産学連携先:一般財団法人福井県あわら市観光協会

 李ゼミでは、「地域の魅力が発信できる体験型宿泊プランの提案による地域活性化」を目的に活動を行っています。具体的には、連携先である福井県あわら市観光協会と協働し、旅館がより良いサービスを提供するために取り組むべき課題の発見、そして課題解決に向けて有効な宿泊プランの企画・提案を行います。今年度前半の活動として、4年次生が中心となって、あわら温泉の宿泊旅行者の増加に向けて、あわら温泉の代表的なお祭りである「あわら湯かけまつり」を活性化する方策を提案する活動を行っています。その活動目的のもと、8月8日から10日までの2泊3日、あわら市観光協会と湯かけまつり実行委員会の指導・協力を得て、温泉の恵みを感謝する「湯かけまつり」の準備と運営のサポートを行いました。今回のこの「あわら湯かけまつり」に関わる活動を通じて、地域の現状や課題に気づくよい機会になったと考えています。

学生活動状況報告

国際観光学科4年 村田 歩夢
 私たち李ゼミは、あわら市観光協会と連携し、あわら温泉の観光魅力を発信できる宿泊プランを開発する活動を行っています。その活動の一環で8月8日-8月10日にかけて福井県あわら市を訪れ、昨年に引き続き「あわら湯かけまつり」に、ボランティアとして参加しました。「あわら湯かけまつり」は、温泉が湧く日にちなんで毎年8月8日と9日にあわら市で開催されており、8日のメインイベントは「お湯かけじゃあ」、9日には福井の伝統でもある「饅頭まき」が行われ、今年は19回目の開催となり、約45トンのお湯と1000個の饅頭とお菓子が使用されました。
 このお祭りは、地域の子どもたちに温泉の魅力を伝え、地元に誇りをもってほしいという考えが基となっています。昨年と比較して、インバウンド客が増加し、全体の約2割、地元の方が約8割の参加者を占めました。以下、今回の私たちの活動をレポートします。
 今回、私たちは1日目に仮設プールの組み立て・設置・撤去、会場の見回り・清掃、花車の移動を行い、2日目に花車の解体、饅頭投げ用のお菓子の移動、清掃等を行いました。特に、仮設プールの組み立ては取り扱いが難しく、チームで息の合った作業が求められるものでしたが、実行委員の方にも協力していただき、スムーズに完了することができました。また、花車の解体では、上下で分解できるよう仕様変更が更新されており、昨年と比較してスムーズに行うことができました。そして今年は、私たちの他に企業ボランティアの方々や地元の大学生の方が30名程度参加しており、懸案であった人手不足は大きく改善されたと思います。そして、前回までは「饅頭まき」のみ採用されていた「子どもエリア」が今回から新たに「お湯かけじゃあ」でも設置され、年々改善されているのだと実感しました。また、今年は「湯かけまつり」の安全を祈り、花車にお湯をかける祈祷式、湯かけまつり本番では会場を一望できる足場からお湯かけに参加させていただきました。これらにより、私たちも昨年以上に湯かけまつりの魅力を感じることができました。
 これらの活動を通じて、地元住民や大学生・高校生そして、実行委員会のメンバーなど、普段はあまり関わらない方々と力を合わせた経験は、普段は体験することのできない貴重な経験であり、多くのものを学ぶきっかけとなりました。また、実行委員の方々も私たちに対して水分補給等、常に気を使っていただきました。また、私たちが宿泊した旅館清風荘では、大浴場の入浴時間外にも関わらず、外で作業していた私たちのために急遽清掃をし、開けてくださいました。このように、今回の活動を通じて、あらためてあわら市の方々の温かさに触れる3日間となりました。次回以降は旅行者として是非参加してみたいと思います。

