太子町(大阪府南河内郡)は、万葉集にも読まれ、石器材であるサヌカイト産出地としても周知される二上山、中国の敦煌などを連想させる石窟寺院である国史跡鹿谷寺跡や国史跡岩屋、聖徳太子墓とその守護のために建立された叡福寺、「日出処天子」の国書を携え遣隋使として海を渡った小野妹子の墓、推古天皇・敏達天皇・用明天皇・孝徳天皇など教科書にも登場する誰もが知る著名な天皇の御陵、双方墳という極めて珍しい形状を呈する国史跡二子塚古墳、日本最古の国道である日本遺産「竹内街道」、その街道沿いに建てられた国登録有形文化財の大道旧山本家住宅など、その歴史資源の豊さは全国屈指のレベルです。
 このような歴史資源のポテンシャルを文化財保護の展開とともに観光振興の展開にも活かしていきたいと考える太子町役場からの依頼に基づき、「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」をテーマとする国際学部国際観光学科和泉研究室は、2023年度から3年間の予定で、太子町役場との共創的な取り組みを進めています。具体的には、町内の歴史資源をつなぎ、自然や人のあたたかさなども感じながら歴史を楽しむことができる観光振興の展開の創造、所謂、「ヘリテージ・ツーリズム」の成立を目指すものです。
 なお、この取り組みは、一過的に終焉するものではなく、その持続性、ひいては、文化財の地域マネジメントの可能性などにもつなげていきたいと考えています。このことから、地域住民のみなさんの参画も視野に入れたいと考えています。
 2024年9月4日(水)、今年度、第2回目となるフィールドワークを行いました。
 今回は、前回のフィールドワークに継続する内容のもので、西方院の蘇我院主とのミーティングおよび使用させていただく予定のカフェ・スペースの下見を行いました。
 西方院さま、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。