産官学連携先：阪九フェリー株式会社

大谷ゼミではゼミのテーマである観光・サービスのマーケティングについて実践的に学ぶため、阪九フェリー株式会社（北九州市）旅客営業部にご協力いただきフェリーに乗る若者を増やすための活動に取り組んでいます。阪南大学キャリアゼミとしての正式な活動は今年4月から始まりましたが、実際の活動開始は2023年6月のゼミ発足時までさかのぼり、チームの編成や活動内容の検討、ご協力をお願いするフェリー事業者の候補選定から始めました。そして充実した船内設備やマスコットキャラクター「ふねこ」などのプロモーションから興味を持った同社に打診させていただいたのが10月でした。学生が突然ご連絡を差し上げたにもかかわらず前向きにご対応いただき、同年12月にはご担当者様との初めてのオンラインミーティングが実現し、航路利用者の実態やこれまでに同社が取り組んだマーケティング活動、そして今後の課題についてお聞かせいただきました。今年2月にはフィールドワークを実施し、実際に乗船するとともに北九州市や下関市を観光しました。大半が初めてのフェリー利用でしたので今年度の活動につながるよい機会になりました。また現地でご担当者様に直接お目にかかり今後の活動について協議させていただき、インターネットを利用したプロモーションを提案させていただくという方針が決まりました。あわせて停泊中のフェリーで船内設備の隅々まで見学させていただきました。
今年度前期はどのようなターゲットを想定したプロモーションを提案するのか検討を重ねました。さまざまな資料・データを集め分析した結果、女性グループ、カップル、家族、そして船旅そのものを楽しむ人を想定し、そのニーズに対応するプロモーションを提案する方針を固め、7月にはご担当者様とのオンラインミーティングでそれを報告させていただきました。ウェブサイトでの発信を想定し、各ターゲットのニーズに合致するモデルコースを中心とするコンテンツを提案することをゴールと定め、船と現地観光の実態を把握しそれらの魅力を探るとともに情報発信に必要な写真素材を集めることを目的に、9月に実際の乗船と現地観光が伴うフィールドワークを実施しました。
現在はそのフィールドワークで得られた成果をウェブ上のコンテンツとして取りまとめる作業を行っており、年内にはサンプルを完成させご担当者様にお示しする予定です。

私はこのキャリアゼミ活動において、他のゼミ生と同様に若者の旅行の実態やニーズについて調べ、具体的な活動内容を提案させていただくための資料作りに取り組みました。それにあたり統計資料や観光推進機関・観光事業者の情報を集めそれを分析するのはとても大変でした。しかし、自分と同世代のニーズを調べていくうちに意外な発見や新たな発見があり、自分たちの観光行動を数字で客観的に見るのが面白く感じました。
私はこれまでにフェリー利用の経験がなく、 フェリーについてほとんど何も知りませんでした。実際に乗船して驚いたのはその充実した設備です。客室はもちろん、 エントランスやパブリックスペースまでデザインや機能性にこだわりを感じました。最も驚いたのは露天風呂で、各社のフェリーでも珍しいそうです。フェリーでしかできない特別な旅ができることがわかりました。フェリーに乗ったことがなかったからこその視点や新たな発見をメンバー内の議論に反映させるようにしてきましたし、提案内容にも生かしたいです。
フィールドワークでは、それぞれが設定したターゲットに対して船や現地観光の魅力が伝わるような写真の撮影に力を入れました。これまでは観光をする側、すなわちプロモーションを仕掛けられる側だったのが、仕掛ける側になったことで、どうターゲットに響かせることができるかを考えて写真を撮るのは大変ではありましたが、とても新鮮で、次第に表現にこだわることを楽しめるようになりました。