国際観光学科3年 高野 茜
 私たちの李ゼミでは、あわら市観光協会と連携し、あわら温泉の観光魅力を発信できる宿泊プランを開発する活動を行っています。その活動の一環で、私は4年生の先輩たちの活動に同行し、88日と9日に開催された「あわら湯かけまつり」の準備のお手伝いをさせていただきました。去年、先輩たちの活動報告会に参加するため、あわら市を訪れたことがありましたが、温泉旅館などが並ぶ街の中心地に足を運んだ事がありませんでした。今回の活動では、あわら温泉の旅館に滞在しながら、先輩やあわら市の地元住民の方と一緒に活動ができることを、大変楽しみにしていました。
 一日目は、プールの設置と補助のお手伝いをしました。毎年行われている「あわら湯かけまつり」の会場は、始まる前から熱気に溢れて、屋台などの設置もされておりとても賑わっていました。そんな中で、私は、これまで経験したことがない出来事に遭遇しました。
 「湯かけまつり」前に、ガードレールに腰を掛けていた小学生ぐらいの男の子がレールから滑り落ち、頭を強く打つ事故が発生しました。男の子の親御さんから、応急措置のため、氷を用意して欲しいと頼まれました。祭り会場を見渡しても救護施設が無かった為、実行委員の方に声を掛け、街の中にあるお店中を駆け巡って貰い何とか氷をその親御さんに届けることが出来ました。このような熱心な対応に、私は感銘を受けました。また、予期しないことが起こった時に、焦るのでは無く、一旦状況を把握し、冷静になる事が大切であると思いました。
 二日目は、饅頭まきというイベントに補助として参加しました。このイベントは、福井県の嶺北地方に昔から伝わる風習で、お祝い事(主に嫁入りなど)に高台から饅頭を沢山まいて喜びを分かち合う行事とされています。スペース内に担当を割り当て、私はキッズエリアの補助に回りました。小学6年生までの子どもを対象としたエリアで、親御さんと離れても大丈夫なお子様だけそのエリア内に入って饅頭を獲得できるスペースとなっています。キッズエリアでは饅頭だけでは無く、お菓子も同時に投げている事から子どもの目線になって見上げた際に、凄い威力で飛んでくる饅頭を街の子ども達はとても嬉しそうに持ち帰っている姿を見て、心がホッコリしました。
 二日間の経験を経て、私はあらゆることに柔軟に対応できる力を持った社会人になりたいと強く考えるようになりました。その為には、周りをよく見て少しの違和感にも気が付ける観察力を磨いていきたいと思います。

国際観光学科4年 坂東 愛美
 私たち李ゼミでは、あわら市観光協会と連携し、あわら温泉の魅力を発信できるような宿泊プランを開発する活動を行っています。その活動の一環で、大学在学中、最後の活動として、202488日から810日にかけて、第19回「あわら湯かけまつり」実行のための補助的活動を行いました。
 88日は、「あわら湯かけまつり」のメインイベントである湯かけが行われるため、午後2時前に現場に到着し、準備に取り掛かかりました。今回の活動では、私たちのゼミ以外にも、4人の地元高校生と同じチームを組んで、準備を行ったため、昨年の活動よりも、全体的にはスムーズに作業がはかどりました。しかし、イベント開始前に、子供が湯かけを始める事が多いと伺ったため、湯かけスペースの巡回活動や声掛けを行いましたが、昨年同様、ルールを守らない子供達が多数でした。今後、祭りの安全・安心な実施を図るためには、祭りの運営サイドが、この対策を強化する必要があると痛感しました。
 また、「あわら湯かけまつり」が終了してから、ゴミなどの後始末の時間がありましたが、お客様がその場から離れていない中で、後始末を行うことが少し困難に感じました。この点に関しても、祭り終了時間を記載した注意書きなどを配布するなど、工夫が必要だと思いました。
 今回は、昨年の活動と異なり、「あわら湯かけまつり」の開会式にも参加することになり、準備した祭りが地元の方や観光客に楽しまれていることが目で確認でき、お祭りの開催は地域にとって喜ばしいことだとあらためて感じました。
 89日は、朝からプールや桶の洗浄を行いました。約3時間の休憩の後から、お祭りの二つめのメインイベントである饅頭まきのお手伝いをしました。饅頭まき会場の子供スペースでは、大人が立ち入り禁止にもかかわらず、大人も侵入しているなど、ルールを守らない参加者が多く、来年に向けて対策が必要だと感じました。
 今回の活動を終えて、「あわら湯かけまつり」は昨年より、祭りの盛り上がりや参加者は減少していると感じました。お祭りをより盛り上げるためにも、祭りのルールを守らない人が多くなると祭りの評判が悪くなり、参加者の減少へつながる可能性があるため、安全なお祭りの開催に心がけたいと思いました。
 昨年に続いて、地域の祭りをボランティアとして活動出来た経験が、今後社会人生活のために貴重な経験であったと感じますし、後期のゼミでは湯かけ祭りをより一層盛り上げるための方策を提案できるように頑張ります。
 
