阪南大学国際学部国際観光学科和泉研究室は、2023年度から3年間の予定で、太子町(大阪府南河内郡)において、町内の歴史遺産をつなぎ、自然や人のあたたかさなども感じながら歴史を楽しむことができる観光振興を創造する取り組みを太子町役場のみなさんと共創的に進めています。
 なお、この取り組みは、一過的に終焉するものではなく、その持続性、ひいては、文化財の地域マネジメントの可能性などにもつなげていきたいと考えており、地域住民のみなさんの参画も視野に入れたいと考えています。
 ご存じのように、太子町は、万葉集にも読まれ、石器材であるサヌカイト産出地としても周知される二上山、中国の敦煌などを連想させる石窟寺院である国史跡鹿谷寺跡や国史跡岩屋、聖徳太子墓とその守護のために建立された叡福寺、「日出処天子」の国書を携え遣隋使として海を渡った小野妹子の墓、推古天皇・敏達天皇・用明天皇・孝徳天皇など教科書にも登場する誰もが知る著名な天皇の御陵、双方墳という極めて珍しい形状を呈する国史跡二子塚古墳、日本最古の国道である日本遺産「竹内街道」など、その歴史遺産の豊さは全国屈指のレベルです。
 実は、太子町はこれらの豊富な歴史遺産に加え、みかん、デラウェア・巨峰・ピオーネ・シャインマスカットなどのぶどう、栗などフルーツの宝庫でもあります。したがって、太子町に足を運んでいただくきっかけの1つとして、歴史遺産の展開とともにフルーツを中心とした食の展開も進めていこうと考えています。なお、研究室では、隣接する河南町(河南町は研究室2回生が研究活動を展開しています)とともに、奈良県明日香村のように、のどかな時間を感じながら、歴史や食を楽しめるような地になれば良いなあと話し合ったりしています。
 2024年10月3日(木)、研究室で進めている太子町産のみかんを使った「みかんパフェ」の試作品をつくってみました。今回は、時期的に太子町産のみかんを入手することはできませんでしたが、本番の11月30日(土)には、太子町産のみかんを使用する予定です(ページ下部のフライヤーをご覧ください!)
 また、嬉しいことに、現在、ガストロノミーツーリズム(その土地の気候・風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、食文化に触れることを目的としたツーリズム)の展開を進める大阪府成長戦略局が、私たちの取り組みに着目してくださり、ツアーのコンテンツとしての取り入れを検討してみたいとのことでした。
 当日は、カフェ・キッチンをご提供くださっている西方院の蘇我住職、太子町役場の刀根さん・磯さん、大阪府政策企画部成長戦略局の小川さん・尾西さん、エクスペリサス株式会社の西光さんに実食、講評していただきました。ありがとうございました。本番につなげていきたいと考えています。
 なお、11月30日の取り組みは、西方院さんのカフェから見える庭の景色が、紅葉の時期、もみじで美しく彩られることから、研究室3回生により、「もみじ珈琲~阪南大学和泉研究室~」と命名されました。
 

 

 

みかんパフェに加え、太子町産シャインマスカットのパフェも作ってみました。

 

 

関係するみなさんに、実食、講評していただきました。