを蹴った方がいいのか、蹴らない方がいいのか、ずっと疑問に思っていました。それで、JリーグのJ1からJ3まで2年間の全試合を実際に調べてみたのです。
聞き手:2年間の全試合ですか?半端ない数!結果はどうだったのですか?
上赤坂:ファールをもらった人がそのまま蹴るとPKを外す確率が高いということがわかりました。
聞き手:失敗する確率が高い理由として、どんな要因があるのですか?
上赤坂:様々な要因が考えられるのですが、一つはファウルをもらったことに安心して、ゴールを外しても仲間から非難されないだろうと心に変なゆとりが生まれてしまうこと。
二つ目にファウルを受けた際に、足などに怪我が生じてしまうこと。
最後にファウルの直後だからこそ、相手選手にイライラが募り精神的に不安定な状態であることが挙げられます。
聞き手:ファウルを受けた選手は他の誰よりも精神的に不利な状態であるということですね。
上赤坂:その通りです。
だから私は、ファウルを受けた選手には決してPKを蹴らせません。
とはいえ、「ホームとアウェイでも同じ確率なのか」や「Jリーグではなく大学サッカーになるとデータは変わるのか」など調べていく必要もあります。
これからゼミの中で学生たちとともに、より確率の高い真実を解明できればと考えています。
Jリーグで、長く活躍する秘訣。
聞き手:先生は食事の面でも部員たちに指導されているとか。
上赤坂:スポーツ選手にとって体が資本だとすると、食事は基礎です。だからこそ、食事の指導も重要視しています。ちなみにJリーグで長く活躍する選手の食事の特徴を知っていますか?
聞き手:栄養バランスを誰よりも考えていることですか?
上赤坂:惜しいです。実はJリーグで長く活躍している選手の多くが実家飯で育ってきた選手だったのです。
聞き手:どういうことですか?
上赤坂:つまり、家族がきちんと栄養管理をしたものを食べてきたからこそ、血となり肉となり、輝くプレーにつながったと考えられます。
聞き手:ちゃんと栄養管理された食事を摂ることで、プレーに良い影響を与えてくれるということですね。
上赤坂:そういうことです。現在、阪南大学生活協同組合の理事を務めており、そのご縁から朝・夜と阪南大学の学生がきちんとした食事を摂れるようにテスト的に食堂を解放するなどを実施しました。阪南大学サッカー部がどうすればもっと強靭なチームになれるのか、選手個人のポテンシャルを上げられるのか。常に学生たちのことを考えていますね。
聞き手:その他、学生たちが一流のプレーヤーになるために大事だと思うこと、また今後、ゼミ活動でこんなことをしたいなど野望はありますか?
上赤坂:それは「本物を見ること」です。
ゼミ生たちにはずっと言っているのですが、一緒にヨーロッパへ本場のサッカーを観戦しに行きたい。
やはり、テレビで見るのと現地で最高峰のプレーを見るのとでは全然違います。
直接見ることで当然、意識も変わってくるはずです。
最近私の勧めでドイツへサッカー留学を決意した学生がいるのですが、その学生が世界へ挑戦したように、学生たちの世界との距離をもっと縮めてあげたいと思っています。世界に挑戦したいと思えるほど、サッカーのスキルと自信を与えてあげる。
それも、阪南大学でサッカーを教えるものとしての”使命”だと考えています。
聞き手:半端ないお話の数々、ありがとうございました。
上赤坂:スポーツ選手にとって体が資本だとすると、食事は基礎です。だからこそ、食事の指導も重要視しています。ちなみにJリーグで長く活躍する選手の食事の特徴を知っていますか?
聞き手:栄養バランスを誰よりも考えていることですか?
上赤坂:惜しいです。実はJリーグで長く活躍している選手の多くが実家飯で育ってきた選手だったのです。
聞き手:どういうことですか?
上赤坂:つまり、家族がきちんと栄養管理をしたものを食べてきたからこそ、血となり肉となり、輝くプレーにつながったと考えられます。
聞き手:ちゃんと栄養管理された食事を摂ることで、プレーに良い影響を与えてくれるということですね。
上赤坂:そういうことです。現在、阪南大学生活協同組合の理事を務めており、そのご縁から朝・夜と阪南大学の学生がきちんとした食事を摂れるようにテスト的に食堂を解放するなどを実施しました。阪南大学サッカー部がどうすればもっと強靭なチームになれるのか、選手個人のポテンシャルを上げられるのか。常に学生たちのことを考えていますね。
聞き手:その他、学生たちが一流のプレーヤーになるために大事だと思うこと、また今後、ゼミ活動でこんなことをしたいなど野望はありますか?
上赤坂:それは「本物を見ること」です。
ゼミ生たちにはずっと言っているのですが、一緒にヨーロッパへ本場のサッカーを観戦しに行きたい。
やはり、テレビで見るのと現地で最高峰のプレーを見るのとでは全然違います。
直接見ることで当然、意識も変わってくるはずです。
最近私の勧めでドイツへサッカー留学を決意した学生がいるのですが、その学生が世界へ挑戦したように、学生たちの世界との距離をもっと縮めてあげたいと思っています。世界に挑戦したいと思えるほど、サッカーのスキルと自信を与えてあげる。
それも、阪南大学でサッカーを教えるものとしての”使命”だと考えています。
聞き手:半端ないお話の数々、ありがとうございました。
阪南大学の“半端ないゼミ活動”
その他、阪南大学の“半端ないゼミ活動”はこちらからご覧になれます。
上赤坂先生所属の総合情報学部
総合情報学部 総合情報学科には上赤坂先生のスポーツデータサイエンス分野に加えて、「AI・データサイエンス分野」「ビジネスデータサイエンス分野」「情報システム分野」「デジタルコンテンツ分野」の5つの分野があり、最先端の情報通信技術を学び、情報活用力が身につけることができます。4年間の学びで、Society5.0を迎える情報化社会の中の、あらゆる分野で活躍できる人材になることでしょう。