あわら市観光協会との連携活動の報告
 国際観光学科4年 松本 千咲菜
 私たち李ゼミでは、あわら市観光協会と連携し、あわら温泉の魅力を発信できる宿泊プランを開発する活動を行っています。その活動の一環で、今年も88日と9日に開催された「あわら湯かけまつり」に参加しました。今年は北陸新幹線が開通したため、敦賀から北陸新幹線に乗って福井まで行くことにしました。私はみんなよりも一足先に福井駅に到着したため、駅構内を観光することにしました。福井駅の休憩スペースには「ふくいの最高ボード」というものが設置されており、福井の魅力的なスポットや美味しい食べ物の情報がたくさん紹介されていました。このボードは、これから福井を観光しようとしている人にとって、とても参考になるものだと感じました。観光者が福井の素晴らしさを知るきっかけとして、このような工夫は非常に効果的だと感じ休憩スペースではなく改札のところに飾っておくのもいいのでは、と感じました。



 8日に開催された「あわら湯かけまつり」では、あわら市に到着後、まず、ボランティアでプールの組み立て作業を行いました。前回に比べボランティアの人数は増え、人手は十分に確保されていましたが、プールの組み立てに関する説明書がなく、運営側も詳しい手順を把握していなかったため、組み立てに時間がかかるなど、今後のお祭りの準備には改善すべき点だと感じました。また、1つのバケツの中に必要なものをワンセットにして置くなど、運営側が事前に組み立てを把握することで、スムーズな作業が可能になると感じました。今年の湯かけ祭りは、中高生を中心に盛り上がっている様子でしたが、BGMには幅広い年代が知っている曲が流れるなど、多くの世代に配慮をしていたのは良かったと思います。


B'zのultra soulが流れています。

9日は「饅頭まき」が開催されました。朝から炎天下の中、前日の「湯かけまつり」で使用した桶やプールの掃除を行い、その後、2時間ほどの空き時間があったため、私は部屋が一緒の仲間たちと越前松島水族館に出かけました。入場料は2,000円と高めでしたが、たくさんのサメやタコとのふれあいコーナー、ウミガメの餌やり、ドクターフィッシュなどの体験ができ、充実した時間を過ごしました。

      

午後は、饅頭まき作業に取り掛かった際に、饅頭まきが始まる前に一緒に踊りを踊るイベントがありました。しかし、YouTubeに動画があるものの、知らない人が多く、すべての振り付けが載っているわけではありませんでした。一般参加者が円を作り、その内側に見本となる人を配置するなど、周りに12人ガイド役がいると、踊りやすくなるのではと感じました。
 饅頭まきが始まると、小学生以下専用のエリアで大人の立ち入りが禁止されているエリアにもかかわらず、心配だからと付き添いで入る大人が多く、規制が難しいと感じました。来年以降は、大人禁止の張り紙を増やすなど、案内ポスターに明記することで、ルールの周知が進むのではないかと思います。

今回のお祭り開催のための支援活動とあわら市周辺を見て回った体験を通じて、あわら温泉には新たな発見が多くあり、楽しい経験となりました。