阪南大学国際学部国際観光学科和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。
 2025年度から、大阪府貝塚市に所在する貝塚寺内町において、地域の方々や貝塚市とともに、その保存・活用に関する取り組みをはじめることになりました。
 貝塚寺内町は、戦国時代から貝塚御坊願泉寺を中心に発展してきた自治都市です。天正11年(1583)からの2年間は、浄土真宗本山の本願寺がおかれたこともあります。また、慶長15(1610)年には徳川家康から寺内諸役免許の黒印状が授与され、全国で唯一、明治時代初期まで江戸幕府から公認された自治都市として発展を遂げてきました。
 貝塚寺内町には、江戸時代後期から明治、大正、昭和の伝統的様式の町家が数多く遺されていますが、近年、その保存と活用を図るべく、町家を修理・改修し、店舗として活用する事例が増えるなど、賑わいを見せています。また、関西国際空港に近く、南海本線貝塚駅から徒歩圏に位置することから、その観光活用にも期待がなされています。
 なお、貝塚市は市域の豊かな文化財を守り、後世に伝えるとともに、その活用を通じて郷土愛を育み、地域の魅力向上と活性化を図るために、2024年度に『貝塚市文化財保存活用地域計画』を策定していますが、「第10章 歴史遺産の保存・活用の推進体制」の項に専門的・技術的支援を受けるために連携する専門機関の1つとして「阪南大学国際学部国際観光学科和泉研究室」があげられています。そして、このことを後押しする形で、地域のみなさんが研究活動の拠点となる「サテライト・ラボ」を設けてくださいました。また、表札まで作ってくださいました。ありがとうございました。
 和泉研究室は、八尾市、富田林市、河南町においても受託研究に取り組んでいますが、八尾市には久宝寺寺内町、萱振寺内町、八尾寺内町が、富田林市には大阪府下唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林寺内町、そして、河南町には大ヶ塚寺内町があります。これらの寺内町を比較・考察しながら、各々にとって有用な成果を還元できるよう取り組みを進めていきたいと考えています。
 地域のみなさん、どうぞよろしくお願いいたします。
   

地域のみなさんがサテライト・ラボを設けてくださいました。表札まで!ありがとうございます。
 
 
  

貝塚市の文化財保存活用地域計画には、専門的・技術的支援を受けるために
連携する機関として記載がなされています。
 
  

寺内町で開催されるイベント(コーヒーフェスティバル)に参加するなど、少しずつ活動の準備を始めています。

  

イベントには古着などを扱うお店も。「朽古」の菅澤さん(写真右)
 
  

イベントに出店されていた「DRS2」の矢野さんは本学を卒業されたとのこと!(写真右)